学校でズボンを汚してしまった息子
当時、1年生だった息子は、音楽発表会の練習中にトイレを我慢できず、お漏らしをしてズボンを汚してしまったことがありました。帰宅後、息子が脱いだズボンの異変に気づいた私が事情を尋ねると、息子はなかなか話したがらずに泣いてしまいました。
ようやく話してくれた内容によると、床を汚すほどではなかったものの、下着とズボンが濡れてしまったとのこと。音楽室から教室へ戻らなければならず時間がなかったため、自分から先生に言い出せず、着替えるタイミングを逃してしまったそうです。
そのまま汚れた服で過ごすことになり、すぐ近くにいたお友だちには気づかれてしまって、息子自身、相当恥ずかしい思いをしたようです。
そんな息子を、私は精いっぱい励ましました。「間に合わなかったのは仕方ないよ。練習を抜け出しにくい気持ちもわかる。でも、トイレに行きたいと伝えても先生は怒らないから、次からはどんなときでも迷わず行こうね」と。
幸い、翌日からも息子は嫌がることなく登校してくれたので、私はホッと胸をなでおろしました。
そして迎えた、音楽発表会の当日。息子の元気いっぱいな歌声と演奏を見届け、満足感とともに帰路につこうとしたときです。同じクラスのママ友が、「〇〇くんのママ!」と私を呼び止めました。すると……。
ママ友の衝撃発言に場が凍り…
彼女はあろうことか、「この間、息子くんズボンびしょびしょになっちゃったんだってね! うちの子が見てたけど、かわいそうだから誰にも言わないであげたって。大丈夫だった? 大変だね」と、周囲の保護者や子どもたちにも丸聞こえの大きな声で話し始めたのです。
近くには同じクラスの保護者が大勢いたため、その場は一瞬で気まずい空気に……。私はいたたまれなくなり、とっさに「ちょっと間に合わなかっただけみたい。大丈夫だよ、ありがとう」とだけ返して、足早にその場を立ち去りました。
「他の保護者にまで広まって、息子がクラスに居づらくなってしまうのではないか」と、私は不安と悲しみでいっぱいになりました。しばらくは心配な日々が続きましたが、その後、息子から「お漏らしのことを言われた」「からかわれた」といった話が出ることはなく、元気に登校し続けられているのがせめてもの救いです。
学校でのトラブルは親がコントロールできるものではありませんし、何かがきっかけで周囲に伝わってしまうのはある程度仕方のないことかもしれません。しかし、親の言動が原因で子どもが窮地に立たされる事態だけは、絶対に避けなければならないと痛感しました。
同じ母親として、もう少し配慮がほしかったなと残念な気持ちにはなりました。しかし、きっと彼女に悪気はなく、純粋に心配して声をかけてくれただけなのだと思います。そう割り切ることで自分の心に区切りをつけ、私は息子が学校に居づらくならないよう、いっそう気を配るようになりました。
著者:いちのせはち/30代女性。2016年生まれの男の子と、2017年生まれの女の子を育てるシングルマザー。
息子は発達障害・軽度知的障害あり、公立小学校の通常学級に在籍中。「子ども発達障がい支援アドバイザー」の資格を取得し、子どものサポートのため会社員を辞めフリーランスに転身。バイリンガル育児にも取り組んでいる。日々の癒やしはK-POPアイドル!
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)