「出て行け!」両親から突然の追放宣告
両親が溺愛しているのは、一流企業に勤めるエリートの兄。「毎日スーツを着て出社するお兄ちゃんこそが自慢の息子だ」と信じて疑わない両親にとって、ずっと家にいる私はただの「ニート」でしかありませんでした。
ある日、リビングでくつろいでいた私に対し、両親は突然こう言い放ちました。「いつまでも実家にいて、恥ずかしくないのか! 私たちの老後はお兄ちゃんに養ってもらうから、お前はもう出て行け!」横にいた兄も「ニートの弟がいると俺の経歴に傷がつくんだよな〜」と鼻で笑っています。
もちろん、家には一定額のお金を入れていましたし、投資でもそれなりの資産を築いていました。ただ、この両親に説明しても信じてもらえないだろうと思い、そのことはあえて話しませんでした。
「わかった。今までお世話になりました」そう言って、私は家を出ることにしました。
見下されていた私が手に入れた新居
実家を出た私は、ひとまず賃貸住宅へ引っ越しました。そして以前から目をつけていた、環境の良い住宅街に一戸建てを購入することに決めたのです。マンションよりも戸建てへの憧れがあったからでした。
不動産会社から提示された金額を見て、「この広さで1億円もしないなんて、思っていたより手が届きそうだ」と感じました。そこで私は、手元の資金からかなりの額を頭金として入れ、残りは住宅ローンを組んで購入することに決めたのです。
誰にも文句を言われない、広くて静かな新居での生活は快適そのものでした。投資のパフォーマンスもさらに上がり、悠々自適な毎日を送っていました。
半年後、エリート兄の裏の顔が発覚!
実家を出てから半年が経ったころ。突然、両親から焦った様子で連絡がありました。話を聞いてみると、なんとあんなに自慢していたエリートの兄が、重度のギャンブルにハマっていたことが発覚したというのです。
見栄っ張りな兄は、給料のほとんどをギャンブルに注ぎ込み、あちこちから多額の借金を重ねていました。その額は膨れ上がり、ついには実家を売却して返済に充てるしかないという危機に陥っていたそうです。
結果的に、両親が老後のためにと貯めていた貯金をすべて切り崩すことで、なんとか実家の売却だけは避けられました。しかし、家族の貯金は底をつき、両親の生活には大きな不安がのしかかりました。
今さらすり寄る両親に、私が告げた一言
老後の資金がなくなり、頼みの綱だった兄は多額の借金返済に追われる日々。今後の生活に不安を感じた両親は、私が立派な戸建てを購入して暮らしているらしいと親戚から聞きつけ、急にすり寄ってきました。
「立派な家を買ったんだって? 家族なんだし、お母さんたちも一緒に住んで“あげても”いいわよ!」「お兄ちゃんの借金返済もあるし、援助してくれてもいいだろ?」
いまだに上から目線で話してくる両親に、私は淡々と言い返しました。「俺はお荷物なんだろ? 老後はエリートのお兄ちゃんに養ってもらうんじゃなかったの?」そう告げると、私はそのまま電話を切りました。
兄を優遇した両親の“今”…そして私は
現在、両親と兄はギリギリ手放さずに済んだ古い実家で暮らしています。兄の借金を返済するため、老後のんびり過ごすはずだった両親もパートに出るなど、生活はかなり苦しいようです。
一方の私は、快適なマイホームで自分のペースで仕事をし、ストレスフリーな毎日を楽しんでいます。
兄を優遇し、私には常に上から目線で接してくる両親。けれど、いつかほんの少しでも私の気持ちを理解し、心から謝ってくれる日が来るのなら――そのときは援助してもいいと思っています。
そんな日が本当に訪れるのだろうか……。私はコーヒーを飲みながら、静かにそう考えるのでした。
◇ ◇ ◇
働き方や生き方は人それぞれ。肩書きや表面的な印象だけで判断してしまうと、本当の姿を見失ってしまうこともあるのかもしれません。また、きょうだい間の扱いに差があると、たとえ家族であっても心の距離は広がってしまいます。だからこそ、互いを尊重し、相手の生き方にきちんと目を向ける姿勢を忘れずにいたいですね。
【取材時期:2026年2月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。