起業した義弟が仕事で忙しくなったころから、義妹は「ワンオペ育児で限界」と言って、私を頼るようになりました。そこで、自宅にいることの多い私を頻繁に頼るようになり、週末になると5歳の甥っ子をわが家に預けに来るようになったのです。
「お義姉さん、育児の予行練習だと思って♪」
なんて調子の良いことを言ってきますが、つわりが重かった私にとって、やんちゃな5歳の男の子のお世話をひとりでするのは過酷でした。
さすがに体調がすぐれないため、預かる頻度を減らしてほしいと伝えたのですが、義妹は「妊婦さんには適度な運動が必要!」と言って、その後も遠慮することなく甥っ子をわが家に置いていきました。
絶対安静を無視した義妹
それから約8カ月。臨月に入った私は、おなかの張りが頻繁に起こるようになっていました。義妹はいまだに頻繁に甥っ子を預けに来ており、昼間2時間の約束でも夜まで迎えに来ないことが増え、本当に困り果てていました。
夫や義弟にも何度か相談しましたが、義妹はそのたびに「次から気をつける」と言ってごまかし、結局同じことを繰り返していました。
ついに私は、妊婦健診の際に医師から「切迫早産の危険があるから絶対安静ね」と言われてしまいました。すぐに会社へ相談し、産休に入るまでの間は休職扱いにしてもらい、実家の母に手伝いに来てもらう手はずを整えました。義妹にも「医師から絶対安静を指示されたから、もう預かれない」とはっきりと伝えたのですが、まったく理解してくれません。
そしてある週末、義妹はとんでもない行動に出ました。突然インターホンが鳴り、私がドアを開けた瞬間、義妹は甥っ子を玄関の中に無理やり押し込み、「2時間だけ! お願い!」と言うなり、走って車に乗り込み逃げるように去ってしまったのです。
パニックになって泣き出す甥っ子をなだめ、安全に過ごさせるため、私は重いおなかと痛む体を無理に動かしました。結局、義妹が迎えに来たのは夜遅く。なんとか1日をやり過ごしたものの、私の体は限界を迎えていました。
義妹に無理を強いられた私は…
翌日の朝、私は寝起きに激しい腹痛に襲われました。とても耐えられず、私は自分で救急車を呼ぶ事態に……。
救急隊員に母の連絡先を伝えていたため、ちょうど手伝いに来るため最寄り駅に着いていた母にも病院から連絡が入り、慌てて駆けつけてくれました。意識が朦朧としていた私に代わり、母が単身赴任中の夫や義両親にも連絡してくれました。
そんな大ごとになっているとは知らず、義妹から私のスマホにのんきな連絡が入りました。
「お義姉さん、今日も息子よろしく~♪ お昼過ぎくらいに行くから!」
「臨月でどうせ暇でしょ?」
私のスマホを預かっていた母がそのメッセージに気づき、義妹に返信しました。
「娘は緊急搬送されました」
「え?」
事態を把握しきれない義妹に対し、母は電話をかけ「あなたが娘に無理やり子どもを預けたせいで、娘と赤ちゃんの命が危険にさらされた」と、厳しく叱ったそうです。
幸い、私もおなかの赤ちゃんも無事で大事には至りませんでしたが、私が目を覚ましたとき、ベッドサイドでは母と夫が涙ぐんでいました。私は意識が朦朧としている中、うわごとのように「赤ちゃんを守れなかった」「ごめんね」と何度も謝っていたそう……。
それを聞いていた夫は「君は何も悪くない。気づいてあげられなくてごめん。大事な時期に近くにいてあげられなくてごめん」と目覚めた私に何度も謝ってくれました。
そして、家族の怒りの矛先は義妹へ……。夫と義家族の怒りはすさまじく、義妹の両親も交えて、話し合う事態に発展しました。家族全員から追及され、義妹のスマホの履歴や外出先の説明が食い違ったことで、ようやく本当の理由が発覚しました。なんと義妹は私に甥っ子を強引に預け、不倫相手に会っていたのです。
私は、あまりに身勝手な理由で絶対安静の体に無理を強いられ、命の危険にさらされたのです。いくら謝られても、到底許すことはできませんでした。
身勝手な義妹の末路
その後、義弟夫婦は離婚。これまでの行動や子どもの生活環境を考え、甥っ子は義弟が引き取ることになりました。「何もかも失ってつらい……」と涙目になる義妹でしたが、同情する者は誰ひとりいませんでした。
不倫に関する慰謝料や養育費に加え、私の治療費についても話し合われることになり、義妹には向き合わなければならない問題が山積み。不倫相手と遊んでいる場合ではなく、まずは自分の生活費や、もろもろの支払いのために必死に働かなくてはならないでしょう。
一方、私は無事に娘を出産しました。夫は「家族より大切な仕事なんてない!」と会社に直談判し、単身赴任を切り上げて帰ってきてくれました。私たち家族の命や生活を一番に考えてくれた夫に、惚れ直す毎日です。
◇ ◇ ◇
自分の都合や欲求を優先し、他人の善意や思いやりにつけ込むような行動は、いつか必ず自分自身に返ってくるものなのでしょう。そして、一度失った周囲からの信頼や絆は、簡単には取り戻せません。理不尽な要求に対しては曖昧にせず、自分や家族という一番守るべきものを最優先にして、毅然と断る勇気を持ちたいですね。
【取材時期:2026年4月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。