子育て中のママの大きな悩みの一つとしてあがるのが、「子どもに対してイライラしてしまうこと」。家にいればおもちゃを散らかし放題、ごはんのときはこぼす、出かければじっとしていてくれないなど、子どものことはとてもかわいいと思うのに、子どもの行動についイライラしてしまう人も多いと思います。
こんなこと言いたいわけではないのに……
こんな言い方したくないのに……
そもそもそれほど怒ることでもないのに……
とイライラしてしまったことに自己嫌悪に陥り、さらにイライラしてしまうママは少なくありません。
子どもにイライラしてしまう理由
子どもにイライラしてしまう理由は大きく2つです。
自分に余裕がないとき、人はイライラしがちです。食事を作ったり、洗濯物を片付けたり、やらなければいけないことが山積みのときに、子どもが麦茶をこぼすなど用事を増やしたり、靴下を自分で履くと言い張るので自分でやらせたら予定の時間に遅れそうになってしまったりというようなことは日常茶飯事。
悪気があってやっているわけではないことは百も承知なのに、つい「何やっているの!」とイライラして怒鳴ってしまう……。もし、余裕があれば「大丈夫よ、今度は気を付けてね」と優しく諭せるはずですが、多くのママはたくさんのやることをいつも抱えています。イライラしてしまう元をすでに自分の中に持っているんです。
もう一つは、「こうでなければならない」と知らずに思い込んでいる場合です。
たとえば、2歳くらいの子どもが長時間じっとしていられない、野菜など好きでないものを食べないというのは普通です。
・2歳でも外ではじっとさせていなければならない
→本当にそうでしょうか? じっとさせることがそもそも難しいのではないでしょうか。
・野菜を健康のために食べさせなければならない
→全部食べなくても、口に入れただけでも今はいいのではないでしょうか。
このように自分の“こうあるべき”に対して疑問を投げかけてみれば、そうでない状況を許すことができ、イライラせずに済むことがあります。
イライラはママと子どもの成長の証
実は、イライラしていることを紐解いてみると、子どももママも成長していることがわかります。
麦茶をこぼすということはひとりで麦茶を飲めるようになったということ、靴下を履くのに時間がかかるということは、ひとりで靴下を履くことに挑戦してくれるようになったということ、生意気なことを言うようになったのは、自分で意思表示をできるようになったということ……。
ママのイライラしている事柄に注目してみると、子どもがしっかり成長してくれていることがわかります。これってうれしいことでもありますよね?
ママも子どもができる前は知らなかったイライラがあること、それに反省してなんとかしようと思っているからこそ悩んでいるわけですから、これもママの成長の証なんです。
そう思うと、子どもに対しても自分に対しても少し余裕を持てるようになるのではないでしょうか?
ダメと言わずに提案する
イライラしてしまう元をすでに自分の中に持っていることも、こうでなければならないと思い込んでしまうのもごくごく普通のこと。自分を責めることではありません。ただ、いつもイライラされている子どもはやっぱりかわいそうですよね。
そこで、イライラして子どもに当たってしまいそうになったら、一度、深呼吸をして、子どもに提案するように心がけてみてください。たとえば、麦茶をこぼしてしまった場合なら「なんでこぼすのよ!」と言う前に、「今度はこぼさないように、飲まないときは手がぶつからないところに置こうね」など。
まだ子どもが小さくてよくわからなくても、提案することで一度自分を冷静にすることができます。子どもも除々に「あ、ママがこの前も言っていたな」とわかってくれるようになります。以前に何度か言ったことがあることも「もう前にも言ったでしょう!」と怒らないように。子どもができるようになるまでは、まだまだ長い時間がかかると思って大きくかまえましょう。
イライラしてしまうのは、どんなママにでもあること。
自己嫌悪に陥って自分を責めてしまうと、さらに余裕がなくなってしまいます。またイライラしちゃった! 今度はイライラしないようにがんばるぞ! と前向きにとらえて、子どもには「イライラしちゃってごめんね」と優しく謝りましょう。