義母が名前候補を持ってきた!?
赤ちゃんの名前を考える時間は、親にとって特別なものです。私たち夫婦も、いろいろな候補を出し合いながら、毎日のように名前の話をしていました。
実は結婚したばかりのころ、義母はこんなことを言ってくれていました。
「私は義母からいろいろ決められるのが本当に嫌だったの。だから、あなたたちは自由に、自分たちの家族を作りなさい。私のことは気にしなくていいのよ」
その言葉を聞いたとき、私はとてもありがたく感じました。過度な干渉せず、見守ってくれる義母なのだと信頼していたのです。ところが、息子を妊娠してしばらくしたころのこと。義母が突然、「いい名前があるの!」と一枚の紙を持ってやってきたのです。
提案された名前に聞き覚えが…
その瞬間、私は心の中で「あれ? 話が違う……」と戸惑いました。義母は画数までしっかり調べた名前を見せながら、「この漢字がとてもいいのよ」と熱心に説明してくれます。
ですが、その名前を耳にした瞬間に違和感を覚えた私。どこかで聞いた覚えがあるような……。この違和感の正体に気づき、私はさらに言葉を失ってしまいました。
なんと、その名前は義実家で飼っている犬の名前に漢字を当てて、さらに一文字足したような名前だったのです。
「え、犬の名前!? なんで…」
頭の中に、愛犬の顔が浮かびました。もちろん、その子のことは私も大好きです。しかし、いくら大好きな愛犬だからといって、ほとんど同じような名前を赤ちゃんにつけるのは違うのでは?と、あまりにも予想外の提案に思考が追いつきませんでした。
状況が理解できず、義母がなぜその名前を思いついたのかを聞くことすらできません。私は驚きのあまり笑うことも、義母の顔を見ることもできませんでした。そんな私の反応から何かを察したのか、それ以来、義母が名前について口を出してくることはありませんでした。
結局、子どもの名前は夫婦で何度も話し合って決めました。あのときの義母への態度は、少し冷たかったかなと後から反省したこともあります。
しかし、もしあのまま提案を受け入れていたら、子どもの名前を呼ぶたびに義実家の愛犬を思い浮かべていたでしょう。だからこそ、あのとき流されずに意思表示をしたことは間違っていなかったのだと思っています。
名づけは、親から子どもへの最初の贈り物。大切なことだからこそ、遠慮せずに自分の気持ちを伝えることも必要なのだと感じた出来事でした。
著者:七瀬香乃/30代女性。2015年生まれの息子と2018年生まれの娘の子育てに奮闘中。元幼稚園教諭で、結婚を機に地方に移住。趣味は編み物と海外ドラマ鑑賞。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)