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亡き姉の娘育てる僕。結婚挨拶中に姪が腹痛を訴えて帰宅→姪「気づかなかった?」婚約破棄のワケ

僕は親族で話し合ったうえで、亡き姉の娘である7歳のA美を引き取り、一緒に暮らしています。そんな僕が婚約者の実家へ結婚あいさつに訪れた日、思いがけない出来事が起こりました。きっかけは、姉が生前大切にしていた“あるもの”でした。

結婚あいさつの日に

婚約者と出会ったのは仕事を通じてでした。僕は数年前に起業したのですが、彼女の父親が経営する会社と取引があったのです。そこで勤める彼女とやりとりを重ねるうちに親しくなり、やがて結婚を考えるようになりました。

 

ある日、結婚のあいさつのため、僕はA美を連れて婚約者の実家を訪れました。居間には仕事関係の資料や道具がいくつも置かれていて、どこか慌ただしい様子です。すると、そばにいたA美が急におなかを押さえ、小さな声で言いました。

 

「おなか痛い……。おうち帰りたい」

 

慌てた僕は、婚約者とご両親におわびをして、早めに実家をあとにしました。

 

姪が気づいた違和感とは

帰宅後、A美が少し落ち着いたようだったので、僕は「まだおなか痛い? 病院に行こうか」と声をかけました。するとA美は、首を横に振って「大丈夫」と言うのです。「でも、さっきおなかが痛いって……」と聞くと、A美はぽつりとつぶやきました。

 

「お兄ちゃん、気づかなかった? あのおうちにあったスタンプ、ママのにそっくりだったよ」

 

その言葉に、僕ははっとしました。A美は「ママを思い出して泣いちゃいそうだったから、おなか痛いふりしたの」と言って、うつむきました。

 

僕はその場では「気のせいじゃないかな」と答えましたが、胸の奥に引っかかるものが残りました。たしかに、婚約者の実家にあった日付スタンプは、姉が仕事で大切に使っていたものとよく似ていたのです。姉は生前、僕の会社で一緒に働いており、少し特徴のある日付スタンプを愛用していました。僕たちが来た途端、婚約者の父親が慌ててそれを片づけたことも気になりました。

 

隠されていた形見

後日、姉が遺した仕事の資料を確認してみると、婚約者の父親が経営する会社と関わっていた記録が見つかりました。さらに当時のメモには、姉が相手からの急ぎの書類確認など、無理な依頼に悩んでいたことをうかがわせる記述も。

 

あの日見たスタンプは、やはり偶然ではないのかもしれない。そう思った僕は、婚約者の父親と改めて話をすることにしました。

 

「ご自宅にあった日付スタンプについて確認させてください。あれは、どこで手に入れたものですか」と尋ねると、父親は「いつ誰にもらったかまでは覚えてないけど、たぶんもらい物だよ。使い勝手がいいから仕事で使ってるんだ」とあいまいに答えました。

 

そこで僕は、「もし姉が使っていたものだとしたら、どうして返していただけなかったのでしょうか」と聞きました。すると父親は、気まずそうに視線をそらしながら、「お姉さんがうちに来たとき、書類確認で一時的に借りたんだ。そのまま返す機会を逃してしまって……」と認めたのです。

 

「僕たちにとっては姉の形見のようなものなので、返していただけますか」

 

僕がそう伝えると、父親は奥の部屋からそのスタンプを持ってきました。

 

僕の守りたいもの

その後、婚約者にも事情を説明しました。けれど彼女は困ったように笑いながら、「そんなに気にする? 昔のことだし、スタンプを隠してたくらいで怒らなくてもいいんじゃない? 父も悪気があったわけじゃないと思うし」と言ったのです。「僕だけじゃなくA美にとっても姉を思い出す大切なものなんだ」と伝えても、彼女は「でも、もう返してもらえたんでしょ?」と、あまり深刻に受け止めていない様子で……。

 

その言葉を聞いた瞬間、僕の中で何かが崩れました。大切な人の思い出をどれだけ大事にできるか。その価値観が、僕と彼女では大きく違っていると感じたのです。僕は「ごめん。仕事の関係も婚約のことも一度見直したい」と伝えました。

 

結局、婚約の話は白紙となり、僕は彼女やその家族と距離を置くことにしました。無理に関係を続けるより、A美と安心して暮らせる毎日を守りたいと思ったからです。

 

しばらくして、僕はA美と一緒に、姉が好きだったレストランへ行きました。

 

A美が「ママ、このお店好きだったんだよね」とうれしそうに言うので、僕は「うん。今日はここで、おいしいものをたくさん食べようね」とうなずきました。

 

「いいね!」と目を輝かせるA美。その姿を見ながら、僕は今の幸せをかみ締めていました。過去にとらわれるのではなく、大切な人とこれからを築いていく。その選択ができたことに、心から納得しています。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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