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夫「退職金と定期預金で彼女と安泰だ!離婚してくれ!」浮気がバレて開き直った夫…→私が突きつけた現実に青ざめたワケ

13年目の結婚記念日前夜、夫は私の前に1通の封筒を置きました。中身は離婚届でした。

13年間、私はずっと何かがおかしいと思いながら、その違和感を見て見ぬふりをしてきました。もうこれ以上は見過ごせない、夫を問い詰めるしかない――その段階まで来て、ようやく私は動いたのです。

結婚した当初、15歳年上の夫は頼もしくて決断も早く、私はどこか「この人についていけば大丈夫」と信じていました。


最初の数年は、忙しい時期でも誕生日を忘れず、花束を買ってきてくれたり、おいしい食事に連れて行ってくれたり。結婚記念日には必ず2人の時間を作り、「お前と結婚できてよかった」と照れながら言う夫が好きでした。年の差を感じさせないほど、よく気にかけてくれていたのです。


しかし、変化はすぐに訪れました。


結婚して5〜6年を過ぎたころ、夫が昇進。部下が増え、接待や社内の付き合いで帰りが遅くなっていきました。最初は仕方ないと思っていたものの、忙しさを理由に彼が家庭へ向き合わなくなっていくのに気づくまで、そう時間はかかりませんでした。


誕生日のプレゼントがなくなったのもそのころです。最初の年は「忙しいのだろう」と自分を納得させました。

 

ところが翌年も、その翌年も何も用意されない状況が続き、私はもう期待するのをやめてしまいました。釣った魚に餌をやらないとはよく言いますが、本当にある話なのだと、じわじわ実感していったのです。

 

その状況をただ飲み込んでいる自分にも嫌気がさしていました。しかし、夫の退職が視野に入ってきた、結婚から13年がたつころのことです。結婚記念日を間近に控えたある夜、ついに私が動き出すきっかけとなる出来事が起きたのです……。

 

積み重なっていく違和感

ここ2〜3年で、飲み会や接待、休日出勤など、夫の外出はさらに増えていきました。そろそろ退職後のことを考えてほしいと私が家計の話を振っても、「また堅い話か」「そんな話ばかりじゃつまらない」と遮られるだけでした。反論するたびにより冷たい言葉が返ってくるため、いつしか私は、何も言わないことを選ぶようになっていたのです。


ある夜、夫がリビングでノートPCを開いたまま席を外したときのこと。飲み物が入っていたマグカップを片づけようとして、偶然その画面が目に入ってしまったのです。


それは、決済直前の確認画面でした。スキンケアセットや香水、ハンドクリームなどの女性向けの品が並び、配送先として入力されていたのは、私たちの自宅ではない住所でした。宛名には、見覚えのない女性の名前が記されていて、その瞬間、胸の奥がざわつきました。


マグカップを持ったままの手が、少し震えました。いつものように見て見ぬふりをしようと思いましたが、その出来事はたしかに私の心のなかにわだかまりを残しました。


それからというもの、私が過敏になっていったのか、目につくことが増えました。わが家では結婚当初から、夫が私用で使った交通費の一部は家計から精算することになっており、毎月、モバイルICの利用履歴を確認していました。その月末に届いた明細に、仕事では行かないような路線の駅名が複数回にわたって記録されていたのです。


一つひとつは「気のせいかもしれない」と打ち消せる程度のもの。でも複数が積み重なると……もう無視することはできませんでした。

結婚記念日前日に渡された離婚届

そして、結婚記念日の前の日――。

 

休みで昼前に起きてきた夫に、私は正面から話しかけました。


「最近、気になっていることがあって。正直に話してほしい」

 

夫は最初、「何の話だよ」と面倒くさそうにしていましたが、私が具体的に話しはじめると、徐々に目の色が変わっていきました。通販の配送先のこと。見覚えのない路線の記録。そして、最近の外出頻度のこと。


話しながら、自分の声が震えているのに気がつきました。わかっていたはずなのに、こうして向かい合って言葉にしようとすると、胸の奥から何かが込み上げてきたのです。

 

しばらく黙り込んだ夫は、ため息をひとつついて、観念したように口を開きました。

 


浮気をしていること。本気で好きになった相手がいること。そして「もう家庭は終わってたんだ」「お前が何年も会話を避けてたのも原因だろ」という言葉まで。自分を正当化しながら、どこか開き直っている様子でした。

 

覚悟していたはずなのに、実際に言葉で聞くと言葉が出なくなりました。全身の筋肉がこわばっているのに、なぜか力が抜ける……。気を抜くと、涙がこぼれそうになるので、私は上を向きました。13年間の月日が、音もなく崩れていくような感覚に襲われました。

 

夫はいったん自室に戻り、しばらくして戻ってきて……私の前に1通の封筒を置きました。中を確認すると、そこには夫が自分の欄だけ記入した離婚届が入っていました。

 

「いつ切り出そうかと思っていたが……明日で節目だろ、ちょうどいい。もう終わりにしよう」

 

言葉は重々しいものでしたが、表情は妙に軽々しかったのを覚えています。ついに私が涙をこぼしても、夫は気づきません。夫はもう、私のことなんて見てはいなかったのです。

夫の大誤算

夫の言葉は続きます。

 

「離婚しても、慰謝料も財産分与も払うつもりだ」「退職金もあるし、積み立ててきた貯金もある。多少渡すことになっても自分の取り分で十分やっていけるからな」とそう自信ありげに語りました。

 

そして最後に、少し得意げな顔でこう言い放ったのです。

 

「定期積立の口座に1,000万円はあるしな」

 

私は一瞬きょとんとして、涙をぬぐいながら口を開きました。

 

「…… 1,000円のこと?」

「え?」

 

今度は夫が固まる番でした。

 

「1,000万円じゃなくて、1,000円だって言ってるの。嘘だと思うなら、記帳してきて。残高、ほぼ1,000円のままだから」

 

結婚当初、「毎月、俺の老後資金として積み立てておけ」という夫の言葉で、彼名義の定期積立口座を作りました。通帳や家計関連の書類は夫の了承のもと私が管理していましたが、引き落とし元の給与口座は夫自身が管理しており、私には残高を動かせる立場にはありませんでした。


その後、通帳を記帳するたびに気になっていたのです。積立口座の残高が、口座開設時に夫が渋々入れた1000円から、ほとんど増えていなかったことに。最初のうちは「積立分が引き落とされていないみたい」と夫に伝えていましたが、「うるさい、俺の口座のことは俺がやる」と取り合ってもらえませんでした。夫は積立設定をしただけで安心していたのか、その後も残高を確認しようとしませんでした。


夫は「そんな馬鹿な」と繰り返しながら、身支度を整えて銀行へ向かいました。しかし、帰ってきたときの顔は出かけるときとはまるで別人。すべて、夫自身がしてきたことの結果です。

 

そもそも、本来なら夫婦で整理するはずの退職金や結婚後の預金まで、夫は自分のものになるのだと勘違いしていたのです。

 

 

ただ、これはまだ序章に過ぎませんでした。

 

焦った夫は、会社に退職金について確認しました。長年、かなりの額になるはずだと思い込んでいたようですが、実際には制度の見直しや業績の影響もあり、本人が想定していたほどではなかったのです。

 

さらに離婚協議の場で、私への慰謝料と財産分与について弁護士が算出した金額を伝えると、夫の顔色は一変しました。退職金が思ったほど多くなかったうえ、その負担も加わり、「自分の取り分で老後楽しく暮らせる」という夫の目論見は、その場で崩れ去ったのです。

 

自分にはまだ余裕があると信じ込んでいた夫にとって、それはようやく現実を突きつけられた瞬間だったのだと思います。

 

その後――。

 

夫は浮気相手に正直にお金がないことを打ち明けたそう。そのタイミングから相手の返信はそっけなくなり、数日後には完全に音信不通になったといいます。

 

浮気相手に逃げられてあわてた夫は、「離婚を取り消したい」「1人の老後は不安だ」「夫婦2人でいたほうがお互いのためになる」と言い出しました。

 

 

正直に言うと、少し心が揺らぎました。13年という時間を無駄にしたくないという気持ちと、夫に微かに残った情があったからです。

 

しかし、私は夫より15歳も年下です。昔取得した資格のおかげで再雇用の話も出ていますし、独身時代に自分で築いた貯蓄もありました。頼れる友人もいるので、夫にすがりつく必要なんてないのです。

 

私はその日のうちに「やり直しはない」「今後の連絡は弁護士を通じてお願いします」とだけ伝えて、それから一切夫からのメッセージに返信しないようにしました。

 

正式に離婚が成立し、荷物をもとの家から運び出して新居へ移った夜。外の空気は思ったより清々しく、私の門出をお祝いしてくれているようでした。

 

怖くて踏み出せなかった時期は13年にもわたりました。情で先延ばしにして、見て見ぬふりをして、「いつか夫が変わってくれるかもしれない、昔みたいに戻ってくれるかもしれない」と思い続けていた日々。結局、変わったのは夫ではなく、私の覚悟でした。

 

最初の5年、花束をくれた夫のことを今でもたまに思い出すことはありますが……本当に同じ人だったのかと思うこともあります。でも、もうそれも過去の話。元夫が今どうしているかについては、詳しくは知りません。


これからの毎日は、自分で選んだものだけで満たしていきたいと思っています。

 

◇ ◇ ◇

 

夫婦生活が長くなると、大小あれどすれ違いを感じることもありますよね。そんな時、昔を思い出し、変わってくれると信じたくなる気持ちもわかります。けれども違和感があるときは、やはりしっかり向き合うことが大切なのかもしれません。自分自身を大切にするためにも、1歩踏み出す勇気を持ちたいものですね。

 

【取材時期:2026年1月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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