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自覚症状ゼロで血管は壊れていく!?心筋梗塞・脳卒中を防ぐ「老けない血管習慣」【医師コラム】

こんにちは、現役内科医のドクターハッシーこと橋本将吉です。
40代、50代という年齢は、ふとした瞬間に「昔ほど無理がきかなくなったな」「体力が落ちたかな」と、身体の変化を感じ始める時期です。実は、医学的に見てもこの年代は、一生を左右する「健康の分岐点」とも言えます。中でも、目に見えないところで静かに変化が進んでいるのが、私たちの命を支える「血管」なのです。

最近、血圧やコレステロール、血糖値などの数値が気になり始めてはいませんか? これらの数値は、心筋梗塞や脳卒中の原因に大きく関係しています。心筋梗塞や脳卒中は、ある日突然起こるものに見えますが、実は長年の積み重ねによる「血管の老化」が原因です。

診察室では「数値は高いけど、どこも痛くないし、元気だから自分は大丈夫!」と笑顔でお話しされる患者様も多いのですが、実はその安心感こそが、血管の病気において最も注意すべきポイントです。ここでは、内科医の視点から「老けない血管」を保つためのシンプルな習慣をお伝えします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師橋本 将吉 先生
東京むさしのクリニック院長

株式会社Gift Circle(リーフェグループ)代表取締役。東京むさしのクリニック院長。総合診療・予防医学・高齢者医療を専門とし、西洋医学と漢方医学を組み合わせた診療をおこなう。YouTube「ドクターハッシー/内科医 橋本将吉」では、医学知識を一般向けにわかりやすく発信している。
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血管老化の最大の怖さは「自覚症状がほとんどない」

心臓を狙う疫病神

 

初めに血管の病気において最も注意すべきポイントは「元気だから大丈夫」という安心感です。なぜ、元気なのに注意が必要なのでしょうか?

 

それは、血管の最も恐ろしいところが「痛みを感じる神経がない」という点にあるからです。たとえ血管の内側が傷つき、ボロボロになっていたとしても、血管そのものは限界ギリギリまでSOSのサインを出してくれません。

 

心筋梗塞や脳卒中といった深刻な事態になるまで「沈黙」を守り続けてしまうのです。だからこそ、40代・50代の皆様には、痛みがない今のうちから「血管の老化」を意識していただきたいと思います。

 

血管を傷つけ続けてしまうと、自覚症状がないまま静かに老化(動脈硬化)が進み、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった形で牙をむくのです。

 

「痛くないから健康」ではなく「痛くないからこそ、数値で状態を知る」ことが、血管ケアの第一歩となります。

 

 

なぜ40・50代で老化が一気に加速するのか?

血管の仕組み

 

では、40代・50代になると、目立った症状がないにもかかわらず、なぜ血管の老化は一気に加速してしまうのでしょうか? その理由を説明するために、私はよく、診察室で患者様に血管を「新品のゴムホース」に例えて説明します。

 

若いころの血管は、新品のホースのように弾力があってしなやかです。多少血圧が上がっても、その柔軟さで圧力を上手に受け流してくれます。しかし、40代を過ぎると、新陳代謝が落ち、血管のしなやかさを維持するホルモンの分泌も減少し始めるのです。

 

いわば、ホースの素材そのものが、長年の使用で少しずつ硬くなっていくようなイメージです。そこに「高血圧」や「高血糖」という負荷が加わり続けると、どうなるでしょうか。高い圧力やドロドロの血液によってホースの内側が傷つき、そこへコレステロールという「泥のようなゴミ(プラーク)」がたまっていきます。

 

こうなると、かつて柔軟だったホースはやがて、少しの衝撃でパキッと折れてしまう「枯れ枝」のような状態になってしまいます。これこそが、自覚症状がなくても水面下で進んでいる、中高年期の血管事故の正体なのです。

 

 

血圧・コレステロール・血糖値の「押さえたい基準値」

 

血圧を測る高齢女性

 

「じゃあ、どれくらいの数値が危ないの?」と気になりますよね。血圧・コレステロール・血糖値の数値は「ただの数字」ではありません。あなたの血管が今、どれだけ老化しているかを知るための大切な指標です。外からは見えない血管の状態を客観的に知るためにも、まずは皆さんに「ここだけは押さえてほしい」という基準値をまとめました。お手元の診断結果を、ぜひ一緒に確認してみましょう!

 

血圧の基準値:135 / 85 mmHg(家庭血圧)

血圧が高いのは「血管の壁を24時間ハンマーで叩き続けている」ような状態です。毎日叩かれ続けることで血管はダメージを受け、どんどん硬く、もろくなってしまいます。

 

悪玉コレステロール(LDL)の基準値:140 mg/dL 未満

悪玉コレステロールは血管を詰まらせる「ドロドロ汚れ」の量です。数値が高いと排水溝にゴミがたまるように血管が狭くなり、血液がスムーズに流れなくなってしまいます。

 

血糖値(HbA1c)の基準値:6.0% 未満

血管がどれだけ「砂糖漬け」になっているかを示します。糖分が多いと血管は内側から錆びつき、しなやかさが失われて「枯れ枝」のように折れやすくなってしまいます。

 

 

今日からできる“血管を守る”食事・運動・睡眠のコツ

元気な血管と弱った血管

 

さて、血圧・コレステロール・血糖値の基準となる数値がわかったところで「具体的にどうすればいいの?」と少し身構えてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。医師としてたくさんの患者さんとお話ししてきましたが、一番大切なのは「無理な我慢はしない」ことです。我慢ばかりだとストレスで血管がキュッと縮まってしまい、逆効果になることもあるのです。

 

だからこそ、血管が喜ぶような「ちょっとしたお楽しみ」をプラスする感覚で始めてみましょう!

 

【食事】「出す」ことを意識する

塩分を控えるのは基本ですが、難しいときは「カリウム」を摂りましょう。ほうれん草やバナナ、納豆などに含まれるカリウムは、余分な塩分を尿と一緒に外へ追い出してくれる「天然の掃除屋」です。

 

【運動】血管を広げる軽い有酸素運動

激しい運動は不要です。「ちょっと息が弾むかな?」くらいのウォーキングをすると、血管の内側から「一酸化窒素(NO)」という物質が出ます。これが血管を自ら広げ、しなやかさを取り戻してくれる特効薬になります。

 

【睡眠】血管の「修理時間」を確保する

睡眠不足は、血管が常に緊張している状態を作り出します。1日7時間を目標に眠ることで、血管の傷を修復するホルモンが十分に分泌され、翌朝には血管もリフレッシュされます。

 

 

まとめ

血管の老化は、年齢だけでなく日々の生活習慣の積み重ねで決まります。数値のチェックと同時に、無理なく続けられる習慣を一つずつ取り入れることで、「突然の発症」のリスクを着実に減らしていくことができます。

 

「今日は一品だけ野菜を増やした」

「1回だけ階段を使った」

 

そんな小さな健康習慣の積み重ねが、10年後、20年後のあなたを支える確かな力になります。

 

もし数値が気になったら、それは身体があなたに「少し休んで、ケアしてね」と教えてくれている合図です。まずは無理のない範囲で、一つだけ新しい習慣を手に取ってみてください!

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!

 


シニアカレンダー編集部

「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!

 

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