"弱火調理"が向いている料理ってどんなもの?

結論から言ってしまうと、弱火が向いている料理は、下記のとおりです。
・鶏肉や厚みのある肉料理
・卵料理
・とろみをつける系
・煮物
「地味だな」と思いましたか?
そうなんです。
でも、料理の完成度を左右するのは、意外とこういう地味なところだったりします。
それぞれ解説していきましょう。
鶏肉や厚みのある肉料理

一番のメインは、やはり鶏肉です。
鶏肉を強火で加熱してしまうと、表面だけ先に焼けてしまうだけでなく、焼き色がうまくつかないんです。
バーベキューみたいな黒っぽい焼き色になってしまうと言いますか。
しかし、弱火で焼けば、黄金色の綺麗な焼き色がつくし、中にもじっくりと火が通るので、パサパサにもなりません。
そして、鶏肉に限らず、厚みのある肉は、外と中の温度差が大きくなりやすいです。
強火で焼くと、
・表面だけ焼ける
・中は生
・外はかたくなる
弱火でじわっと温度を上げると、中まで均一に火が入ります。
その結果、ふっくらと仕上がります。
肉は短距離走ではなく、長距離を走るイメージで、“急がせない”ほうがうまくいきますよ。
卵料理

卵は、温度変化にとても敏感です。
強火だと一瞬でかたくなってしまいます。
しかし、弱火なら、白身がやさしくかたまります。
目玉焼きでも同じですね!
あまり火を通したくないときは、じっくり火を入れてみてください。
しっとりなめらかな目玉焼きができますよ。
【余談】ホテルのスクランブルエッグは"火を入れない"
ちなみに、ホテルでスクランブルエッグを作っていたときの話です。
実はあれ……直接火を入れていないんです。
「どういうこと?」と思うかもしれませんが、実は湯煎で作っていたんです。
鍋にお湯を沸かして、そこに卵の入ったボウルを入れ、じっくり火を入れる。
初めて見たときは「そこまでやる?」と思いました。
でも、仕上がりを見て納得。
なお、ボウルはめちゃくちゃ洗いにくいです。
おいしさの裏には、地味な後片付けがあります。
とろみをつける系

とろみをつける系は、弱火の独壇場です。
強火にすると、
・ダマになる
・底が焦げる
・分離する
ということが起きます。
水溶き片栗粉を入れるときに強火にして、「ダマダマになってしまった……」なんていう経験、ありませんか?
とろみをつけるときは、弱火で絶えず混ぜることが大切です。
地味ですが、これが一番きれいに仕上がります。
カスタードやホワイトソースなんかも同じですね。
ひたすら、弱火です。
煮物・スープ

煮物やスープも、沸いているだけでいいので、基本は弱火が正義。
グラグラ煮る必要はありません。
むしろ、強火で加熱してしまうと、
・だしが濁る
・具材が崩れる
・味が荒れる
など、いいことがありません。
逆に、弱火で静かに加熱すると、味がゆっくり入りますし、型崩れもしません。
表面が静かにゆれているくらいが理想です。
"弱火調理"が向いていないものもある

ここまで、弱火の素晴らしさをお伝えしてきましたが、もちろんすべての料理に当てはまるわけではありません。
チャーハンやステーキの表面焼きなど、一気に高温が必要な料理もあります。
だから大事なのは、「火力=強いほうがいい」ではなく、「火力=料理に合わせる」という考え方です。
何事も、適材適所。
弱火が向いている料理に強火を使ってしまうのは、武闘家が魔法で攻撃するようなものです。
効率も悪いし、そこまで効果もありません。
そんな非効率なことが起きないように、ぜひ火加減を意識してみてください。
弱火調理も強火調理も適材適所!

今回の記事では、弱火の良さと、どんなときに使うとよいのかを解説しました。
弱火は基本的に、時間がかかります。
でも、
・均一に火を入れたいとき
・食感を守りたいとき
・形を崩さず仕上げたいとき
・焦げを防ぎたいとき
こういう料理には、弱火が向いています。
しかも、失敗しづらいというメリットもあります。
なんでも“とりあえず強火”をやめるだけで、料理は一段うまくなります。
今日、ひとつだけ試してみませんか?
卵料理を、いつもより少し弱い火で作ってみてください。
きっと、いろいろな発見があると思いますよ!