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「ただの湿疹」が治らず顔まで腫れてきた。大学病院での精密検査で判明した病名とは【医師解説あり】

手の内側が少しかゆいだけだったので、軽い手湿疹(てしっしん/手に起こる湿疹で、かゆみや赤み、ひび割れなどが出る皮膚の炎症)だと思っていました。ところが、症状は少しずつ悪化し、思いも寄らない検査を受けることになったのです。【医師解説あり】

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師菊池大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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手湿疹だと思っていた私の異変

最初は、手の内側にもぞもぞとしたかゆみがある程度でした。病院へ行くほどではないと思っていたのですが、ちょうど子どもの受診があったため、私もついでに診てもらうことにしました。そのときの診断は、手湿疹でした。ステロイドの塗り薬を処方され、しばらく使えばよくなるだろうと思っていたのです。

 

ところが、症状は治るどころか少しずつ悪化していきました。足の甲や足の指まで強くかゆくなり、色素沈着するほどかきむしってしまい、その周りには赤い輪のような模様までできてきたのです。再び受診しても、やはり湿疹だと言われました。長くステロイドを使うことに不安を覚えて尋ねると、今度はステロイドの入っていない保湿剤が処方されましたが、それでも改善しませんでした。

 

そんなある日、職場の先輩が私の手荒れに気付き、セカンドオピニオンをすすめてくれました。

 

症状が広がり、大学病院で検査することに

ほかの病院を受診するころには、指や顔まで腫れてきていました。指はパソコンを打つのも痛く、階段の上り下りをすると足がだるく、気持ちとは裏腹に体が思うように動かなくなってきたのです。

 

その病院では、環状紅斑(かんじょうこうはん/皮膚に赤い輪のような発疹が現れる症状)だと診断されました。ただ、「塗り薬で治らなければ、大きい病院で検査したほうがいい」とも言われたのです。やはり症状は改善せず、血液検査を受けることになりました。

 

すると、膠原病(こうげんびょう/免疫の異常などによって、皮膚や筋肉、血管、内臓など全身に炎症が起こる病気の総称)が疑われる数値が出て、大学病院を紹介されました。

 

大学病院ではたくさんの検査を受けました。メカニックスハンドという症状から、膠原病の一つである皮膚筋炎(ひふきんえん/皮膚や筋肉に炎症が起こり、筋力低下などを引き起こす病気)の疑いがあることはわかりましたが、通常の検査では決め手になる結果が出ませんでした。

 

そのため入院して検査をすることになったのですが、私は数日程度だと思っていました。ところが、実際には1カ月の検査入院だと聞かされ、とても驚きました。

 

 

不安の中で知った病名と、変わった私の毎日

不安のあまりネットで調べると、死亡例や死亡率の記事ばかりが目に入りました。子どもがまだ小さいのに、私は死んでしまうのだろうか。そんな思いが頭から離れず、気持ちはどんどん沈んでいきました。

 

その後、保険適用外の検査も受けることになり、ようやく皮膚筋炎強皮症(きょうひしょう/皮膚や血管、内臓などが硬くなったり障害を受けたりする病気)に関連する抗体が見つかりました。

 

診断がついた後、医師の説明によって私の体に起きていた異変の正体がようやくわかりました。

 

指のガサガサとした症状は、「メカニックスハンド(機械工の手)」と呼ばれる、皮膚筋炎などの膠原病に特徴的な症状であったこと。また、顔の腫れは、単なるむくみではなく、皮膚筋炎に特有の症状であったことがわかったのです。

 

治療が始まり、入院中には合併症であるがんや間質性肺炎(かんしつせいはいえん/肺の組織に炎症が起こり、呼吸がしづらくなることがある病気)の検査も受けました。がんはありませんでしたが、間質性肺炎になっていることがわかったのです。

 

自分では元気なつもりでいたのに、筋肉の炎症のため、今までのように体を動かすことができませんでした。入院中はたくさんの方に助けてもらい、自分の体と向き合う時間になりました。現在は薬を飲みながら、病気の発症前とほとんど変わらない生活に戻りつつあります。今後はさらに薬を減らしていく予定で、この病気と向き合いながら生活していくことになります。

 

まとめ

単なる手荒れだと思い込んでいた症状の裏に、指定難病が隠れているとは想像もしていませんでした。「これくらいで受診するのは大げさかも」とためらわず、違和感が続くときはセカンドオピニオンを含め、専門機関に相談することの大切さを痛感しています。

 

大きな病気を経験したことで、当たり前だった「家族と過ごす日常」がいかに尊いものかに気付けました。今は、部屋の整理とともに心の整理も進め、子どもと笑顔で向き合う時間を何より優先しています。病気と付き合いながらの生活は続きますが、一日一日を丁寧に、自分をいたわりながら歩んでいこうと思います。

 

医師による解説:手荒れに潜む全身疾患のサイン

「ただの手湿疹」と見過ごされがちな皮膚の異変が、実は膠原病などの全身疾患のサインであることがあります。早期発見のために知っておきたい、受診のタイミングを解説します。

 

なかなか治らない手湿疹は全身疾患の疑いも

通常の手湿疹はステロイド外用薬で改善しますが、数週間使っても変化がない、あるいは範囲が広がる場合は注意が必要です。特に指の関節背側の赤み(ゴットロン徴候)や爪の周りの赤み、手のひらのガサガサ(メカニックスハンド)は、皮膚筋炎に特有の症状である可能性があります。

 

皮膚以外の「だるさ」や「息切れ」に注目

膠原病は自己免疫の異常により全身に炎症が起こる病気です。皮膚症状に加え、「階段の上り下りでの息切れ」「筋肉に力が入らない」「関節の痛み」など、一見無関係に見える全身の違和感がある場合は、皮膚科だけでなく総合診療科や膠原病内科の受診を検討しましょう。

 

違和感を放置せず血液検査や専門医への相談を

診断の決め手は、特殊な自己抗体を調べる血液検査です。体験談にあるように、複数の症状が重なる場合はセカンドオピニオンも有効です。現在は治療法が進歩しており、早期に診断がつけば、薬でコントロールしながら発症前とほとんど変わらない生活を送ることも十分可能です。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)

著者:林紀子/40代女性・会社員

イラスト:アゲちゃん

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)

 

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