呼吸を感じたり、確認したことはありますか?自然過ぎて考えたことがないのではないでしょうか。実際呼吸に意識を向けてみると、意外と浅いものです。深い呼吸はお腹まで入りますが、イメージしにくいかもしれませんね。
実は呼吸と体はとても密接な関係、そしてとても大きないい作用があるんです。今回はその「呼吸」についてお伝えしますね。
呼吸を変えると心も体も変化する
自律神経のはたらきの中で唯一、自分の意思でコントロールできたり、影響を与えたりできるのが「呼吸」です。「気持ち」と「呼吸」は同じ方向を向いています。
気持ちが呼吸に影響を与えるように、呼吸が気持ちに影響を与えることができます。
意識的に穏やかな呼吸をすれば、心は落ち着いてきます。心が落ち着けば体もゆるみ、血液や酸素、栄養も体のすみずみまでいきわたらせるようになってゆきます。
【いい呼吸がもたらす体と心への効果】
・内臓のはたらきが活発になる
・筋肉がほぐれて血流がよくなる
・酸素が手足の末端まで届けられ、冷えが改善する
・女性ホルモンの分泌が促される
・免疫力が高まる
・心が穏やかになる
そもそも呼吸とは?
「呼吸」とは、「自律神経」の一部です。
自律神経は、血流、体温調節、内臓の働き、ホルモン分泌など健康を維持するために働く、縁の下の力持ちのような神経で、「交感神経」と「副交感神経」ふたつの種類があります。交感神経はがんばるぞ!というやる気の源になりますが、ストレスを強く感知すると、戦うか、逃げるかの反応を引き起こし、興奮状態になります。一方の副交感神経は、リラックスした状態で活性化します。
今は便利になった反面、膨大に溢れる情報やスマホに自分自身が支配されて、ホッとする時間を確保することもむずかしい「交感神経優位の生活」になりやすい傾向があります。睡眠不足や緊張を伴う仕事が長く続いたり、人間関係で悩んだり、妊活が思うように進まなくてイライラが募っているうちに、交感神経はさらに優位になります。日中の活発に活動するときにはたらく交感神経と、リラックス状態のときにはたらく副交感神経のふたつの神経は、お互い綱引きのようにバランスを取り合いながら健康を維持しているのです。
『質のいい呼吸』は体と心をよい状態にする
焦ったり、緊張したり、イライラしたりすると、呼吸は速く、浅くなることを感じた経験があるかもしれませんね。反対にリラックスしているときの呼吸は安定し、ゆったり吸って吐いてを繰り返します。そのリラックスした呼吸が増えてゆくと、体の緊張がほぐれ、赤ちゃんを迎える体の状態も次第に良くなってゆくのです。
呼吸を整えるだけ、たったそれだけのことですが、意外と難しいものです。ですが、無理せず少しずつ意識してゆけば呼吸の質は変化し、身心ともに健やかになってゆきます。それでは「質のいい呼吸」に向けて練習してみましょう。
呼吸の質を変えてみましょう
ため息のすすめ
自然にため息が出るときは緊張があるとき。呼吸は浅く、体は酸素を欲しがっています。ため息は「ため息をつくと幸せが逃げる」と聞いたことがあるかもしれませんが、あまり良いイメージではないかもしれませんね。でも体にとってはいいことなので、積極的にため息をつくことをおすすめしたいです。私はそんなとき人のいないところに行って、大げさにため息をついて気持ちを落ち着かせています。よかったら試してみてくださいね。
気分を切り替える腹式呼吸
お腹に両手を当てて背筋を伸ばします。
1.ろうそくの火を消すときのようにふぅーーーーと吐き出し、これ以上吐けないところまで吐き切ります。だんだんお腹がぺったんこになるのが感じられたら正解です。
2.鼻からゆっくりと息を吸います。鼻の近くにある空気を吸うイメージをすると分かりやすいかもしれません。だんだんお腹がふっくらしてきます。
3.1、2を交互に繰り返します。
【ポイント】
・慣れるまでは静かな場所で行いましょう
・吸う息は吸い過ぎず、吐く息をしっかり吐くとスムーズに行いやすいです
・呼吸意外のことが気になってしまうかもしれません。気になることが浮かんだら深く考えないで、呼吸に意識を戻します。反れたら戻す。反れたら戻す。そのうち自然に集中できるようになります
・慌てず、焦らず、毎日ほんの少しの時間でもいいので、ご自分の呼吸を観察する時間を作りましょう。おやすみ前に行うと眠りに入りやすくなります
・慣れてきたら、細く、長く、深く、ご自分にとって「心地いい呼吸」を見つけてゆきましょう
呼吸は心や体とつながっているんですね。安定した呼吸をマスターしてくると、ふだん呼吸の中で浅くなっているとき、止めている瞬間に気づけるようになります。浸透した頃には呼吸が変わり、心も体も変わってゆきますので、楽しみながら心地いい呼吸を見つけてゆきましょう。