【医師監修】妊娠中に「紅茶」を飲んでも大丈夫?安心して飲めるものは?

2019/09/28 12:30
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この記事では妊娠中の紅茶について、医師監修のもと解説します。最近は、カフェインレスの紅茶飲料や茶葉が市販されています。紅茶を楽しみたいけれど、カフェインの摂取量が気になる場合には、カフェインレスの紅茶を選びましょう。

紅茶のイメージ

 

妊娠をきっかけに、食べ物や飲み物について「これは大丈夫?」と気にされる妊婦さんがいらっしゃると思います。今回は、紅茶についてお話しします。

 

妊婦さんは紅茶を飲んでも大丈夫なの?

紅茶にはカフェインが含まれています。カフェインには、程よい量を摂取すると交感神経を刺激して、眠気覚ましなどの覚醒作用、尿の排泄を促す利尿作用があります。ただし、妊娠中はカフェインの分解や排泄をする機能が低下すること、カフェインは胎盤を通過して胎児へ移行すること、カフェインが胎盤を流れる血流を低下させることから胎児の発育を妨げる可能性があること、また、流産や早産、低出生体重児の原因となる可能性があります。そのため、カフェインは妊娠中に大量に摂取することを控えたほうがよい成分です。

 

妊娠中のカフェインの摂取量の目安は、1日あたり合計200mg未満です。

カフェインは紅茶だけでなく、コーヒーやお茶などにも含まれるので、下記を参考に1日の合計を200mg未満に抑えれば、妊娠中に紅茶を飲んでも大丈夫です。


【カフェイン含有量の目安(100mlあたり)】
玉露 160mg
コーヒー 60mg
紅茶 30mg
煎茶 20mg
ほうじ茶 20mg
ウーロン茶 20mg
麦茶 0mg

 

参考:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

紅茶の場合、1日にティーカップ1杯(130~150ml)程度、国内で市販されているペットボトルや缶・紙パックで市販されている紅茶飲料は、1日1本程度(内容量200~500ml)であれば飲んでも大丈夫な量です。ただし、市販されている製品によってカフェインの含有量に幅がありますので、製品の成分表示を確認しましょう。

 

妊婦さんが紅茶を飲むときの注意点

紅茶や緑茶に含まれるタンニンの作用によって、吐き気や気分不快を起こす原因となることがあります。妊娠中につわりがある時期や胃腸の調子がすぐれないときは、紅茶や緑茶を飲む量を控えましょう。

 

以前は貧血と診断されて処方される鉄剤を内服する際に、お茶類に含まれるタンニンが鉄の吸収を妨げるため、お茶で飲んではいけないといわれていましたが、妊娠中に起こりやすい鉄欠乏性貧血の場合は、体内で鉄分を取り込む機能がパワーアップしているためにタンニンの影響は少ないという報告に基づいて、現在では絶対禁止にする必要性はなくなりました。ただし、つわりがある時期や胃腸の調子がすぐれないときに鉄剤を内服する際には、胃腸への負担を少なくするために紅茶や緑茶で内服することは避けたほうがいいです。

 

妊娠すると、書籍や雑誌、web上の情報の影響を受けて、過剰に体の冷えを気にして、紅茶などの飲み物も毎回ホットもしくは常温で飲まないといけない、冷たい飲み物は避けたほうが良いと思っている妊婦さんもいらっしゃると思います。人間は気温が変化しても体温を一定に保つ恒温動物です。寒さや暑さを感じたら、血液の流れる量を変化させたり、寒さを感じたら筋肉を震わせて体温を上げたり、暑さを感じたら汗をかいたりして、体温を一定に保つように調整しています。飲んだ飲み物の温度だけで、体温が変動するわけではありません。そのため、冷たい飲み物をまったく飲んではいけないということではなく、季節や妊娠中の時期に応じて口当たりの良い温度の飲み物を選び、リフレッシュしたり飲み物で楽しんだりする時間も取り入れていくようにしましょう。

 

紅茶以外の妊婦さんにおすすめの飲み物

最近は、カフェインレスの紅茶飲料や茶葉が市販されています。紅茶を楽しみたいけれど、カフェインの摂取量が気になる場合には、カフェインレスの紅茶を選びましょう。カフェインを含まない代表的なお茶は、麦茶とルイボスティーです。これらは、妊娠中に安心して飲めるお茶としておすすめです。

 

カフェインを含まないことが特徴のハーブティーを好む妊婦さんも増えていますが、ハーブもカフェインと同じように、大量に、あるいは濃縮されたものを摂取し続けることで妊婦や赤ちゃんへ思わぬ影響(子宮筋への刺激作用、流産誘発作用など)を及ぼす可能性は否定できません。ハーブティーを飲む場合は、ハーブの効用に注意し、1日2杯程度を限度にしましょう。

 

まとめ

妊娠中に紅茶を飲めることはわかりましたか。摂取する場合は、1日あたりのカフェインの摂取量を守って、紅茶の味や風味を楽しみながら飲みましょう。

 

参考:
産婦人科診療ガイドライン産科編2017
厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
文部科学省 食品データベース
 

監修者

医師 天神尚子 先生

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。


経歴

1981年 日本医科大学医学部卒業
1988年 米国ローレンスリバモア国立研究所 留学
1994年 日本医科大学 産婦人科学講師
1995年 東京都教職員互助会三楽病院 産婦人科科長
1995年 日本医科大学 産婦人科学客員講師
2004年 三鷹レディースクリニック開業


著者

助産師 古谷真紀


一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー

大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。



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