出張が多い夫は
新婚のころのこと。たまにある夫の出張は、私にとって「日本各地の味」が届く楽しみのひとつでした。しかし、出張が日常になると話は変わってきます。夫は「お土産にお菓子を買う」という行為そのものに満足し、自分ではひと口も食べず……。キッチンには、お土産が箱のままズラッと並んでいることも増えました。
幼い子どもたちは食べ慣れた市販のお菓子を好んでいたため、結局、賞味期限に追われながら食べるのは私でした。
夫には事情を話し「お土産は買ってこなくて大丈夫だよ、ありがとう」と伝えました。
お土産の代わりに増えたのは
それから、夫はお土産を買ってこなくなりましたが、別の問題が発生。
仕事の訪問先で「ご家族の皆さんで食べてください」と、夫にお土産を持たせてくれることが増えたのです。再び、全国のお土産がリビングに並ぶようになりました。
ありがたい気持ちはもちろんありつつ、「早く食べなきゃ…」と心苦しさを感じていたある日、息子の学校で役員会が開かれることに。私は余っていたお土産を、差し入れとして役員会に持参しました。
すると、保護者の皆さんは、「ひと息つけるわ」「ごちそうさま!」「うれしい!」と、想像以上に喜んでくれたのです。
お土産の活用法
あるとき、ちんすこうを「よかったらどうぞ」と配った私に、「沖縄に行ったの?」「いつ行ったの?」と質問が。私は「夫が出張先でいただいたもので。家では食べきれなくて」と答えると、「贅沢な悩みねぇ。でも、もらいすぎるのも大変なのね」という言葉が返ってきました。
家では持て余していたお菓子ですが、みんなでおいしく食べることができて、とてもうれしく思いました。お菓子を食べながら雑談もでき、保護者同士の会話も広がった気がします。
それからは、役員会のたび、迷惑にならない程度を差し入れとして持っていくことに。皆さんが喜んでくれ、私もお菓子を余らせなくて済み、意外なお土産活用法が見つかりました。
それから数年後、夫は転職。今の会社では出張がまったくありません。かつての「お土産ラッシュ」は嘘のように止まり、わが家のリビングにはスーパーで買った平凡なお菓子だけが並んでいます。当時はあんなに「もう食べ切れない」と頭を抱えていたのに、今となっては、懐かしい思い出となりました。
著者:新谷けご/40代女性・2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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