お前の好きな人ってもしかして…
休憩室でマッチングアプリの画面を眺めながら、僕はため息をつきました。やり取りが続かない、会ってもピンとこない。そんなことの繰り返しで、なかなか恋愛に発展する気配がありませんでした。
「ため息ばかりついていると運が逃げるぞ」と、同期入社のB男が、からかうように声をかけてきました。事情を話すと、「それ、本当にアプリの問題か?ほかに好きな人でもいるんじゃないの?」とからかわれ、思わず言葉に詰まってしまいました。
そのタイミングで、「頼んでいた案件、どうなってる?」と背後から声が。振り返ると、僕の上司であるA子さんが立っていました。
慌てて姿勢を正し、進捗を報告。A子さんは小さくうなずき、「引き続きよろしくね」とだけ言って、その場を離れていきました。
その様子を見ていたB男が、にやりと笑い、「あー、お前の好きな人ってもしかして……」と一言。
A子さんは、入社3年で課長に昇進した、いわゆる“デキる人”。僕がそんな彼女に惹かれたのは、入社直後のことでした。気づけば目で追うようになっていたものの、相手は上司で、社内でも一目置かれる存在。
僕にとっては、決して手の届かない“高嶺の花”だと、この想いはずっと胸の奥にしまい込んできたのです。
勇気を出して打ち明けた一言で、まさかの展開に!
ある日の残業中、A子さんと2人きりになりました。何気ない会話をしながら仕事をしていたとき、ふとB男の言葉を思い出します。
「自分の失敗談を話すと、女性は心を開いてくれる」――これを機にA子さんと距離を縮められるかもしれない。そう思った僕は思い切って口を開きました。
「実は僕……恋愛経験がゼロなんです」。

A子さんは一瞬言葉に詰まり、少し視線をそらしました。その後、小さく笑いながら「そうなんだ。……でも、大丈夫じゃない?」と返答。
どこか含みのある言い方に少し違和感を覚えましたが、その直後に「じゃあ、今度ご飯でも行く?」と誘われ、僕は反射的にうなずいていました。
意外な共通点で距離が縮まる
食事に行った帰り際、何気なく普段の過ごし方について聞いてみると、「引かないなら言うけど……プロレスが好きで」と打ち明けられました。
まさかの答えでしたが、実は僕も大のプロレスファン。その流れで一緒に観戦へ行くことに。
試合に夢中になっている彼女は、職場で見せるクールな姿とはまったく違っていて――そのギャップに、さらに惹かれていきました。
それから僕たちは、休日に会うことが少しずつ増えていきました。
「僕が好きなのは…」ついに伝えた想いの先に
ある日の休憩中、同僚たちとの雑談で「好きな人いるの?」と聞かれ、僕はA子さんのことを思い浮かべながら「いる」と答えました。
その直後、A子さんが部屋に入ってきて――一瞬だけ表情を曇らせ、そのまま出ていってしまいました。
胸騒ぎがして、僕はすぐに後を追いかけました。すると、「どうして追いかけてきたの?」とツンとした態度の彼女。
もうごまかすのはやめようと思いました。
「僕が好きなのはA子さんです。入社したときからずっと」
すると彼女は、周囲に人がいないことをさっと確認し、小さな声で「私も……」と答えてくれたのです。
恋愛経験ゼロの僕が迎えた、まさかの結末!
こうして僕たちは、職場では上司と部下のまま、プライベートでは恋人になりました。
あとから聞いた話ですが、彼女も実は恋愛経験がほぼなかったそうです。
僕が打ち明けたとき、少し言葉に詰まった様子だったのは、そのためだったのだと知りました。
会社では、仕事ができてクールで隙のない人。
でもプライベートでは、少し不器用で、照れくさそうに笑う一面もある。そんな彼女の姿を知るたびに、やっぱり好きだなと思います。
今のところ、僕たちの関係は会社には秘密のままです。
恋愛経験ゼロの僕が、まさか憧れの上司とこんな関係になるなんて、あのときは想像もしていませんでした。この幸せな毎日を、ずっと大切にしていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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