【医師監修】妊娠中、結婚式に招待されたらどうする?

2019/10/02 12:30
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この記事では妊婦さんが結婚式に招待された際の注意点について、医師監修のもと解説します。妊娠中は、妊婦さん本人の体調やおなかの中の赤ちゃんの健康状態を優先することが大切です。無事に参列するためには、普段以上に体調管理が大切ですので、担当医や助産師からアドバイスを受けましょう。
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今回は妊娠中に結婚式へ招待された妊婦さんのために、医学的な視点で気をつけたほうが良いことについてお話しします。

 

妊娠中に招待された結婚式へ参列しても大丈夫? 

妊娠経過が順調で、挙式や披露宴へ参列する当日の体調が良ければ、参列することはかまいませんが、自己責任かつ慎重な判断をしましょう。

 

結婚式の日程や場所だけでなく、妊娠週数や当日までの妊娠経過によっても判断は変わります。一般的には安定期に入れば〇〇して大丈夫と表現されがちですが、妊娠経過は個人差があり、週数によって起こりやすい症状やトラブルは異なるため、医学的に安定期といえる時期はありません。

 

妊娠中に結婚式への参列予定があれば、担当医や助産師へ相談しましょう。妊婦健診では、妊娠による妊婦さんの体の変化や、おなかの中の赤ちゃんの成長を確認しますが、参列当日の妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を確約するものではありません。参列すると決めたときに妊娠経過が順調であっても、その後いつ何が起こるかは誰にもわかりません。無事に参列するためには、普段以上に体調管理が大切ですので、担当医や助産師からアドバイスを受けましょう。

 

妊娠中に招待された結婚式へ返答するとき

妊娠していることをすでに伝えている相手から招待されたのか、招待への返答をきっかけに妊娠報告すべき間柄なのかによっても、出欠席の判断や伝え方が異なるでしょう。出席する場合は、現在妊娠中であることや結婚式当日が妊娠何週になるのかを事前に伝えましょう。新郎新婦が準備段階に把握することで、食事内容や座席などを調整できるかもしれません。

 

直前や当日にやむを得ずキャンセルする可能性もあるので、新郎新婦に負担がかからないように妊婦さん側から配慮することが大切です。欠席する場合で、妊娠をすでに報告している相手や親しい間柄から招待された場合は、「出産を控えているので」と一言添えましょう。妊娠をまだ公表していない状況や、それほど親しくない人から招待された場合は、「やむを得ない事情で」と理由をはっきり書かないのもマナーです。

 

妊婦さんが飛行機に乗れるのは、妊娠36週未満としている航空会社が多いですが、海外での結婚式へ招待された場合は、欠席することをおすすめします。海外旅行の傷害保険では基本的に妊娠出産に関わる医療費はカバーされません。国内の結婚式へ招待された場合は、式場近くに病院があっても、かかりつけの妊婦さん以外の診察は断られることがあります。妊婦さん本人の自宅やかかりつけの産婦人科から遠く離れた場所で結婚式がおこなわれる場合は、その土地で入院や出産した場合を想像して慎重に判断しましょう。

 

いずれの場合も妊婦さん本人の体調管理を優先すること、主役である新郎新婦を祝福する方法を考えることが大切です。

 

妊婦さんが結婚式に参列するときに気をつけること

結婚式当日はすべての参列者が楽しめる準備や演出がされると思いますが、それぞれの健康状態に対して予防・対策をするのは参列者のマナーです。妊娠中だからこそ自己責任で行動することが大切ですので、以下を参考にしてください。

 

・当日の持ち物について
結婚式当日に体調が変化する可能性を考えて、母子健康手帳、かかりつけの産婦人科の診察券、保険証を持参しましょう。破水や性器出血が起きたときに使用するために、生理用ナプキンも持参したほうが安心です。つわりの時期で特定の飲食物しか摂れない場合は必ず持参しましょう。

 

・ドレスや靴などの衣装について
妊娠中の体型変化に合わせて調整ができるドレスやインナーを選びましょう。過ごす環境によって体感温度が異なるので、服装で調整できるように工夫しましょう。カーディガンなどすぐ羽織れる上着や、肩や膝にかけられる持ち運びにも便利なストールなどを活用しましょう。体型の変化だけでなく、体の重心も変化するため、ヒールの高い靴や履き慣れない靴では疲れやすく、転ぶ危険性もあります。歩きやすく、かかとの低い靴を履くなど工夫しましょう。

 

・ヘアメイク、ネイル、マツエクなどの美容について
結婚式当日にヘアメイクをプロへ依頼する場合は、妊娠による生理的な変化によって、肌質や嗅覚が敏感になりやすいので、肌にやさしく、香りの少ない化粧品や整髪料を使ってヘアメイクしてもらうようにリクエストしましょう。

 

衣装に合わせたネイルをする場合は、すぐに除去できるチップやマニキュアを選びましょう。ジェルネイルやスカルプチュアは簡単に除去できないため、緊急な対応が必要となった場合に、治療や処置の妨げとなります。また、マツエクも同様に、治療や処置の妨げとなります。妊娠している体を気づかったおしゃれをしましょう。

 

・妊娠していることを忘れないで適宜休憩する
おなかが大きくなると、同じ姿勢を保つことがつらいこともあります。新郎新婦や他の参列者への気づかいも大切ですが、妊婦さんが立ちっぱなし、あるいは座りっぱなしという状態は避けたほうが良いです。式場に到着したら、休憩場所やトイレまでの動線を確認しましょう。胎動が感じられる週数であれば、いつものように胎動があるか気にかけましょう。

 

・生ものを食べない
妊娠中は妊娠していない状態よりも抵抗力が弱まるため、細菌やウイルスなどに感染して、食中毒を起こしやすいです。特に、食中毒を起こすリステリア菌や先天性トキソプラズマ症の原因となるトキソプラズマに感染しないように注意が必要です。結婚式の定番メニューで十分に加熱調理していない食材(例:レバーパテ、ローストビーフ、生ハム、フォアグラ、生の魚介類)や、加熱処理されていないナチュラルチーズ(例:ブルーチーズ、カマンベールチーズ、チェダチーズ、モッツァレラチーズ)は食べないようにしましょう。

 

・アルコールやたばこは避ける
妊娠中に母親がアルコールを飲むと、おなかの中の赤ちゃんの体の発育、脳の発達へ深刻な影響を与え、胎児性アルコール症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高まります。アルコールの耐性については個人差が大きいため、妊娠中の飲酒量や赤ちゃんへ影響しない許容量は定められていません。お酒がある2次会などに出席することはかまいませんが、乾杯程度でも飲酒することは避けましょう。また、最近では披露宴で禁煙とする式場がほとんどですが、二次会などで自分がたばこを吸わなくても、同席者の喫煙による副流煙も気になります。妊娠中のたばこの煙もまた、胎児に影響を及ぼしますので、会場の環境次第では出席を避けたほうが良いかもしれません。

 

まとめ

妊娠中は、妊婦さん本人の体調やおなかの中の赤ちゃんの健康状態を優先することが大切です。体調の変化により、キャンセルする勇気を持つことも大事です。結婚式の主役は新郎新婦です。妊娠中に結婚式へ招待された場合は、お互いの人生の節目を祝福できるように心がけましょう。

 

■参考
産婦人科診療ガイドライン産科編2017
厚生労働省 妊娠中と産後の食事について

 

監修者

医師 北川 博之 先生

産婦人科 | 医療法人至誠会 梅田病院院長


昭和56年愛媛大学医学部卒業。その後愛媛大学付属病院にて産婦人科講師、助教授として勤務。愛媛県立医療技術大学教授を経て、平成20年より現職の梅田病院に院長として就任。現在も愛媛大学、広島大学などで非常勤講師として教育にも従事。


著者

助産師 古谷真紀


一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー

大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。



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