友人が予定外の妊娠…夫との間に何が?
私には、尊敬できる友人がいます。とても芯のある女性で、高校生のころから「将来は海外に住みたい」という目標を持っている友人Aです。そんなAは、彼女の夢を「応援するよ」と言ってくれた男性と結婚。とても幸せそうに報告してくれたのを覚えています。子どもは1人にすると夫婦で決めて、子育てが落ち着いてきたら海外に住むというライフプランを立てていると教えてくれました。
結婚から2年後、無事に第1子の男の子が生まれ、Aは子育てに奮闘していました。しかし、Aの長男が1歳半を過ぎたころ、Aから「ちょっと話したいことがあるんだ……」と連絡が。カフェで待ち合わせて、会って話を聞くと「実は妊娠したんだ」という報告でした。子どもは1人にすると聞いていた私は驚きましたが、「おめでとう」と返事。
するとAは「驚いたよね。予定はなかったんだけど、実は夫が避妊具をつけてくれなくて……」と暗い顔になっていきました。さらに「拒否すると不機嫌になって『風俗に行ってもいいんだな?』って脅されるし断れなくて」と続けます。家事や育児は進んでしてくれるものの、夫婦生活の話となると支配的になるAの夫。Aは夢と現実の間でボロボロになりながらも、出産を決意していると話しました。
それから時は経ち、第2子の長女が2歳になったころに、再びAから「聞いてほしい話がある」と連絡が。また何か困っていることがあるのかと心配な気持ちで会うと、以前とは打って変わって、驚くほど晴れやかなAの姿がありました。話を聞くと、「実は離婚したの」と話すではありませんか。
Aが言うには、長女出産後も、夫の態度は変わらなかったとのこと。「外に出せばいいんだろ」「レスは離婚の原因になるんだぞ」などと言い、Aが嫌がるそぶりを見せるほど「夫婦の義務」を盾に高圧的な態度を取るようになったそうです。さらには「君の夢を叶えるために、俺がどれだけ働いていると思っているんだ」と恩着せがましい言葉で、彼女の尊厳を削り続けたのです。
しかしAは、ただ耐えていたわけではなく、密かに「成敗」の準備を進めていました。Aは、夫が放った「風俗に行く」「拒否するなら生活費を削る」といった数々の脅迫発言を、ボイスレコーダーと日記へ詳細に記録し、さらに、夫に内緒で海外移住のための資金を別口座で貯金して確保。弁護士を通じて「避妊の拒否と性に関する行為の強要」という、モラハラや性暴力にあたる内容を整理しました。
意を決して夫に離婚を迫ると、案の定夫は「親権は渡さない」「お前ひとりでやっていけるはずがない」と高圧的に怒鳴り散らしたそう。しかしAはひとりで立ち向かったのではありません。夫に反発されることを見越して、弁護士の立ち会いの場を用意。そこで、ずっと前から溜めてきた証拠データを冷静に突きつけました。Aが用意した数々のサプライズに、夫の顔面はみるみる蒼白になり、離婚に合意。結果、Aは希望通りの慰謝料と親権、そして十分な養育費の合意を勝ち取り、家を去ることができたのでした。
Aはこの話を「これから先ずっとこのストレスを抱えて生きていくより、別れたほうがいいと思って!」と、とても晴れやかな表情で話してくれました。そして現在、離婚から2年。子ども2人を連れて、ニュージーランドへ移住する準備がもうすぐ整うそうです。
「愛」や「家族」という言葉を盾にして、パートナーの尊厳を傷つけ、人生をコントロールしようとする相手と一緒にいては、心も体も傷ついてしまうと、Aの話を聞いて思いました。「家事を頑張ってくれているし」「我慢させるのは悪いし……」と、相手を思うこともときには大切かもしれませんが、自分を犠牲にし続ける必要はないと私は思います。私もAのように「自分の人生を奪わせない強さ」と「冷静な判断力」をしっかり持ち、理不尽な状況でも自分自身を守り抜けるようにしたいと感じた出来事でした。
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Aさんが晴れやかな気持ちでお子さんと一緒に生活できているとのこと、本当によかったです。
夫婦間であっても、避妊の拒否や性に関する行為の強要、脅迫的な発言などはDVに該当します。DVは身体的暴力だけではなく、精神的・性的・経済的な暴力も含まれます。Aさんが直面した「夫婦の義務」を盾にした性的な強要や脅しは、DV、性的暴力、モラハラとみなされる深刻な問題です。
Aさんは証拠を集め、法律の力を借りて自分の尊厳を守るための行動を起こしましたが、同じような状況にいる方の中には、「自分だけで解決するのは難しい」と感じる方も少なくないと思います。そうした場合は、一人で抱え込まずに専門機関に相談することが大切です。
【警察相談専用電話】
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著者:村上もも/30代・ライター。繊細な5歳の長女と陽気な3歳の長男、甘えん坊な0歳の次男の育児に奮闘中のママ。アクティブに遊ぶのも好きだが、ひとりの時間は必須。実父母と敷地内同居中。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)