記事サムネイル画像

「夫を辞めさせたいのでは」ADHDの判明後、給与ダウンの異動を提示。妻が職場見学で知ったこと

結婚後、共働きの生活の中で、夫の忘れ物の多さが次第に気になるようになりました。検査の結果、発達障害の一つであるADHDと診断され、そのことを会社にも伝えました。するとしばらくして、人事から異動についての提案が持ち上がりました。

 

夫の発達障害が判明

結婚をし、お互いに働いている中でしたが、夫の忘れ物の頻度などに違和感を持ったため、夫に発達障害(生まれつきの脳の発達の特性によって、コミュニケーションや対人関係、学習、行動などに困難が生じることがある障害の総称)の検査を受けてもらったところ、発達障害の中のADHD(注意力が続きにくい、不注意や多動、衝動的な行動が見られることが特徴の発達障害)であることが判明しました。

 

幸いにも仕事自体は向いている業務内容であったため、同僚に大きな迷惑をかけることはなかったようなのですが、常に臨機応変な対応が求められるせわしない部署であったためか、夫は帰宅するころには毎日、動けなくなるほどへとへとになっていました。

 

また、そのような状態の夫を支えるため、私が毎日夫の職場への送迎をしていましたが、私も夫と同様に仕事があるので、正直なところ大変に思っていました。

 

人事部長から直々に異動の提案が

定期的な通院があるため、夫の障害のことは会社に伝えていましたが、伝えてから1年ほどたったある日、人事部長が夫に直々に会いに来るという話がありました。

 

部署内の異動や転勤などは頻繁にある会社ですが、人事部長がわざわざ来られることはなかったため、いったいどんな用事なのだろうと、夫と話しながらその日を待ちました。そして、まったく別の部署への異動という、大きな転機についての「提案」がありました。

 

異動先の業務内容を聞いたときは、あまりにも畑違いな部署だったため、「左遷」や「厄介払い」という考えで頭がいっぱいになりました。さらに、この物価高で生活が苦しい中、給与も下がると聞き、「会社は夫を自主的に辞めさせたいのではないか」といったことまで考えてしまいました。

 

夫はどこか楽観的でしたが、私はひとりで悩み、悪い想像ばかりを膨らませていました。

 

そこで、夫が新しい部署への見学に行くタイミングで、私も同行できないか相談しました。外部の人間が見られる範囲で構わないので、実際の様子を見せてもらい、今回の異動の方向性について話を聞けるかどうか、夫から打診してもらうことにしたのです。

 

 

百聞は一見にしかず

私の見学希望は会社からも許可され、夫が普段からお世話になっている人事の方にお話を伺うことになりました。その方とは、夫の障害の件で何度かお会いしており、知識が豊富で包容力のある話し方から、ずっと人事として働いてこられた方なのだと思っていました。

 

しかし、「実はもともと別の部署にいて、異動して人事部になったのだ」と言うのです。

 

最初に人事部へ異動するよう会社から告げられたときには、左遷だと思い悩んだこと。元の部署では力不足だったのかと落ち込んだこと。それでも会社の判断に従ってみた結果、今では人事が天職だと言ってくれる人が増えたこと。そうした話を、笑顔で語ってくださいました。

 

その姿を見て、私の中にあった不安は少しずつ和らぎ、「夫と夫の会社を信じてみよう」と素直に思えるようになりました。

 

夫が異動してしばらくたちますが、結果的に夫は以前よりのびのびと働き、心身ともに健康そうに過ごしています。給与は下がりましたが、以前は「これだけ働いてもこの額面か」と感じてしまうことも多かった中で、「仕事に少し余裕ができた分の給与が下がったけれど、気持ちにも余裕があるね」と、前向きに受け止められるようになりました。

 

また、以前の勤務地はかなりの田舎でしたが、異動の際の引っ越しを機に地方中枢都市で暮らすことになり、休日の過ごし方にもさまざまな選択肢が増えました。その影響もあってか、夫婦の関係も以前より良くなったように感じています。

 

まとめ

当初の私は、会社という組織を「数字がすべてで、合理的すぎる場所」だと思い込み、夫が切り捨てられてしまうのではないかと疑っていました。今回の件で、会社側が夫の特性と組織としての役割、その両方を真剣にすり合わせてくれたことに気付きました。

 

不安な気持ちだけを抱え込まず、勇気を出して自分の目で見たり、人の話に耳を傾けたりすることで、受け取り方が大きく変わることもあるのだと学びました。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害持ちの夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている

イラスト:マメ美

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
\ この記事にいいね!しよう /
シェアする

  • コメントがありません

気になる記事をまとめ読み

人気連載

新着連載

連載完結

もっと見る

注目記事を探す

人気記事ランキング

アクセスランキング
コメントランキング

お得な無料キャンペーン

暮らしの新着記事

PICKUP