専業主婦からの再スタートは、決して簡単なものではありませんでした。最初は思うように仕事が取れず、不安になることも多かったです。
それでも少しずつ実績を積み重ね、収入も安定。家事や育児とのバランスも取れるようになり、私はこの働き方にやりがいを感じていたのですが……ただひとつ、どうしても引っかかっていたのが夫の態度でした。
家事・育児をしない夫
夫は、家事や育児はすべて私の役目だと考えている人でした。
仕事の帰りに買い物を頼んでも、「忘れた」「面倒だった」と言って手ぶらで帰ってくることがほとんど。結局、翌日の朝食やお弁当の準備に支障が出てしまいます。
事情を説明し、何度も頼んでようやく渋々買いに行ってくれるものの、その態度からは「俺の仕事じゃないのに」という不満が見え隠れしていました。
さらに、私の在宅ワークについても理解はしてもらえていませんでした。
夫は「どうせ働くなら会社員のほうが安定している」と言い続け、私が会社員時代よりも収入を得ていると伝えても、「見栄を張っているだけだろ」と取り合おうとしません。
開業前に説明し、納得してくれたはずなのに……。私の扱いは専業主婦のころと何も変わっていなかったのです。
私の家事を監視する義母
義母もまた、私の働き方を認めようとはしませんでした。
息子である夫を溺愛している義母は、頻繁にわが家を訪れては、家事のやり方に口を出してきたのです。
「パソコンばかり触っていないで掃除しなさい」
「仕事を理由に食事を手抜きするなんてありえない」
そう言われるたびに、仕事を中断せざるを得ず、気持ちも削られていきました。
我慢の限界を感じた私は、夫に「義母に訪問を控えるように言ってくれない?」と相談することに。しかし返ってきたのは、「お前が家事をちゃんとやらないから、母さんにまで迷惑がかかっている」という言葉だけ。
話し合いは平行線のままで、状況は何ひとつ変わりませんでした。
突然決められた同居
そんなある日、義母が大きな荷物を抱えてやってきました。不思議に思って尋ねると、「今日からここで暮らすから」と、あまりにもあっさりと同居を宣言されたのです。
義実家はすでに売却が決まり、引き渡しも間近で戻ることはできないと言われ、私は言葉を失いました。当然、そんな話は夫から一切聞いていませんでした。
ただでさえ訪問だけでもストレスだったのに……同居など受け入れられるはずがありません。
その日の夜、夫を問いただすと、「お前が家事をサボるから、母さんに来てもらったんだ」と言い切られました。
義母が来てくれたことで、家事や育児の負担が減るのならよかったのですが……今までの訪問でも、義母が実際に手伝ってくれたことはありませんでした。
結局、翌日から、私は朝から晩まで家事をこなしながら、義母の嫌みを聞き続ける生活を強いられることに。やはり義母は口を出すだけで、実際に手を動かすことはありませんでした。
理解のない夫と義母に私が出した答え
このままでは事業が立ち行かなくなると感じた私は、夫に再び相談することに。
しかし、何度説明しても、夫は「家でパソコンを触っているだけでは仕事とは言えない」と否定するばかり。収入を見せても、実績を伝えても、理解されることはありませんでした。
ついに夫と口論になったとき、義母が割って入り、こう言い放ったのです。
「息子の言う通り、あなたは毎日パソコンで遊んでるだけでしょ」
「あなたは息子と不釣り合いよ。今すぐ離婚しなさい」
その瞬間、私の中で何かが切れました。夫に言われるならまだしも、義母に指図される理由はありません。
私は彼らに見切りをつける覚悟を決め、静かに答えました。
「わかりました。では、今すぐ出て行ってください」
私の言葉を聞いて、夫と義母は驚いたように顔を見合わせました。
実は私たちが住むこの家は、私の母が所有しているもの。つまり、離婚となれば出て行くのは私ではなく、夫と義母のほうだったのです。
そのことを淡々と告げると、2人は態度を一変させました。もともと夫も義母も貯蓄に余裕があるわけではなく、突然住む場所を失う状況は避けたかったのでしょう。
それから義母は急に態度を和らげ、これまでとは別人のように振る舞い始めました。私の仕事を認めるどころか、「すごいじゃない」と褒めるようになり、家事も分担しようと提案してきたのです。
夫もまた同様で、これまでの態度が嘘のように協力的に。その必死さに、私は思わず苦笑してしまいました。
正直なところ、このまま離婚することも考えました。しかし、娘のことも踏まえて冷静に考えた結果、まずは生活のルールを明確にすることを優先することにしました。
家事や育児の分担、仕事への理解、互いの役割。それらをしっかり話し合い、条件を整理したうえで、結婚生活を続ける選択をしたのです。
自分にとって理解できないものだからといって、否定してしまうのは簡単です。しかし、家族として共に暮らす以上、相手の働き方や価値観を認め合うことは必要だと、今回の出来事を通して強く感じました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。