配達先の診療所で起きた異変
いつものように地域診療所へ野菜を届けに行ったときのことでした。院内に入ると、診療所で唯一の医師であるA木先生の様子が明らかにおかしく、突然その場に倒れてしまったのです。
看護師のB子さんは必死に対応していましたが、診療所には代わりに診療できる医師がいませんでした。事情を聞くと、この診療所の本院である総合病院に応援を要請しているものの、すぐには対応できないとの返答だったそうです。
私は元外科医で、以前はその総合病院に勤務していました。まずはB子さんとともに応急対応をおこない、元同僚に連絡を取って受け入れ先の総合病院との連携を進めました。その結果、A木先生は速やかに搬送され、無事に処置を受けることができたのです。
本院の対応に違和感…地域医療の現実
その後、A木先生の搬送後の経過報告と今後の診療体制について話し合うため、本院側の関係者が診療所を訪れました。
しかし話を聞く中で、地域診療所への支援体制が十分とは言えず、現場への理解も不足しているように感じました。地域の患者さんにとって、この診療所がどれほど大切な存在かを思うと、本院の対応には強い違和感を覚えました。
かつて私自身も、大病院の体制やしがらみに疑問を感じて現場を離れた経験があります。だからこそ、目の前の患者さんと真剣に向き合うこの場所を守りたいという思いが強くなってきたのです。
診療所で再び医師として働く決意
A木先生の回復後も、診療所は慢性的な人手不足の状態が続いていました。そんな現場を見て、私は再び医師としてこの地域医療に関わることを決意しました。
その後、A木先生と私の2人体制になったことで診療の負担が分散され、地域の方々がこれまで以上に安心して通えるようになりました。地域の方々からも「ここがあって本当に助かる」と声をかけていただくことが増え、少しずつ手応えを感じている日々です。
まとめ
今回の出来事を通して、医療の本質は規模や利益ではなく、目の前の命に向き合うことだと改めて実感しました。地域の方々に支えられながら、今ではこの診療所が地域医療の中心として機能するようになっています。
私自身も、この場所で患者さん一人ひとりに寄り添いながら、医師として歩み続けていきたいと強く感じています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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