なんで私ばっかり…

結婚して数年。私たち夫婦の生活は、仕事や日々の用事に追われるようになっていきました。共働きの私たちは、最初こそ家事の分担についてきちんと話し合い、「無理のないように協力しよう」と決めていたはずでした。
月日がたつうちに、その約束はだんだんと曖昧になり、気が付けば私の負担ばかりが増えていました。仕事から帰ってきて、夕飯の準備、片付け、洗濯物……。夫は疲れた様子でソファに座り、テレビを見ている。そんな光景が当たり前になっていったのです。
そしてある日、私はついに我慢の限界を迎えました。夕飯の片付けを終えた後、抑えていた思いがあふれ出し、「どうして私ばかりが家事をしてるの?」と夫に問いかけてしまいました。
すると夫は、少し面倒くさそうな表情を浮かべながら、「だって女の人ってそういうもんでしょ?」と返してきたのです。
その瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような気持ちになり、思わず「もう離婚したほうがラクかもしれない」と口にしていました。リビングに、しんと静まり返った空気が流れました。夫は驚いたように私の顔を見つめてきました。
しばらくの沈黙の後、夫は大きく息をついて、「わかった、ちゃんと家事をやるよ」と静かに言いました。
それから私たちは、家事の分担について改めて話し合いました。完璧に半々ではないけれど、「どちらかに偏らないようにしよう」と、お互いに歩み寄る形で再出発することになりました。
あの日の口論は、決して無駄ではなかったと思います。夫婦で暮らしていく中で、どんなにささいな不満でも、心にため込まずに伝えることの大切さを痛感しました。
◇◇◇◇◇
何より、感情のままぶつけるのではなく、冷静に話し合う力が必要なのだと、自分自身にも改めて気付かされた出来事となりました。
著者:長谷川美玲/30代女性・会社員
イラスト/あさうえさい
冷暖房を消し回る夫、節約思考の真意は

結婚して24年、私の影響を多少は受けているはずの夫ですが、根っからの節約家として常に家計を気にしています。冷暖房の電源や、携帯電話の買い替えなど、わが家ではちょっと風変わりなやりとりが日常茶飯事です。
私の夫は、結婚してからというもの、基本的に節約第一の関西人です。夏になると「冷房をつけると寒い」と言いながら家じゅうのエアコンを片っ端から消し、寒くなっても暖房も消して回ります。見ていると、本当に電気のスイッチを操作して回るのが趣味なのかと思うほど。一見すると私とは対照的に映る行動ですが、これも夫なりの価値観と言えるのでしょう。
そんな夫は、携帯会社のキャンペーンで入手した1円の携帯電話を、ずっと何年も使い続けていました。もともと型落ちだった上に、デジタル機器に夢中で使い込みすぎた結果、動作がかなり遅くなっていたのです。
あるとき、長男の体育祭で撮影を頼んでみると、起動の遅さゆえに大事なシーンを逃すはめに。それ以降、家族の行事は専ら共有のiPadで写真撮影をするようになり、スムーズにことが運びました。
人によってお金をかけたい部分はそれぞれ違い、私の夫もスマホやタブレットはよく使うのに、ほかのことにはお金を使いたがりません。とはいえ、家族みんなが同じ空間で快適にデジタル機器を使えるのは、ちょっとした幸せだと私は感じています。夫の行動を理解しつつ、時々は家族全員にとって心地良い環境を整えたいと思うのが、私の本音です。
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夫は私に感化されながらも節約を貫いています。私はそんな夫を見守りつつ、家族にとって心地良いデジタル環境を模索していきたいと思います。
著者:中田明子/50代女性・主婦
イラスト/ゆる山まげよ
年収が下がっても転職したい?なぜ今なの!

息子が塾通いを始めてから、すでに100万円近くの大金を支払っていたわが家。これから先、受験料や入学金、1人暮らしの準備など、多額の教育費がかかります。計画的に準備してきたつもりでしたが、大学進学に必要な費用は予想をはるかに超えるものでした。
そんな中、夫が転職サイトをチェックして、履歴書を送り始めたのです。「どうして転職したいの? 」と聞いても「将来的に、この仕事を続けられるか不安があるから」という、よくわからない答えが返ってきます。転職したら収入が減るのでは?という私の懸念に対しても「収入が減っても転職したい」の一点張り。私は夫に対して怒りを覚えました。
ところが夫が転職活動を始めて、しばらくたったある日のことです。会社から帰宅した夫の顔を見た瞬間、思わず「何かあった? 」と聞いた私。それほど、夫の様子がいつもと違ったのです。
夫がポツリポツリと話し始めたのは、異動になった部署で、上司から暴言などを受けていること、今日どうしても我慢できなくて「辞めます」とたんかを切って帰ってきたこと…… 。どれも「ウソでしょ? 」と言いたくなるようなことばかりです。
夫はもともと争い事をきらい、もめるくらいなら自分が我慢しようというタイプ。相手に対して反論するでもなく、誰かに相談するでもなく、我慢し続けているうちに限界を感じたことが、転職活動を始めた理由でした。
私が「明日、退職願を出しておいでよ」と言うと、夫はびっくりしていましたが「ごめん、ありがとう」と、どこかホッとしたような表情を見せていました。収入面の不安はありましたが、お金よりも大切なのは心の健康を保つこと。私が働いて何とかしようと覚悟を決め、すぐに退職願のフォーマットをダウンロードして夫に渡しました。
夫から息子に、会社を辞めるかもしれないけど大学進学の費用は心配しなくてよいことを伝え、今回の経緯を簡単に説明。最後に私が「お金は働いて稼げるけど、心の健康はお金では買えない大切なことだから」と伝えると、「そうだね」と落ち着いた様子で聞いていました。
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夫は翌日から会社の役員と面談を重ね、最終的には他の部署に異動することになり、今でもなんとか勤務を続けています。当時、息子の大学進学でお金の話をする機会も多くなり、知らず知らずのうちに夫を追い詰めていたのかもしれません。
今回の件は、夫にはつらい出来事でしたが、私自身本当に大切なことに気付くきっかけになりました。息子にとっても、今後の人生で大切な人に何かが起こったとき、優先すべきことを選択する上で今回の経験が生かせるといいな……と思っています。
著者:樫原有香/高校生の息子を持つアラフィフ。現在は整理収納アドバイザーの資格を生かして、オンラインを中心にした仕事をしている。たまの息抜きは、友人を招いて自宅で開催するホームパーティー。
イラスト/さくら
まとめ
3組の夫婦の事例から、トラブル解決の糸口は一つではないことがわかります。1組目のように正直な気持ちを伝えて分担を見直すこと、2組目のように相手の価値観を否定せず、別の方法で補うこと。そして3組目のように、世間体や収入よりも「家族の心身の健康」を最優先にする決断も時には必要です。
夫婦といえど元は他人同士。「察してほしい」「我慢すればいい」と思い込まず、その時々の状況に合わせて、柔軟に関わり方をアップデートしていくことが、長く円満な関係を続ける秘訣なのかもしれません。
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※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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