ある日気付いた首の後ろのしこり
ある日、首の後ろを触ったときに、ぽこっとしたできものがあることに気付きました。痛みはありませんでしたが、触れると何かがある感覚があり少し気になりました。ネット上で症状を調べてみてもはっきりとはわからなかったため、念のため皮膚科を受診することにしました。
診察を受けて初めて、それが粉瘤(ふんりゅう/皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、剥がれ落ちた角質や皮脂が袋の中にたまってできた良性の腫瘍)だとわかりました。
手術を断られた理由
診察の後、私は早めに手術をしてほしいと医師にお願いしました。しかし、そのときの私はアルコール依存性がかなり深刻な状態でした。
医師からは、「今の体調では安全に手術をおこなうことが難しい」と説明され、その場で手術を受けることはできませんでした。まさか別の理由で手術ができないとは思っていなかったため、少し戸惑いを覚えました。
治療に向き合った3年間
それから約3年間、私はアルコール依存性の治療に専念することになりました。簡単な道のりではありませんでしたが、少しずつ生活を整えることを意識するようになりました。
そしてアルコールを断てるようになったころ、ようやく粉瘤の手術を受けることができました。現在は体調も安定し、以前より健康的な生活を送れるようになっています。
まとめ
首の後ろにできた小さなしこりが、結果としてアルコール依存症の治療という人生の大きな転換点につながりました。当時はすぐに手術を受けられず戸惑いもありましたが、体はすべてつながっており、一つの不調が生活全体を映し出しているのだと深く実感しています。体の小さなサインを見逃さず、勇気を持って医療機関へ相談したことで、今の健康的な生活を取り戻すことができました。
医師による解説:手術ができなかった理由
粉瘤の放置のリスク
粉瘤は放置すると徐々に大きくなったり、細菌感染を起こして激痛や膿を伴う「炎症性粉瘤」になったりすることもあります。
なぜ手術を断られたのか
今回、医師が手術を見送ったのは、アルコール依存症による全身状態への影響を懸念したためと考えられます。重度の飲酒習慣は肝機能を低下させ、血液を固める成分(凝固因子)を減少させるため、術中に血が止まりにくくなるリスクがあるのです。また、麻酔薬の代謝が不安定になったり、術後に離脱症状が出る恐れもあるため、安全を最優先した判断と言えるでしょう。
全身の健康が手術の前提
外科的な処置をおこなうには、患部だけでなく心身ともに安定していることが大前提です。急を要する状態でなければ、まずは原因となる疾患の治療を優先し、体が万全な状態になってから手術に臨むのが医学的に正しい順序です。
早めの相談が大切です
体の小さなしこりや変化に気付いたときは、自己判断で「様子見」をせず、早めに医療機関を受診してください。それが結果として、今回のようにご自身の生活習慣を見直し、健康を取り戻す大切な一歩になることもあります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:久野 賀子先生(PRIDE CLINIC 医師)
著者:徳重みずか/40代女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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