義実家には親戚や地元の人たちが大勢集まるのですが、長男の嫁である私は、到着した瞬間から台所に立ちっぱなしで、座る暇もなく給仕をさせられていました。
男性陣の宴会では、夫がお酒に弱いと知っているのに、親戚たちが無理やり酒を勧め、断ると「付き合いが悪い」「男のくせに」と嘲笑されるのが常。そんな中で、義両親の武勇伝や昔話を延々と聞かされる時間は、まさに苦行そのものでした。
義弟家族を守るための夫の選択
夫には弟が1人います。数年前に結婚して子どもも生まれたのですが、彼らはお正月には一度も帰省していませんでした。というのも、もし義弟一家が帰省すれば、義父母が彼らをこき使い、小さな子どもがいる義妹にも容赦なく家事を押し付けるのが目に見えていたからです。
夫は「弟一家まで嫌な思いをすることはない。俺たちが盾になって、守ってやろう」と言いました。私はそのやさしさに心打たれ、毎年しぶしぶながらも帰省を了承していたのです。
義妹がまさかの誤解!?
ある日、義弟夫婦がわが家へ遊びに来たとき、義妹と2人きりになるタイミングがありました。すると彼女は、たまっていた不満をぶつけるようにこう切り出してきたのです。
「お義姉さんは長男の嫁だからって、義両親にひいきされてズルいですよね。私たちを帰省させないようにして、自分たちだけ甘い蜜を吸ってるんじゃないですか?」
彼女は、私がお正月のたびに豪華なごちそうを食べ、義両親からお小遣いをもらっていると思い込んでいたようです。
「実際は朝から晩まで働きっぱなしだし、お小遣いなんてもらったことないよ。むしろ親戚全員分の手土産を要求されるし……」と説明しましたが、彼女は聞く耳を持ちません。
結局、あまりの剣幕に根負けし、「そんなに言うなら、次のお正月は帰省してみる? 正直、おすすめできないけど……」と提案。内心、「義妹が帰省してくれたら、私は行かなくて済む。助かった……」という安堵の気持ちもありました。
すると義妹は、「はい! お義姉さんたちは来なくて大丈夫ですからね♪」とうれしそうに答えたのでした。
夫がついに「もう関わらない」と通告
翌年のお正月、私たちは数年ぶりに家族3人だけで穏やかな時間を過ごしていました。すると突然、義妹からスマホに必死な声で電話がかかってきました。
「お義姉さん、今すぐ来てください! 朝からずっと家事を押し付けられてるんです! 誰も手伝ってくれないし、ずっと怒鳴られて……」
電話の奥からは、義母が「ちょっと! 電話なんてする暇ないでしょ! 一番年下の嫁なんだから、さっさと動け!」と激しく怒鳴り散らす声が響いていました。
異変に気づいた夫が私の手からスマホを取り、義妹にスピーカーモードに切り替えるよう伝えると、義母に向かってこう告げました。
「母さん、いい加減にしてくれ。嫁さんたちを労働力としか思わず、嫌がらせばかりするなら、俺たちはもう二度と実家には帰らないからな。弟夫婦も今年限りで解放してやってくれよ」
義母は「長男のくせに何を言ってるの!」「つべこべ言わずに帰省して働きなさい! それが長男嫁の務めってもんでしょう!」とわめいていましたが、夫は表情を変えず、静かに通話を終了しました。
平穏な日々と、義妹との和解
その後、お正月休みが明けてから、義妹が真っ青な顔でわが家へやってきました。
「お義姉さん、本当にごめんなさい……。義実家があんなにひどいところだなんて知らなくて。お義姉さんだけにあんな思いを何年もさせていたなんて、本当に申し訳なかったです」
彼女は何度も頭を下げて謝罪してくれました。
どうやらあの日、義妹は義母から「長男嫁はもっとテキパキやっていた」「気が利かない」と1日中罵倒され、要領の悪さを親戚たちの酒の肴にされる屈辱を味わったそうです。その壮絶な体験を経て、ようやく私の立場を理解してくれたのでした。
この一件以来、私たち夫婦も義弟夫婦も「二度と帰省しない」と決め、義実家とは距離を置くことに。今では、義妹とはたまにランチに行くほど仲が良くなり、義両親の愚痴を笑い飛ばせる関係になりました。私たちは、自分たちの家族の平穏を一番に考え、これからも穏やかに暮らしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。