2人目が生まれても上の子を大事にしてあげよう! 多くの育児書にも書かれている通り、私もそう思っていました。それなのに…… 抱っこしてあげられなかった、次男授乳時のことをお話しします。
初めての赤ちゃん。おっぱいが出ない!?
小さくて柔らかい赤ちゃんの口に乳首を含ませるのは、とても不思議な心地。「大きくなってね」という願いを込めても、私のおっぱいからは母乳は出ませんでした。赤ちゃんが起きている時間のほとんどで授乳にチャレンジしても、滲む程度の母乳しか出ず、「おっぱいが出なくてごめんね」と思い悩む日々。
しかしそんな私を元気づけてくれたのは、育児用ミルクを飲んで元気いっぱいに育つ長男でした。哺乳瓶をくわえながら眠ってしまう顔はとても幸せそうで、私は気持ちを切り替えて、完全ミルクで育てることにしました。
次こそはと挑んだ次男の母乳育児
長男をはぐくんでくれた育児用ミルクに感謝しながらも、母乳をあげてみたいという思いを抱いていた私は、次男で再び母乳育児に挑戦! 初めて母乳が出たときはとてもうれしかったことを今でも覚えています。しかし、母乳育児には母乳育児の大変さが……。
母乳で張ったおっぱいは下着がすれるだけで痛く、長男を抱っこできない状態に。途中から乳首も切れてしまったので、思うように体を動かすことができませんでした。「おっぱいが痛くて抱っこできないの」と長男に話しましたが、まだ2歳前の長男には理解できるはずもなく、寂しい思いをさせてしまいました。
授乳タイムを、絵本タイムに
とはいえ、母乳育児は悪いことばかりではありませんでした。横になり次男に授乳をしながら、長男に絵本を読むのは、哺乳瓶で片手が塞がっていたら少し難しかったと思います(姿勢には注意が必要ですが)。
母乳を飲みながら眠ってしまった次男と、絵本を読んでいる間に眠ってしまった長男の寝顔を同時に見られるのは、この上なく幸せな時間でした。次男も自然と絵本に親しむようになり、大きくなった今は3人で図書館へ行くのが習慣となっています。
母乳か育児用ミルクか、悩むママは多いことと思います。私はこの体験を通して、大事なのは子どもが成長する姿を楽しむことだと学びました。悩んだことも私にとってはとてもいい経験でしたが、「苦労して育てた」ではなく、「あなたと過ごした日々は楽しかった」と、子どもには伝えていきたいと思います。
著者:田丸あかね
現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。