婚約者と同僚が
僕はIT企業で働いています。数年前から付き合っていた同僚のA子とは、半年後に結婚式を挙げる予定でした。結婚は大きな決断でしたが、A子は「この人と結婚しなければ、もう結婚する機会はないかもしれない」と思えるほど、僕にとって大切な相手でした。
ところがある日、僕と同期入社の同僚がA子と親しげにしている場面を目撃。彼は「実家は地主で資産家だ」と常に派手な生活をアピールしており、高級時計や外車を自慢しては、地道に働く僕を日頃から見下すような態度を取っていました。
僕が2人にそっと近づくと、僕に気付いたA子があっさりと「私、彼と付き合うことにする」と告げてきて……。驚く僕に、彼女は「結婚するならお金に余裕がある人がいいし、彼は資産家の息子らしいし!」と発言。同僚も、「俺のほうが彼女を幸せにできる。お前には無理だ」と自信満々な様子でした。
あまりにも突然の出来事で、しばらくは現実を受け止められず……。社内にもすぐに話が広まり、同情や噂話の視線を感じる日々でした。正直、肩身は狭かったですが、A子は条件だけを見ていたのだとわかり、不思議と未練は薄れていきました。
僕を救ってくれたのは
僕を救ってくれたのが、目の前の仕事でした。浮かれた同僚が放置した業務の穴埋めに没頭。そんな僕が腐らずに働く姿勢を、直属の上司が高く評価してくれたのです。
仕事が一段落した週末、上司が「うちで軽く食事でもどうだ」と声をかけてくれました。こうして上司の家に伺った先で紹介されたのが、上司の娘さんであるB。
Bはしっかりしていて、とても落ち着いた女性でした。上司が「こいつは本当に誠実で、仕事に責任感を持つ男なんだ」と僕を紹介してくれたこともあり、Bとはすぐに意気投合。
彼女は僕の過去を聞いても「大変な思いをされたんですね」と静かに寄り添ってくれました。そんな彼女には、口下手な僕も話をしやすく……。その後、日程を改めて何度か食事を重ねた後、僕から告白。Bもそれを受け入れてくれて、正式に交際を始めました。
婚約者がもどってきたワケ
一方で、同僚とA子の生活はすぐに破綻したようです。実は、同僚が豪語していた「裕福な実家」という話は、周囲からの関心を引くためについた真っ赤な嘘だったのです! 彼の実家はごく一般的な家庭で、資産などはありませんでした。自慢していた高級時計や外車もすべてリース契約や、消費者金融からの借金で手に入れたものだったということがわかったそう。
豪華な結婚式を挙げようと式場の見積もりを出した際、極端に支払いを渋る同僚をA子が不審に思い、問い詰めたことで嘘が発覚。理想のセレブ生活どころか、見栄のために作られた借金まみれの現実を突きつけられたA子は激怒し、即座に婚約を解消したと風のうわさで聞きました。
それからしばらくして、僕のもとにA子から突然連絡が。「やっぱりあなたが一番だった」「やり直したい」と。かつての僕なら揺らいだかもしれませんが、今の僕に迷いは一切ありません。
僕は「やり直すことはできない」ときっぱりと断り、連絡先を消去。僕がこのとき、何よりも大切にしたいと思ったのは、嘘のない関係を築き、困難なときでも互いを支え合えるBでした。今回の件で、自分にとって何が一番大切なのかがはっきりとわかりました。これからは、僕自身を見てくれる相手を何よりも大切にしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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