上司の嫌味
元書店員だった僕は、未経験枠で採用されました。きっかけは、書店で作っていた手書きのポップ。偶然店を訪れた社長のA子さんがそれを見て「素敵なデザインですね」と声をかけてくれたことをきっかけに、僕は彼女の会社に入社することとなりました。
勢いで転職したものの、現実は甘くありませんでした。これまでデザインをしっかり学んできたわけではなかったので、最初は雑用がメイン。同僚や先輩にいろいろと教えてもらいながら「いつか一人前のデザイナーになれたら」と思っていました。
そんな中で、僕の直属の上司は露骨に僕のことを嫌っていたようでした。
「その経歴でデザイナー? 厳しいだろ」
とよく言われました。たしかに実力不足は事実。自分でもわかっていたので反論はできませんでした。上司にも認めてもらえるように頑張りたいと、先輩たちの仕事を手伝いながら、帰宅後や空き時間にはデザインの勉強を必死におこないました。
コンペの連絡
そんなとき、取引先からキャラクターデザインのコンペをおこなうという連絡が。社内から数人案を出すことになり、当然ながら僕の名前は挙がりませんでしたが、僕も「何か勉強になれば」とラフを描いていました。
その様子を上司が見ていたようです。僕のデザインを見た上司からは、「まだ早い」と一蹴されてしまいました。
僕のデザインなのに
数カ月後、取引先の会社のキャラクターが決まったという連絡がありました。なんと、選ばれたのは上司のデザインとのことでした。
同僚たちがみんなで盛り上がっていたので、僕もそのキャラクターを見に行くと……。なんと、僕が書いていた、あの「まだ早い」と一蹴されてしまったラフそのものだったのです!
「僕のデザインを奪った?」「どうして?」ということで頭が真っ白になってしまった僕。上司は「俺の実力だ」と言っていて……。悔しさも込み上げてきました。ただ、僕が声をあげたとしても、誰も信じてくれないだろう……そう思うと、「僕が描いていたもの」とは言い出せませんでした。
僕を救ってくれたのは
そんなとき、社長が声をかけてきました。「あのデザインって…」と言う社長の言葉を聞いて、実は社長にもコンペのラフを見せたことがあったのを思い出しました。
そして、社長は僕にそのときのラフを出すように言って……。「これ、どういうこと? あなたの手柄って…何を言っているの?」と上司に声をかけていました。上司は言い逃れをしようとしましたが、「人の努力を奪う人に、デザインを任せることはできない!」と一刀両断。
上司は恥をかいたのが悔しかったのか、「俺のほうができる!」と捨てゼリフを吐いてその場からいなくなってしまいました。そして、次の日から会社に来なくなってしまい……。どうやら有給を消化したのち、退社する予定だそうです。コンペで決まったキャラクターデザインは、僕がラフを描いていたものということで先輩と僕とで引き継ぐことになりました。
これからデザインのことをたくさん学び、よりよいデザイナーになれるようにまい進したいと思っています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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