「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、妊娠中のしょうがの摂取に関するご相談です。
Q.妊娠中にしょうがを食べても大丈夫でしょうか?
妊娠11週なのですが、漬け物のしょうがや牛丼屋さんにあるしょうがなど、食べても大丈夫でしょうか?
矢部まり子管理栄養士からの回答
刺激物になることを懸念されてのご質問かと思いますが、常識の範囲内の摂取量であれば特に食べてはいけないものではありません。
※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより
しょうがの効果
一般的に、しょうがは冷えを改善する効果がある、風邪を予防する、胃腸の働きを助けるなどの効果があるとして重宝されています。これらの効果は、しょうがの辛味成分のジンゲオールとショウガオールによるものと考えられています。生のしょうがに多く含まれるジンゲオールは、鎮痛・解熱・消炎・発汗効果があり、体温を下げようとする効果があります。生のしょうがを加熱や乾燥させるとショウガオールという成分に変化します。ショウガオールは代謝を良くして、深部から熱を作り出し、体の芯から温めて持続させる効果があります。
しょうがの摂取量の目安
しょうがは食品なので、摂取量に決まりはありません。食べる人の体質によって1g食べただけで効果を感じる人もいれば、20g食べても効果を感じない人もいます。しょうがの種類や調理方法によって得られる効果は異なるので、自分にとって健康的においしく食べたり飲んだりできる量を目安に、大量に食べることは避けたほうがいいでしょう。
妊娠中にしょうがを食べるときの注意点
・妊娠中に、しょうがを食品として、あるいは薬味やスパイスとして使用してもかまいません。大量に摂取することは避けましょう。
・妊娠中にしょうがを食べることで、妊娠経過やおなかの中の赤ちゃんへ悪影響があることを証明する研究は今のところありません。
・しょうがは、妊娠中の吐き気や嘔吐などのつわりの症状を緩和させる可能性があることが研究で明らかになっています。つわり(重症悪阻を含む)のために処方される漢方薬の半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)や小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリュウトウ)には、生姜(ショウキョウ)が含まれています。これらの漢方薬の処方を受けている間は、しょうがの成分の過剰摂取によって漢方薬の効果が弱まることを防ぐため、しょうがを食品として摂取するのは控えましょう。
・しょうがは、妊娠中の冷えを必ず改善するという報告は今のところありません。しょうがを過剰摂取することでさらに冷えが起きている妊婦さんもいます。冷えを改善したい場合は、まずは医師や助産師へ相談しましょう。
・妊娠中に下記の治療薬を使用している場合は、しょうがの成分によって治療効果を妨げる可能性があるため注意が必要です。治療中の妊婦さんが、しょうがの摂取について気になる場合は、医師や薬剤師へ相談しましょう。
血糖値を下げる治療薬:インスリン(ヒューマリンR® ヒューマログ® ノボラピッド®等)
血液の凝固を防ぐ治療薬:ヘパリン(ヘパリンCa®) 低用量アスピリン(バイアスピリン® バファリン配合錠A81)
血圧を下げる治療薬:カルシウム拮抗薬ニフェジピン(アダラート®)
・しょうがは妊娠中に必ず摂取しなければならない食品ではありません。しょうがが苦手、あるいはしょうがを摂ることで体調が悪くなる妊婦さんは、摂取を控えましょう。また、妊娠中にしょうがの成分を含むサプリメントや健康食品を摂る必要はありません。妊婦さんをターゲットにした製品の情報や広告に惑わされないように気をつけましょう。
※参考:基礎知識(妊娠中)「【医師監修】妊娠中にしょうがを食べることで得られる効果と注意点」【監修:医師 太田 篤之 先生 | おおたレディースクリニック院長】
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