2019年10月から消費税が原則10%になります。増税前にセールやキャンペーンなど財布のひもを緩めるお店が増えていますが、本当に消費税増税前に買ったほうがいいものは限られています。
今回は、消費税増税前に買ったほうがいいものと買わないほうがいいものを仕訳してお伝えします。
大前提として必要なものは買い、不必要なものは買わない
当たり前のことのようですが、必要なものは買い、不必要なものは買わないことが大前提です。
例えば、10万円(税抜)の品物の消費税増税の2%は2,000円ですが、増税前に購入した場合の品物の総額は108,000円になります。必要なものであれば増税前に2,000円安く買えると判断できますが、不必要なものであれば108,000円の無駄遣いになってしまう可能性もあります。消費税増税前のセールやキャンペーン等に踊らされて不必要なものを買うことにならないかまずは考えられると良いでしょう。
消費税増税前に買ったほうがいいもの・したほうがいいもの
消費税増税前に買ったほうがいいものは、増税後に値下げしないもの・しにくいものが中心となります。
【1】定期券・回数券・航空券・テーマパークや映画館等のチケット
使用期限内に使うことが前提となりますが、消費税増税すると値下げしない場合がほとんどですので、予算や計画を立てた上で、期限内であれば使えるチケット類は増税前に購入すると良いでしょう。期限切れや紛失には注意しましょう。
【2】書籍・カルチャースクール等習い事の費用・保険適用外の治療や健康診断・修理費用・たばこ・市販薬・化粧品等
これらに共通するのは(市販薬や化粧品は一部の商品で値下げとなるものもありますが)値下げをほとんどせず、価格が決まっているものです。価格本体の変更はありませんが、消費税2%分の負担が単純に増えることとなります。歯列矯正やインプラントであれば、100万円を超えるケースも少なくありませんので、予定があれば、増税前に治療が行えるか確認すると良いでしょう。
消費税増税前に買わないほうがいいもの
消費税増税後も支払い総額が変わらないもの、安くなる可能性のあるものは、無理に駆け込んで購入する必要ありません。
【1】食料品等の軽減税率(8%)が適用されるもの
酒類・医薬品を除く飲料品、健康食品を含む食料品は2019年10月以降も持ち帰りであれば8%の消費税率のため、増税前に買い込む必要はないでしょう。なお、アルコール濃度1%以上の酒類や医薬品・医薬部外品は軽減税率が適用されないことも合わせて覚えておきましょう。
【2】衣類、家具、家電
すべてに当てはまるわけではありませんが、多くのお店で売っている衣類、家具、家電等は消費税増税後の売り上げの減少や価格の比較が容易であることから、増税後に値段が割り引かれる可能性が少なくありません。
また、2019年10月~2020年6月に実施されるキャッシュレスポイント還元制度(対象店舗でクレジットカードや電子マネー等のキャッシュレス手段で支払うと最大5%のポイント還元が受けられる制度)が適用されれば、この制度を利用して増税前よりトータルの支払いが減る可能性もあります。
【3】消費税が非課税のもの
法律で消費税がかからないものがあります。一例としては、切手・はがき、商品券・プリペイドカード、保険料等が挙げられます。これらは、消費税が掛かりませんので、いつ購入しても価格は変わりません。
なお、郵便料金は2019年10月以降に上がるので、古い切手・ハガキ等を使用する場合は差額の切手を貼る必要があります(例:増税後62円ハガキの場合は、1円切手を貼って総額63円にする必要があります)。
今回の消費税増税は、軽減税率やキャッシュレスポイント還元制度等が関わってくるため、今までの消費税増税と比べて複雑化している面もありますが、無駄なものは買わず、必要なものを増税前に買うと良いか、増税後に買うと良いかの判断をすることは今までと変わりありません。駆け込み需要の雰囲気に飲まれ過ぎず、必要なものを適切な価格で購入できるように考える機会にしてください。