悩む夫を支えて
ある日、夫は社長である義父から企画を考えるように言われ、悩んでいました。
「俺がそういうの苦手だって父さんも知っているはずなのに」と、どこか試されているように感じていたようです。思うように案が浮かばず、「何も思いつかない……」と落ち込む姿を見るうちに、私も放っておけなくなりました。
そこで私は過去の経験を思い出しながら、思いつくアイデアを片っ端から話しました。夫婦は困ったときに協力すべきだと思っていたからです。
すると、夫は熱心にメモを取り、「その案すごくいい! なるほどね……」と何度も頷いてくれたのです。
少しでも夫の力になれたなら、妻としてこんなにうれしいことはないと思っていました。
夫が社長に!?
それからしばらくして、夫と私は義父から呼び出されました。その場には義兄もいて、いつもとは違う空気が漂っていました。すると、義父は静かな口調で「次の社長は長男ではなく、次男に任せようと思っている」と告げたのです。
夫は目を丸くして「えっ、本当に俺でいいの!?」と驚いていました。義兄には何か思うところがあるのかと思いきや、「俺は前に立って会社を引っ張るタイプではないから」と、夫がふさわしいとフォローしてくれたのです。
さらに義父は、「お前の企画力を評価している。社長を任せてみたいんだ」と告げました。夫は喜び、小躍りしながら、「やっぱ兄さんより俺だよな~。今までたくさん企画も出してきたし、これからは俺の時代だ!」と、まんざらでもない様子でした。
しかし、夫が義父に提案した企画は、私が考えたものです。それをあたかも自分ひとりでやったかのように振る舞う夫に、私は少し引っかかるところがありました。
社長就任で豹変
社長に就任してから、夫の態度は変わっていきました。家では自分が1番偉いというような振る舞いをするようになり、私や娘に対して高圧的な言い方が増えていったのです。
私がやんわり注意すると、「俺が稼いでるんだから文句を言うな! お前は何も言わず家のことだけやってりゃいいんだよ」と不機嫌になるのです。わが家の空気は次第に重くなっていき……ついには娘も父親に寄り付かなくなりました。
そんなある日、夫は笑いながら「貧相な嫁だと周囲に恥ずかしいし、離婚でもするか?」と言いました。冗談めいた口調でしたが、私はもう笑って受け流せませんでした。このままでは、私も娘も傷つき続けるだけだと思ったのです。
私は「うん、いいよ」と返しました。夫は予想外だったのか、「へっ?」と間の抜けた声を上げましたが、私はもう夫に返事する気すら起きなくて……。すぐに父へ電話をかけ、「娘を連れて実家に帰ろうと思うんだけど」と伝えると、父は迷うことなく受け入れてくれました。
こうして、私と娘は実家に引っ越し、離婚の準備を進めたのです。
娘と歩む新たな日々
引っ越し当日、夫は玄関先で「ちょっと待てよ! 本気かよ!?」などと慌てていましたが、私は「あなたが離婚しようって言い出したんでしょ?」とだけ返し、取り合いませんでした。そして、弁護士に相談しながら離婚の手続きを進め、最終的に離婚が成立しました。
別れてから知ったのは、企画は私が考えていたため、夫は仕事で思うような結果を出せず、苦戦していたということです。義父も、元夫の働きぶりに「こんなはずじゃなかった」とぼやいていたと、あとから聞きました。
一方の私は、両親と娘に囲まれながらとても平穏に暮らしています。娘は、転入した幼稚園でたくさんお友だちができ、毎日楽しそうです。私も、これまでの経験を生かせる企画マーケティングの仕事に就き、新たなやりがいを見つけました。これからは、娘との毎日を今まで以上に大切にしながら、私自身も無理をせず、自分らしい人生を歩んでいきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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