低学歴を笑う祝宴のはじまり
妹の結婚式で、僕は新郎のB男とその家族と結婚挨拶ぶりに顔を合わせました。新婦のお色直しを待っている間に、挨拶回りで新郎が親族席にやって来ました。
「今日は本当におめでとう。忙しくて全然お会いできなかったけれど、妹をよろしく頼むよ」と僕が改めて祝辞を述べると、B男はにこやかに「どうも、お久しぶりです」と返答。
しかしすぐに「そういえば、お義兄さんは高校を出てすぐ就職されたそうですね」と含み笑いで言ってきて……。隣のテーブルにいたB男の親族にも聞こえたのか、「え、妹さんは有名大出身なのに意外」「低学歴は一家の恥なのに」とイヤミを言い始めたのです。
僕は「現場が好きなのですぐに就職して」と受け流しましたが、B男の親族席は妙な空気に。するとB男の父がよろけ、持っていたワインが僕にかかりました。B男の父はかなり酔っていて、注意力が散漫になっている様子で……。
「すまんな、飲み過ぎた」と笑う彼を見つつも、B男一家は僕に謝るでもなく、ニヤニヤと笑っていて……。そんな中「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたのが妹の友人として同席していたA子さんでした。A子さんは、僕たちと家族ぐるみで仲良くしていたため、親族席に座っていたのでした。
一連の様子を見ていたのは
ところが僕がワインをかけられた様子を見て、参列者の一部が「失礼では?」とざわつき始めました。
中には「あんな一面があったんだ…」と言う人もいました。
そう、B男一家はある会社の経営陣だったのです。式場には、B男一家の会社の取引先も来ていて……。参列者たちの発言を聞いて慌てだしたB男の親族に、A子さんも「高校卒業で働いていることを見下す態度は不快です」と宣言。周囲からも同様の声が続きました。
さらにA子さんは、「新婦(妹)から聞いています。お兄さんは、現場で経験を積んで、今はとっても優秀なエンジニア。妹さんの学費を支援されたのもお兄さんなんですよ」とかばってくれました。
青ざめるB男に取引先の人は「学歴をバカにするような人だったとはしりませんでした。それなら、これからの関係については考えないといけませんね」と言っていて……。B男は「俺は間違ったことなんて言っていない!」と高笑いしていましたが、参列者たちはそんなB男と目を合わせませんでした。B男の母は「身内同士の冗談だったのよ。兄と義弟の…」と取り繕いますが、誰も本気にせず。
気づけば会場の雰囲気は最悪で、B男一家は顔色を変えました。そして居づらくなった新郎の親族は、B男を残して一旦席を外し、祝宴は妹の入場直前に奇妙な静けさに包まれました。
ついに告白!
騒ぎの後、新婦=妹の入場が始まりました。何も知らない妹は、無邪気な笑顔。一方で新郎は挙動不審になっていましたが、僕は、少し前に起きた出来事は伏せておくことにしました。
しかし、会場の雰囲気がおかしいことに気が付いた妹は、式後の控室で「何か知らない…?」とB男に問い詰めたよう。すると、妹はB男に「なんでそんなこと言うの!?」と激怒。B男も、「全部、お前の兄のせいだ! 高卒のくせに俺に立てついて!」と吐き捨てたそうです。
その姿を見て、妹は「B男の本性」に気が付いたとのこと。B男は結婚が決まるまでは猫を被っていたようで、妹もB男の本性を知らなかったそうです。
結婚式を終えた後、妹は話し合いを重ね、離婚を決意。僕は、「お兄ちゃんのことは気にするな、彼が好きなら結婚生活を続ければいい」と伝えましたが、妹は、「ううん。私に見る目がなかった。早いうちに気が付けてむしろ良かった!」と前向きでした。
今回の件で、肩書きや学歴よりも大切なのは人としての姿勢だと痛感しました。どんなに学歴や肩書きが良くても、人としての態度が悪ければ、周りからの信用は得られません。これからも自分の歩んできた道に誇りを持ち、妹を見守りながら歩んでいきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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