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親友「あなたの旦那、奪っちゃった♡」まさかの報告に私「…本当に大丈夫?」→直後、親友の顔から血の気が引いたワケ

「私たち、このまま再婚することにしたから、ご報告♡」

退院の日、実家へ向かう前に荷物を取りに寄った自宅の玄関先で、親友からそう告げられました。彼女の言う再婚相手とは、私の夫のことです。入院していたのは、たった数週間。その間に、私の家庭はすっかり別の人のものに変わっていました。骨折した足の痛みよりも、その言葉のほうが、ずっと深く刺さったのです。

督促状を見つけた夜

きっかけは、夫の引き出しでした。


ある夜、私は夫の机の引き出しから、見覚えのない封筒を何通も見つけました。消費者金融からの督促状に、銀行カードローンの利用明細、クレジットカードのリボ払いの通知。差出人は1つや2つではありませんでした。手に取った瞬間、指先が冷たくなっていくのがわかりました。


私たちは以前にも、一度だけ借金でもめたことがありました。あのとき夫は泣いて謝り、二度としないと約束したのです。私も一緒に返済し、家計を全部管理して、夫はお小遣い制にしました。同じことを二度と繰り返さないために。


その約束が、目の前で崩れていました。

 

帰宅した夫を問い詰めると、彼は最初「関係ないだろ」と言って、私の手元の書類を取り上げようとしました。

 

私がとっさに引き止めようとした瞬間、夫は封筒の束を抱えたまま玄関へ向かって走り出しました。その拍子に何通かが床に散らばり、追いかけようとした私の足が封筒を踏んでしまいました。次の瞬間、私はすべってその場に転び、鈍い痛みで立ち上がれなくなったのです。

 

夫は一度こちらを振り返りました。それでも、私に駆け寄ることはありませんでした。書類だけを抱え、玄関から出ていったのです。私に「大丈夫か」のひと言もかけずに。


立ち上がることもできなかった私は、震える手で自分のスマホを握り、救急車を呼びました。診断は、足首の骨折。骨がずれていて手術が必要だと言われ、そのまま入院することになったのです。入院に必要な書類も、痛みをこらえながら一人で書きました。病室の天井を見上げたとき、涙より先に、ただ呆然とした気持ちがやってきました。


ただ、督促状の写真だけは、奪われる前にスマホで撮っていました。社名も、金額も、そこに残っていたのです。

 

 

見舞いに来た親友の申し出

入院から数日。最初に病室へ駆けつけてくれたのは、夫ではなく、近所に住む親友でした。小学校からの付き合いです。私は「転んで骨折した」とだけ伝えました。


彼女は心配してくれた後、ふと思いついたように言いました。


「旦那さん、家事全然できない人だったよね? 一人でちゃんとご飯食べられるの?」


確かに夫はインスタント麺くらいしか作れません。私が愚痴っていたのを、彼女は覚えていました。そして、私が入院している間、夫の食事を用意してあげると申し出たのです。着替えも届ける、合鍵さえあれば出入りできる、と。


実家の母はすぐには来られず、夫も病院に来ようとしなかったため、着替えを頼める相手は彼女しかいませんでした。そういえば最近、彼女は仕事の話を避けるようになっていて、少し気にはなっていました。「仕事は大丈夫なの?」と聞こうか迷いましたが、こちらも入院中で身動きが取れず、結局、着替えを頼むことにしたのです。

 

彼女は以前から、夫のお金のことを妙に気にしていました。

 

「旦那さんって、けっこう稼いでるんでしょ?」
「その年齢でその会社なら、貯金もかなりあるんじゃない?」
「なのにお小遣い制って、ちょっとかわいそうかも」

 

冗談めかして言うことが何度かあったのです。

 

少し引っかかることはありましたが、夫の収入を尋ねられた程度で疑うのもおかしいと思い、そのときは聞き流していました。彼女が夫を心配してくれているのだと思い、深く考えなかったのです。

 

 

面会に来ない夫

一方の夫は、あれから一度も面会に来ませんでした。


電話でようやくつかまえて問い詰めると、「どうせ怒られるから行きたくない」と子どものようなことを言うのです。骨折して入院している妻に会いに来ない理由が、それでした。

 

私は病室のベッドの上で、できることをすることに。手元には督促状の写真があります。家計を管理していたため、夫名義の口座の引き落とし履歴や、共有していたカード明細も確認できました。

 

写真に残っていた社名、引き落とし履歴、カード明細。照らし合わせるほど、嫌な予感は確信に変わっていきました。

 

金額は、私が最初に想像していたよりずっと大きいものでした。しかも、使い道も見覚えがあるものばかり。

 

電話越しに夫を問い詰めると、彼は観念したように黙り込みました。前に借金が発覚したときと、同じ沈黙だったので、それだけで、私はだいたい察しました。あげく、夫は「お小遣い制がストレスだった」と、原因が私の家計管理にあるかのような言い分までしてきたのです。


私はその時点で、離婚を決めました。夫には「退院したら、離婚の話をします」とだけ伝え、面会は断りました。食欲は戻らず、病院食を半分残す日が続いたのです。

 

退院の日の玄関で

退院の日、私は実家へ向かう前に、必要な荷物を取りに自宅へ寄りました。しばらくは、実家で療養することにしていたからです。


その玄関先で、親友が待っていました。いつもより、どこか落ち着かない様子です。


「ごめんね、まず謝っておく。もうこの家に、あんたの居場所はないんだよね」


彼女は、夫ともう一緒に暮らしていると言いました。預けた合鍵で出入りするうちに、そうなったのだと。前から夫のことが気になっていたこと、私と夫が釣り合っていないとずっと思っていたことまで、笑いながら口にしました。


「お金の管理なんて、男の人を縛るだけでしょ。私ならもっと自由にさせてあげる」

「それに、あの人、ちゃんと稼いでるんでしょ? あんたが細かく管理しなくても、普通に暮らしていける人じゃない」

 

彼女は、まるで自分のほうが夫の価値を理解していると言いたげでした。

 

「本人も言ってたよ。給料は十分あるし、貯金だってあるのに、あんたが財布を握って何もさせてくれないって。男の人って、そういうの息が詰まると思う」

「これからは私が支えてあげるし、私だって、あの人がいればもう一度やり直せると思ってる」

 

そこで私は、ようやく腑に落ちました。

 

彼女は、夫を「自分を支えてくれる余裕のある男」だと思い込んでいたのです。


「というわけで、私たち、このまま再婚することにしたから、ご報告♡ あんたは早く離婚して、新しい幸せ見つけてね」


まだ離婚も成立していないのに、再婚という言葉を使うのか。私は内心で、すっと冷めていきました。

 

 

一瞬で崩れた「幸せ自慢」

私は、静かに聞き返しました。


「……本当に大丈夫?」
「え?」


「いや、こっちは元から離婚するつもりだったの。傷つく段階は、もう通り越したから。ただ、責任までなかったことにする気はないし……それより、借金がある男を引き受けてくれるなんて、すごいなと思って」


彼女の表情が止まりました。


「借金って……何の話?」
「全部で800万円。消費者金融、銀行カードローン、リボ払いを合わせてね。理由は競馬とパチンコ。しかも、これで二度目」


彼女の顔から、みるみる血の気が引いていきました。「そんな話、聞いてない」と繰り返す彼女に、私は続けました。

 

「聞いてないんじゃなくて、都合のいい話だけ信じたんでしょ。あの人、あなたには何て言ってたの?」

 

彼女は唇を震わせながら、途切れ途切れに答えました。

 

「貯金はあるって……。家計は全部あなたが握っていて、自分のお金なのに自由に使えないって。いずれはまとまったお金も動かせるから、私のことも支えられるって……」

 

私は思わず息を吐きました。

 

夫は、借金を隠していただけではありません。自分を「金はあるのに妻に縛られている男」に仕立て、彼女に近づいていたのです。そして彼女もまた、その言葉にすがる理由があったのでした。

 

私は彼女に真実を伝えました。夫には前にも借金があったこと、私が一緒に返して許したこと、それなのに二度目だったこと。お小遣い制は、繰り返させないための管理だったこと。


「この骨折ね。督促状を問い詰めたら、彼が書類を抱えて逃げようとして、私が追いかけた拍子に転んだの。彼、一度は振り返ったのに、私を置いたまま逃げたのよ」


「えっ……そんな人だったの?」


「でも、その人と再婚するんだよね。借金800万円、競馬癖、修羅場になったら逃げる人。全部込みで結婚してあげるなんて、やさしいね」


「ちょっと待って。私、やっぱり一度、考え直す!」


彼女は青ざめたまま、逃げるように帰っていきました。


数日後、彼女から連絡がありました。夫の借金は本当だったと、声を震わせています。

 

そして、彼女は泣きながら打ち明けました。

 

自分も、カフェ開業に失敗して300万円の借金を抱えていたこと。返済が苦しく、仕事の話を避けていたこと。夫から「俺には貯金がある」「妻と別れれば金は自由になる」「困っているなら助けられる」と聞かされ、本気で頼れる相手だと思ったこと。

 

「だからって、あなたを裏切っていい理由にはならないけど……私、あの人と一緒になれば、やり直せると思ってた」

 

私は、返す言葉がありませんでした。

 

借金を隠しながら、裕福な男を装った夫。借金を隠しながら、その経済力を当てにして近づいた親友。

 

合わせて1100万円を抱えた2人が、互いを「自分を救ってくれる相手」だと思い込んでいたのです。

 

 

 

弁護士を通して

夫は復縁を迫ってきました。彼女に借金があると知った途端、「やっぱりお前しかいない」と言ってきたのです。

 

「浮気はもう夫婦関係が終わってからだから、慰謝料は払わない」と言い張る夫と、私はそれ以上、言い争いませんでした。その通話も録音し、弁護士に相談しました。

 

撮っておいた督促状の写真、けがをした日の経緯を記録したメモ、診断書、夫と彼女が同居を認めたメッセージ、そして、夫が関係を認めた録音データ。離婚の手続きと、慰謝料や財産分与の請求は、すべて弁護士を通して進めることにしたのです。感情で言い負かすのではなく、事実だけを、必要な相手に渡せばいい。そう思えるようになっていました。

 

 

退院した今、私は実家の両親や職場の同僚に支えられながら、なんとか仕事と生活を回しています。あれだけ進まなかった食事も、今は普通にとれるようになりました。夜中に何度も目が覚めることも、なくなったのです。


睡眠と食欲が戻ったおかげか、リハビリも順調で、先日の診察では「順調ですね」と言われました。あの病室で天井を見上げていた頃が、ずいぶん遠く感じられます。


あの二人は、結婚こそやめたものの、同棲は続けているそうです。夫は一人では家賃を払えず、彼女は引っ越し費用も出せない。食材代を出せ、家賃は俺が負担している。そんな口論が絶えないと、人づてに聞きました。


あの夜、誰も来てくれない玄関で、私は一人で救急車を呼びました。今思えば、あれが自分の手で動かした最初の一歩だったのです。冷蔵庫を開けて、今日の夕飯を考える。そんな何気ない時間が、今の私には何よりありがたく感じられます。

 

◇ ◇ ◇

 

うそや見栄で築いた関係は、いつか必ずほころびが出るもの。自分の問題を誰かに解決してもらおうとすれば、かえって苦しみを大きくしてしまうのかもしれません。一方で、つらい事実に直面しても、自分を守るために行動することで、穏やかな日常を取り戻せるのかもしれません。苦しい関係から離れることは、自分の人生を立て直すための大切な一歩なのですね。

 

【取材時期:2026年4月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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