兄に奪われ続けた過去
僕は、父の会社で働いています。大きな会社ではないですが、父が長年守ってきた会社なので、僕も父の力になりたいと日々まい進していました。
そんな僕は、兄のことで悩んでいました。兄は子どものころから、何かと僕をライバル視していました。僕がテストで上位になると「勉強しかできないくせに!」と言ったり、中学受験に合格したときには「俺はわざと落ちたから」と強がっていたり……。
やがて、勉強ではかなわないと思ったのか、兄は女性関係で優位に立とうとして……。高校生のとき、僕に初めてできた彼女を兄は奪いました。それだけでは留まらず、兄はその後も僕に恋人ができるたびに近づき、恋人を奪っていったのです。
恋人からフラれた理由
ある日、会社に行くとロビーに僕の恋人・Aが。待ち合わせの約束なんてしていたっけと疑問に思いながら声をかけると、Aは「あなたに会いに来たわけじゃないから」と言いました。
その瞬間、僕は「またか」と納得。僕の予感は的中し、僕たちの向かいから兄が歩いてきて……。Aの肩に腕を回したのです。
Aは「次期社長と婚約することにしたから!」と言って婚約指輪を見せてきました。どうやら、兄が次期社長になるという話を聞いて、兄に乗り換えたよう。僕は、今まで通りの展開に呆れてしまい、「わかった」とだけ言ってその場を去りました。
Aの話を聞いていると、どうやら兄はある事実をAには伝えていないようでした。
兄の正体が露呈
Aは兄を次期社長だと思っていましたが、実際に父から会社を継ぐことになっているのは僕なのです。
元々は兄が会社を継ぐ予定だったのですが、兄は業務上でのトラブルも多く、取引先を含め、周囲からは不満の声も出ていました。そして、兄にはこの会社を任せられないと判断した父から「会社を継いでほしい」と頼まれていたのです。
僕自身、兄に父の大切な会社を継がせることに不安があったため、父のお願いを了承し、会社を継ぐことにしたのです。
事実を知ったAは…
僕がAにフラれてからしばらく経ったころ。再び会社のロビーにAの姿がありました。Aは僕の姿を見つけるなり「やっぱり、あなたのほうが…」と甘えた声で復縁を口にして……。
事実を隠しきれなくなった兄がAに「自分は次期社長ではない」と事実を告げたそう。Aは「あいつに騙されてさ」と言っていました。Aの話を聞いた僕は、「でも兄を選んだのはAだよね? 僕はもうAとよりを戻す気はないよ」とキッパリお断り。
よりを戻せると思っていたのか、僕の言葉を聞いたAは立ちつくしていました。
兄に奪われてきた過去は変わりません。けれど、僕が会社で一生懸命働いていた結果が父から評価されるという形で認められました。恋人は失いましたが、腐らずに今まで信頼を積み上げてきてよかったと実感した瞬間でもありました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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