天井を見て笑うわが子
姉の子どもが生まれて間もないころ、ふと不思議に思うことがありました。まだ言葉も話せないその子が、よく天井を見上げて、にこにこと笑っているのです。
赤ちゃんにはよくあることかもしれません。それでも、時折ふわりと父が使っていた整髪料のにおいがすることがありました。そのたびに私は、「もしかしたら会いに来てくれているのかな」と、そっと心の中で思っていました。
仏壇の写真と「ジジ」のひと言
やがてその子が言葉を話せるようになったころのことです。仏壇に飾ってある父の写真を指さし、続けて天井を見上げながら「ジジ」と言いました。
その瞬間、またあの整髪料のにおいが漂った気がしました。偶然かもしれませんし、私の思い込みかもしれません。それでも、「子どもには何か感じるものがあるのだろうか」と思わずにはいられませんでした。
子どもには「ジジ」が見えていて、会えているのかもしれない。そう想像すると少しうらやましくもあり、同時に私ももう一度会いたいという気持ちがあふれてきました。
抱かせてあげたかった初孫
父は子どもが大好きな人でした。初孫が生まれることを、心から楽しみにしていました。もし元気でいてくれたなら、きっと膝の上に乗せて、たくさん話しかけてくれたことでしょう。そう思うと、抱っこさせてあげられなかったことが、どうしても心残りです。
家族という存在は、どこかで「ずっとそばにいてくれる」と思い込んでしまうものなのかもしれません。まさか、あんなに急にいなくなるなんて、想像もしていませんでした。
だからこそ今は、家族に甘えて無愛想になってしまう自分を反省しながら、一緒に過ごせる時間を大切にしたいと思っています。
まとめ
あの日の出来事は、私にとって「当たり前ではない日常」の大切さを教えてくれた、忘れられない体験です。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:室蘭子/60代女性・無職
イラスト:おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
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