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心臓がドキドキ、眠れない日々。休みなし勤務から不安障害に…克服までの軌跡【体験談】

「不安障害」という病気は、ネットで調べると、恐怖心や身体的な不快感が強まり心臓がドキドキしたり不安になったりする心の病気で、体にも悪影響を及ぼすそうです。有病率は人口の5~6%といわれていてそんなに珍しくない身近な病気だそうですが、その不安障害をまさか自分が患うとは思っていませんでした。不安障害になって苦しんだ経験と、回復までの道のりをお話ししたいと思います。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師駒形依子 先生
産婦人科 | こまがた医院院長

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
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不安障害になったきっかけ

33歳で短大の栄養学科に入学、35歳で栄養士を派遣する会社に正社員として就職しました。勤務先はデイサービス併設のクリニックで、60代パート女性2人と私の3人で厨房を回していました。

 

入社して1年ほどたったころ、パートさんの1人が家庭の事情で突然辞めてしまい、急にもう1人のパートさんと私の2人体制に。本社からたまにヘルプの人が来ていたものの回数には限度があり、必然的に休みが激減。パートさんに優先して休んでもらい、私自身は月1、2回休める程度でした。

 

その後新しい人も入らず、朝から晩までひとりで勤務することも多々あり、疲れが極限に達して精神的にも追い詰められていきました。あるとき心臓がドキドキしてずっと不安な気持ちが続き、おかしいと思った私はすぐに心療内科を受診しました。診断は「不安障害」でした。

 

初めはまだ症状が軽く、すぐに良くなりました。体が心配だったので会社に1カ月後に辞めると申し出ると、「会社の規約で辞めるには3カ月必要」と言われ、やむなく勤務を継続。ですが2週間後に不安症状が再発し、以前よりもひどくなり夜も眠れず、仕事に行けなくなり、そのまま辞めざるを得なくなりました。

 

不安障害に悩まされた日々に始めたこと

不安障害の女性のイメージ

 

真面目に頑張った結果、自分が病気になるなんて。このときは絶望しました。

 

実家でしばらく休むという選択肢もありましたが、このまま家にこもるとたぶん私はうつ病になる。外に出て人と関わったほうが自分の中に閉じこもらなくて良い。そんな気がしたので別の仕事に就き働き始めました。

 

病院で処方された精神安定剤を飲みながら、新しい職場で派遣社員として働き始めました。栄養士を続けると症状が悪化すると感じたため、その道は断腸の思いで諦め、前に経験のあった職種に就きました。このときは何をしても心が何も感じない状態になっていて、「これはうつ病になる一歩手前ではないか」と気付き、これ以上気持ちを落としたくないという一心で、自分で対策を考えました。

 

例えばひとり言で自分を盛り上げました。テレビを見たら「わー!! 今のおもしろかった!!」としゃべったり、笑い転げてみたり。買い物に行くときも「今日は買い出しに行こう!! あのお店は広くてたくさんのものがあるから楽しいんだよね!」と言葉に出してみたり……。いつも楽しくいることを3カ月ほど続けました。

 

そうすると心がだんだんと上向きになっていき、「楽しい」と感じられるようなりました。

 

 

無理をせず楽しく生きることが大切

社員として働く女性のイメージ

 

それからはこの「いつも楽しくいる方法」を実践していき、1年ほどで毎日飲んでいた薬をやめられ、40歳を超えたころには精神安定剤の頓服薬も必要なくなりました。ちょうどそのころに同じ職種の正社員としての職が見つかり円満退社。再就職をしました。

 

正社員となり順風満帆かと思いましたが、入社した会社がパワハラ体質でここでも苦労しました。私が入社後に、今までいた社員や新入社員がどんどん辞めていき、その中にはうつ病になって辞める人もいて、人の入れ替わりが激しい職場でした。ただ40歳で正社員になれたので辞めるという決断ができず、3年ほど働きました。

 

働いているときに決めたことは、「これ以上無理だな」と思ったらすぐに辞めるということです。栄養士時代に不安障害になった経験から、「すべてをひとりで受け止めず、助けを求める」ということを学んだので、適宜上司に相談しながら仕事をしました。

 

お休みの日は楽しく過ごし、仕事は真面目にするけどひとりで頑張り過ぎない。考え方次第で楽しく過ごせる。そう考え実行することで再発せず、その会社の社員の中では比較的長く在籍しましたが、最終的にパワハラに耐えられず退職しました。

 

まとめ

その後職業訓練に通い、今はHP制作会社で働いています。紆余曲折あった30代後半から40代前半。不安障害を発症し絶望のどん底に落ちてから、ゆっくりですが病気を克服することができました。完治する病気ではないため、再発することも考えられます。ですが、再発させないために重要なことを自分の経験から学びました。最初は薬に頼りましたが、心のコントロールで症状が出ないように抑えることができるようになりました。

 

どん底のときは治るかどうかも不安でしたが、今では不安障害のおかげで強くなれたし、人にやさしくもなれてよかったと思います。この経験を生かして、これからも恐れずに新しいことにチャレンジしていきたいです。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:近藤葉月/40代女性。自分のしたいことを追求しすぎて、結婚もせずアラフィフ直前に。楽しく自分らしく生きるために日々模索中。栄養士・調理師の資格持つ。趣味は料理とパン作り、食べ歩き。

イラスト/おみき

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

 

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