息子は低出生体重児(2,500g未満)ギリギリの2,590gで生まれました。私が出産した産院の助産師さんによると、出生時の体重が3,000gくらいと2,500gくらいの子では、育てやすさに差があるそうです。今回は、母乳で育てたかった私がじょうずに飲めなかった息子と奮闘した、母乳育児の様子についてお伝えします。
入院中は助産師さんにおんぶに抱っこ
母乳自体は助産師さんから褒められるほどよく出ていたのに、息子はじょうずに吸うことができませんでした。深くくわえることができず、何とかくわえさせてもすぐに眠ってしまいます。
退院するまでの5日間は、助産師さんに何度も母子同室の部屋まで来てもらい、さまざまな授乳の体勢、搾乳方法、添い乳の方法、飲めた母乳の量を測ってもらう、授乳中に寝たときの起こし方など、手取り足取り教えてもらう日々でした。
無我夢中だった新生児期
結局入院中、自分ひとりで飲ませられたのは1回だけという状態での退院となりました。母乳が飲ませられないことを危惧して、退院したその足で育児用ミルクと、産院で使っていたものと同じ搾乳器を買って帰り、不安でいっぱいのまま息子との生活が始まりました。
はじめの1カ月は自分でもいつ寝ていたのかわからないくらい無我夢中でした。母乳を吸わせる→搾乳した母乳をあげる→息子を寝かせる→哺乳瓶等を洗って搾乳する、という流れを毎日毎日ただひたすら続けました。
気がついたら軌道に乗っていた母乳育児
助産師さんからも心配され、母乳外来をすすめられていたので、産院の母乳外来にも2回通いました。でも、実際に母乳外来に行ってみて、助産師さんに相談をしようとしたら、話すことがあまり浮かんでこない自分に気が付きました。
体重の増えもまったく問題なし。自分でも気が付かないうちに、母乳育児が軌道に乗っていたのでした。
結局購入した育児用ミルクは、生後9カ月で夜泣き対策として飲ませるまで使うことなく、完全母乳で育てました。「母乳をよく飲むのね」と周りから言われるほど、すくすくと成長していった息子。今振り返ると、あのとき母乳育児を諦めずに、頑張ってよかったと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト:imasaku
著者:谷口菜穂
一男の母。保育士資格、幼稚園教員免許、小学校教員免許を取得。出産後、仕事を退職。日に日にできることが増えていく子どもの成長におどろく毎日。妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。