穏やかな日常に忍び寄る影
私は妊活に専念するため、長年勤めた会社を寿退社することに。
「先輩、本当におめでとうございます。でも、寂しくなります」
そう言って笑顔を見せてくれたのは、かわいがっていた後輩の女性でした。
彼女に仕事を引き継ぎ、私は「これからは温かい家庭を築いていこう」と心に決めていたのです。夫は職場でモテるタイプでしたが、彼からの熱烈なプロポーズを信じていましたし、何より夫婦の絆を疑う余地などありませんでした。
しかし、その平和な日常は、ある日を境に音を立てて崩れ去ることになるのです。
豹変した彼女が突きつけた残酷な真実
退職してしばらく経ったある日。
久しぶりに会ったその後輩の口から飛び出したのは、耳を疑うような言葉の数々でした。
「旦那さんが飲み会のたびに愚痴ってますよ。『もっと若い子と結婚すればよかった』って、会社中で噂の的になっています」
彼女の目は、かつてのかわいらしい後輩のものではありませんでした。嫉妬と悪意に満ちたその表情に、私の心は凍りつきます。
彼女はさらに畳みかけるように、「まぁ、“若い子と結婚したい”っていうのには理由があるんですけどね〜」
彼女は意地悪く笑うと、続けてこう言いました。
「実は私、旦那さんと付き合ってるんです。彼は私と再婚したがっていますから、早く離婚届を出してください」と。
信じていた夫の裏切り、そしてかわいがっていた後輩からの宣戦布告。
怒りと悲しみで視界が歪みそうになりましたが、私は必死に理性を保ちました。
彼女は勝ち誇ったように笑い、「慰謝料は10万円でいいですよね? 結婚1年なんてそんなもんでしょ」と、世間をなめきった態度を見せてきたのです。
逆襲の準備
私の頭は冷静に回転し始めました。
実は、結婚前に「浮気をした場合は慰謝料500万円を支払う。さらに離婚に至った場合、財産分与を請求しない」という厳格な婚前契約書を夫と交わしていたのです。
「10万? あなた、不倫をしているくせに慰謝料の相場も知らないのね。夫からは契約通りの500万、あなたからは少なく見積もっても相場の200万円はいただくつもりよ。夫は契約書通りに、財産分与も一切なし。つまり、彼は浪費家で貯金なんてゼロだけど、それでもいいのかしら?」そう告げときの彼女の、鳩が豆鉄砲を食ったような顔は一生忘れられません。
「愛があればお金なんて関係ない!」と彼女は強がっていましたが、現実はそう甘くはありませんでした。私は淡々と証拠をそろえ、弁護士を通じて2人を徹底的に追い詰めることに決めたのです。
自滅する2人
離婚成立後、彼女は借金をしてまで私に慰謝料を支払いました。
しかし、略奪したはずの生活は、彼女が思い描いていた「バラ色の毎日」とは程遠いものだったようです。ある日、彼女から泣き言のような連絡が入りました。
「旦那の様子がおかしいんです。私を置いて別の女性と遊び歩いているみたいで……。先輩、彼とヨリを戻したりしてませんよね?」
私はすでに新しい生活を始めており、彼に関心など微塵もありません。ところが夫の方は、彼女との生活にすぐ飽き、元妻である私との生活を懐かしんで愚痴をこぼしていたというのです。
「君は付き合うだけだったら最高だけど、嫁にしたら退屈でつまらないんだよね。騙されたよ」
そんな夫の非情なセリフを聞かされた彼女の絶望は、いかばかりだったでしょう。
彼女は慰謝料のために仕事を失い、借金に追われ、最後には浮気を繰り返す夫と激しい修羅場を演じることになったのです。
泥沼の果てに待っていた因果応報
その後、夫は取引先の女性にも手を出していたことがばれ、会社での立場が悪くなり自主退社。2人はかつての輝きを失い、現在も日雇いの仕事で食いつなぐ生活を送っているそうです。一方で、私は今、心から信頼できる新しいパートナー候補と慎重に、かつ前向きに時を刻んでいます。
自分を大切にできる今の静かな日常こそが、私にとっての本当の財産だと確信しています。
◇ ◇ ◇
一番近くで支え合っているはずの夫、そして可愛がっていた後輩。その2人から同時に裏切られるのは、言葉では言い尽くせないものだったでしょう。
誰かを蹴落として得る偽物の満足感ではなく、胸を張れる誠実な生き方で本当の幸せを育んでいきたいですね。
【取材時期:2026年3月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。