高校の同級生から、久しぶりのメッセージが
開くなり、明るい絵文字と一緒に「結婚したんだって?」「ひどい、なんで教えてくれなかったの?」「結婚式行きたかった〜」と続き、まるで仲の良い友だちに送るようなテンションでした。
けれど、私のほうは仲良しだと思っておらず……。当時、Aは私のことを「地味」「顔がさ〜」などと笑い、私がやめてと言っても「冗談じゃん」「ノリだよ」と軽く流していました。それなのに今さら、距離の近いふりをされても困ります。
私は「久しぶりだね」とだけ返しました。すると今度は、同窓会の話を持ち出してきます。「来なかったよね? なんで?」と。その日は仕事が入っていて行けなかった、ただそれだけ。そう伝えると、Aはすぐに“いつもの調子”になりました。「場違いだってわかってて来ないのかと思ったわ」
その後も、誰が誰と結婚したなどの話が続き、「私はほら、容姿がいいから受付をしてるんだ〜」と、さりげなく自分の自慢を挟んできます。私は「そうなんだ」と短く返すと、Aはさらに踏み込んできました。
同級生「結婚相手の写真送って!」私は…
「旦那の写真見せてよ、見たいから送って」私は、夫の写真を軽く送れるほど、Aのことを信用していません。そもそも“見たい”理由が善意ではない。そう感じたからです。
「それはちょっと……」と断ると、Aは「なんでよ〜私たちの仲じゃん!」「高校のとき、よく遊んであげたでしょ?」と言ってきました。“遊んであげた”。その言い方ひとつで、今も上下をつけたがっているのがわかります。
私は思わず、指が動きました。高校のころ、ずっと外見でからかわれて嫌だったこと、やめてと言っても笑われたこと。そんな相手にプライベートを話したいと思わない――そう、淡々と伝えたのです。
するとAは「なによそれ」「あんたみたいな地味な子に言われたくない」と逆上。私が最後に「もう大人なんだから、外見で人を測る癖、そろそろやめたら?」と送ると、Aは「SNSでさらしてやる」「同級生に傷つけられたって拡散してやるから!」と息巻きました。“さらす”と言われても、私のほうは悪いことはしていません。怖くはありませんでした。
同級生「あなたの夫、頂戴って言ったら…?」
しばらくしたある日、Aからメッセージが届きました。「おは〜w 私さ、あんたの旦那と会っちゃったw」
嫌な予感がして、指先が少し冷たくなりました。きっと同級生の誰かから聞いたに違いありません。さわやかでやさしくて、しかも「次期社長候補なんでしょ!?」そして、「私も次期社長と結婚した〜い♡」「紹介してよw」と続け、冗談のようにこう言ったのです。「私が“旦那ちょうだい”って言ったら、くれる?w」
私が返信せずにいると、Aは得意げに煽ってきました。「『夫には近づかないでください、お願いします』って言ってw」「私は男を落とすスペシャリストだよ? 本気出したらイチコロだからねw」私はスマホを握ったまま考えました。この人は、誰かを下に置かないと安心できない。そういう生き方を、ずっと変えられないまま大人になってしまったんだ――と。
そして私は、丁寧に返しました。「私は、お願いして関係を守るつもりはないよ」するとAは「上から目線w」「せいぜい後悔するといいよ」と捨て台詞を残し、そこから妙に静かになりました。
「嫌な予感」半年後、同級生から連絡があり…
それから半年後、知らない番号から電話が鳴りました。なんとなく嫌な予感がしましたが、案の定、Aでした。声は弾んでいて、勝ち誇ったように言います。「ねえねえw 今どんな気持ち〜? 旦那、離婚するって言ってるよね?」
私はその瞬間、理解しました。落ち着いて「離婚するよ。ちょうどそのつもりだったから」と答えました。Aは一瞬言葉を詰まらせ、それから笑いました。「じゃあ早くサインしてよ! 私、社長夫人になるから♡」「地味なあんたには無理w」
――ここまで言われて、私の中で何かが切れたというより、逆に霧が晴れた気がしました。
私は「いいけど……本当に何も知らないんだね」と小さくつぶやき、「わかった。離婚の手続きは進める。その代わり、慰謝料は請求するから」と伝えました。Aはそれを聞いて、「はした金くらい払ってあげるw」と笑いました。
次期社長候補じゃない…?同級生の末路
しばらくして、今度は焦った様子でAから連絡がありました。「ねぇ……どういうこと」「次期社長候補じゃなかったの!? 会社辞めたって言ってるんだけど!! なんで!?」
元夫は、私の家の会社で働いていました。結婚と同時に、将来的に経営に関わる話も出ていた。だからAは「次期社長候補」と聞いて舞い上がったのでしょう。でも、その立場は“私の夫”であることが前提でした。
夫が不倫し、離婚を決めた時点で、会社としての関係も見直される。当たり前のことです。私は淡々と伝えました。「次期社長候補だったのは、私と婚姻関係にある間の話だよ」Aは「社長令嬢だったの!?」と叫びました。私は静かに訂正します。「社長令嬢じゃない。先日、私が社長に就任しました」
その瞬間、Aの言葉は急に崩れました。SNSでも結婚報告をし、式の予定も立てた――なのに、夫の肩書きが消えた。“社長夫人”になるはずだったのに、話が違う。自分が積み上げてきた“勝ち”が崩れていく音が、電話越しに聞こえるようでした。
そしてAは、「ねぇ……慰謝料、少し下げて……友だちでしょ……?」と言ってきました。私はそこで初めて、思わず笑ってしまいました。友だち。都合のいいときだけ使う言葉。高校時代から、何ひとつ変わっていません。
私はきっぱり答えました。「手続きは弁護士を通して。もう私に直接連絡しないで」「それと、友だちって言葉、軽く使わないで。私は、あなたに“友だち扱い”された覚えはないから」電話を切ったあと、不思議なくらい心が静かでした。あのころ、言い返せなかった自分が、ようやく背筋を伸ばせた気がしたのです。
◇ ◇ ◇
「昔の知り合いだから」「同級生だから」と、相手が一方的に距離を縮めてくる――そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。嫌だと感じたときに距離を取ることは、逃げではなく、自分を守るための選択です。無理のない、安心できる人間関係を選んでいきたいですね。
【取材時期:2026年2月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。