信じていた親友の裏切り…店を失った私は
順調に見えていたお店の経営。しかしある朝、いつものように店を開けようとすると、親友の姿がありません。連絡もつかず、嫌な予感がして金庫や帳簿を確認すると……なんと、お店の売上金と今後の仕入れ用の資金がすべて持ち出されていたのです。
結局、資金がショートした店は閉めるしかなくなり、私は一瞬にして無職に。人間不信に陥り、途方に暮れた私は逃げるように実家へと戻りました。
幼なじみに救われ…旅館の調理場で再出発
落ち込む毎日を見かねた家族の勧めで、幼なじみが女将を務める地元の旅館を訪ねることにしました。久しぶりに会った幼なじみに、これまでの事情をポツリポツリと打ち明けると、彼女は親身になって話を聞いてくれました。
そして、「もしよかったら、うちの旅館の調理場で働いてみない?」と声をかけてくれたのです。料理の道を諦めきれなかった私はその言葉に救われ、旅館で働かせてもらうことに。
数カ月後、私が旅館の新たな名物となる料理を考案することになりました。そこで、地元で採れた新鮮な食材をふんだんに使った華やかなひと皿を提案。その料理は宿泊客から評判となり、「料理がおいしい宿」としての口コミが広がっていったのです。
宴会場でまさかの再会…元親友の反応は!?
働き始めてから1年ほどが経ったある日のこと。地元の大きな企業から、大口の宴会予約が入りました。当日、会場に現れたある人物の顔を見て、私は思わず息を呑みました。なんと、私を裏切って資金を持ち逃げした、あの元親友だったのです。
彼は私がここで働いていることなど知る由もありません。得意げな顔で「ここの料理、すごく評判がいいんですよ〜!」と、取引先の社長らしき人物に自慢げに話していました。
宴会が始まり、私が腕によりをかけて作った料理が次々と運ばれていきます。それを口にした取引先の社長は、「これは素晴らしい!」と大絶賛。「これを作った料理人に、ぜひ直接挨拶がしたい」と言い出したのです。
女将に呼ばれ、私が宴会場に姿を現した瞬間……元親友は目を見開き、言葉を失っていました。社長は私を大層気に入り、「今後の接待や社員旅行でも、必ずこの旅館を利用させてもらうよ!」と上機嫌で宣言してくれました。
「また一緒に店をやらない?」元親友の末路
宴会の後、元親友が私のところにコソコソとすり寄ってきました。「やっぱり、お前の料理は最高だな! 前の店のことは悪かったと思ってる。あのときは、いろいろあってさ……また一緒に店をやらない?」と、まるで過去の裏切りなどなかったかのように、笑顔を向けてきたのです。
私は元親友を冷たく見据え、「信頼できない人とは、もう二度と一緒に仕事はできない」ときっぱり拒否。彼は顔を真っ赤にして逃げるように立ち去っていきました。
その後、聞いた話によると、元親友は雇ってもらっていた会社でも金銭トラブルを起こし、最終的には居場所を失って姿をくらませたそうです。
一方の私は、過去のトラウマを乗り越え、今も旅館の調理場で真面目に働いています。信頼できる幼なじみやスタッフたちに囲まれ、お客さまに喜ばれる料理を作る今の毎日は、とても充実して幸せです。
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信頼関係は、一度失われると取り戻すのが難しいもの。お店のお金を持ち逃げし、謝ることもなく去った元親友のことを簡単に許すことはできませんよね。仕事でも人間関係でも、信頼は日々の誠実な行動によって築かれるものだからこそ、その大切さを忘れずに過ごしていきたいですね。
【取材時期:2026年5月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。