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脳梗塞になるまで放置していた高血圧。心の声を反映するかのような血圧変動の怖さに衝撃

2020年に脳梗塞で緊急入院した私は、1カ月の治療とリハビリを経て、幸い目立った後遺症は出ず退院することができました。自覚がないまま大病を招いてしまった高血圧の治療のため、医師の勧めで家庭用血圧計を購入。毎日朝晩の血圧を記録するようになったことで知った、驚くほどナイーブな血圧についてお話しします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師新田 正光先生

1997年秋田大学医学部卒業。日本循環器学会 専門医。日本内科学会 総合内科専門医・指導医。その他、日本心血管インターベンション治療学会、日本透析医学会、日本救急医学会や日本不整脈心電図学会の専門医も勤めている。
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脳梗塞を機にマイ血圧計を購入

2020年に私は脳梗塞による右手足のまひ症状で緊急入院しました。入院当日、病院で測定された血圧は、なんと200mmHg超え。看護師から普段の血圧を聞かれましたが、ここ何年も測っておらず答えられませんでした。

 

点滴による投薬治療で次第に血圧も落ち着き、1週間後に本格的なリハビリが始まると、点滴は錠剤の服用に変わりました。処方されたのは、血圧を下げる降圧剤や血液をサラサラにする薬など数種類。食事も減塩の高血圧患者向けメニューで、毎日朝晩の血圧測定では通常値の130mmHg前後をキープしていました。

 

退院が近くなると、担当医から「薬を飲んでいても、日常生活に戻ると少し血圧が上がると思うよ。血圧計を用意して、毎日朝晩の記録を取って外来診察に持ってきてね」と言われました。そして、血圧手帳という血圧を記録するノートを渡されました。

 

私はこれまで自分の血圧に無頓着だったことを猛省。退院当日、家電量販店で家庭用血圧計を購入し、その日から朝晩欠かさず血圧を測るようになったのです。

 

毎日の血圧測定で早朝高血圧が判明

血圧手帳のイメージ

 

高血圧の基準値は、収縮期血圧(最高血圧)が135mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が85mmHg以上とされていますが、実は1日の中でも変動があります。就寝中は低く、朝から上昇し始めて、日中の活動時間は高くなり、夜になると下がってくるのが通常パターンです。

 

退院後の私の血圧は、担当医の言った通り、入院中は130mmHg前後だった上の血圧が140mmHg前後に上がりました。特に朝の血圧が高めで、150mmHgに届く日もありました。それに比べて夜寝る前の血圧は120~130mmHgがほとんどでした。

 

退院から2週間後の外来診察でこのことを話すと、担当医は血圧手帳を眺めながら「朝が高いね。早朝高血圧といって、朝の血圧が特に高くなる人がいるんだよ」と言いました。

 

たしかに、私が脳梗塞の発作に気付いたのも朝。時間に追われる生活続きで、起きてすぐエンジンをふかす性格もあり、朝は血圧が暴走しているような感覚がずっとありました。

 

「血圧が高くなるときにしっかり薬が効くよう、服薬時間を変えてみよう」と提案され、それまで朝食後に服用していた薬を、その日から夕食後に変更。これにより、朝の血圧が少し落ち着いてきました。

 

 

血圧を上げるさまざまな原因

手帳を見ながら服薬する女性の手元のイメージ

 

血圧は季節による変動もあり、寒い冬には血管が収縮して血圧が上昇し、夏には血圧が下がります。たしかに、退院後初めて迎える冬は高めが続き、冷え込みが厳しい朝に160mmHgを超えることがありました。目を疑い測り直したものの、動揺と緊張で次は170mmHgを超え、驚いて病院に電話したこともあります。

 

動揺といえば、朝一番に1人暮らしをしている息子から電話があり「洗濯機から水漏れがあってどうしよう!」と大騒ぎになった直後も、血圧が150mmHgを超えていました。仕事が忙しいときや家庭内にもめごとがあるときも、血圧は普段より高め。

 

病院で診察前に測定するときも「高かったらどうしよう……」と心配し過ぎると、家で測るより10~20mmHg高くなることがたびたびありました。

 

動揺や緊張がストレートに反映される血圧は、まるで心の声のようです。毎日血圧を測るようになるまで、血圧がこんなにナイーブだとは知りませんでした。

 

担当医によると、血圧の変動が大きいのは動脈硬化が進んでいる証拠だそうです。リスクを減らすためには、薬で血圧をコントロールしながら、食事・運動・睡眠に気を配りつつ血圧を下げていく必要があると教えてもらいました。

 

まとめ

毎日血圧を測るようになって、血圧は思いの外、繊細で変動しやすいことを、身をもって知りました。脳梗塞になるまで長期間放置してきた高血圧のせいで、どうやら動脈硬化も進んでいる様子。再び大病を発症することがないように、医師のアドバイス通り、塩分控えめの食事に変えて、睡眠時間を十分取り、時間があればウォーキングをするなど、新しい生活習慣を実践中です。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:あらた 繭子/50代・フリーライター。大学生と高校生の子を持つ。長年の無茶な仕事がたたり、満身創痍の体にムチを打つ毎日。休日のガーデニングと深夜のK-POP動画視聴が趣味。

イラスト/おんたま

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

 

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