妻の裏切りをきっかけに人生が一変
「あなたみたいな地味でつまらない男、もう無理! 私、もっと刺激的な人生を送りたいの!」
妻はそう言い放ち、あろうことか、よく行くカフェの店員だという若いイケメンのフリーター男性と駆け落ちしてしまったのです。突然の裏切りに、私は言葉を失うほどのショックを受けました。しかし、妻の気持ちは変わらず、私たちは離婚することに。
家にポツンと取り残され、数日は食事も喉を通らないほど落ち込みました。けれど、「このままではダメだ。何か新しいことに挑戦しよう」と思えるようになり、少しずつ前を向く力が湧いてきました。
そこから一念発起。以前から興味のあった海外赴任のチャンスがある企業へ思い切って転職活動をおこない、見事採用を勝ち取りました。その後、日本を離れ、新しい環境で再スタートを切ったのです。
それから1年後、知らない番号から着信が
仕事の合間、現地のカフェで一息ついていた私のスマホに、見覚えのない番号から着信がありました。以前付き合いのあった仕事関係の人かと思って電話に出ると、聞こえてきたのは聞き慣れた声……元妻でした。
「あ、もしもし? 私だけど。久しぶり!」
申し訳なさなど微塵も感じさせない明るいトーン。話を聞くと、駆け落ち相手の若い男性はまったく働かず、元妻の貯金を食いつぶすだけの“完全なヒモ”になっていたそうです。
「やっぱり愛だけじゃ生活できないわ。あなたの安定した収入が必要だから……今回は特別に、許して帰ってあげる! 今から家に向かうね!」あまりの図々しさに、私は電話口で思わず「え……」と絶句してしまいました。
「ちょっと、聞いてる? 今から帰るって言ってるのよ?」苛立つ元妻に対し、私は冷静に事実を告げました。
「いや……あのさ。日本に家、もうないけど?」
「……え?」
電話越しに、元妻が息をのむ気配が伝わってきました。
「俺は今…」身勝手な元妻へ突きつけた現実
「俺が独身のときに買ったあのマンション、とっくに売却したよ。だから、君が帰ってくる場所はないよ」離婚後、私は彼女への未練を断ち切る意味も込めて、マンションを売却していました。
「えっ、ちょっと待って! 家を売ったってどういうこと!? じゃあ私、これからどうすれば……!」パニックになる元妻の声を遮り、私は事実を伝えました。「俺は今、仕事で海外に住んでるんだ。それに……来月、こっちで出会った女性と結婚する。だから、もう二度と連絡してこないでくれ」
「うそでしょ!? ねえ、お願い、助けて! あいつの借金の連帯保証人にされちゃってて、私……!」
すがりつくような元妻の声を聞きながらも、もう助けることはできないし、これ以上関わるべきではないと感じ、私は通話を終えて連絡先をブロックしました。
そしてスマホをポケットにしまい、目の前に置かれた淹れたてのコーヒーに手を伸ばします。離婚直後は食事も喉を通らなかった自分が、今は異国の地でこうしてコーヒーを味わっている。人生、何があるかわからない――そう思うと、その一杯はいつもより少し味わい深く感じられました。
◇ ◇ ◇
刺激や欲望を優先するあまり、自分を支えてくれていた人を一方的に切り捨ててしまえば、失った信頼や居場所は簡単には戻りません。自分の選択が、巡り巡って自分に返ってくることも。一度壊してしまった信頼や居場所は、どれだけ後悔しても、簡単には元に戻らないのかもしれませんね。
【取材時期:2026年5月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。