予期せぬ「真ん中」への誘導
式自体は在校生による合唱などでにぎやかでしたが、次女はずっと寝ていたので、大きなトラブルもなく終わりました。しかし、次の難関は校庭での集合写真撮影。私はおくるみに包んだ次女を抱き、列の端でひっそりと写るつもりでいました。
ところが、そこで先生から予想外の提案が。
「お母さん、こちらへどうぞ! 赤ちゃんはせっかくなので、前の真ん中あたりで抱っこしてくださいね〜」
さすがに最前列は……と遠慮して2列目に並びましたが、そこはまだ冷たい4月の風が吹き抜ける場所。次女が不穏な顔でモゾモゾし始め、嫌な予感がよぎりました。
シャッターの瞬間、腕の中で…
カメラマンが「はい、撮りますよー! 動かないでくださいねー!」と声を張り上げた、まさにその瞬間でした。腕の中から、ぬくもりと、ある「確信」が伝わってきたのです。
(……やってしまった。しかも、量が多いタイプだ)
それは紛れもなく、うんちの感触でした。その瞬間、次女は火がついたように泣きだし、顔を真っ赤にして激しく声を上げました。
校庭に響き渡る次女の泣き声と、刺さる視線……。私は必死に笑顔を保ちましたが、心の中では悲鳴を上げていました。そんな事情を知る由もないカメラマンは、容赦なく要求を重ねてきます。
「お母さん! おくるみで赤ちゃんの顔が隠れているので、もう少し傾けられますか? はい、笑顔で!」
おくるみの角度なんてどうでもいい、今すぐここを離れたい……!
うんち爆弾を抱えたまま、私は中身が漏れ出さないことを祈りつつ、ひきつった笑みで謎のポーズを決めるしかありませんでした。
何度も撮り直された写真の仕上がりですが、あんなに苦労した次女の顔は結局おくるみに隠れて見えず、主役の長女はあらぬ方向を向いているという有様でした。
それでも、小学1年生の入学式は人生の節目。あの「ぬくもり」の感触とともに思い出すこの1日は、親にとっては何にも代えがたい、特別な思い出です。
著者:伊東理恵子/30代女性。2018年生まれ、2025年生まれの姉妹と夫との4人暮らし。育休や仕事復帰を経て、10年以上商社の営業事務に従事。子育てジャンルの記事をはじめ、美容にも関心が高く、美容記事も執筆中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
※AI生成画像を使用しています