在宅だからと頼られるように
義兄の妻・A子さんには、うちの娘と同い年の息子・B也くんがいます。義兄夫婦が近くに引っ越してきてからは、子ども同士を遊ばせる機会も増えていました。
そんなある日、A子さんから「急な用事ができたから、少しだけB也を預かってもらえる?」と連絡があったのです。困ったときはお互いさまだと思い、私は引き受けることにしました。しかし、その回数は徐々に増えていき……。
「急な仕事が入っちゃって~」
「在宅なんだから、時間あるでしょ?」
そんな連絡が頻繁にくるようになり、多いときには週に何度もB也くんを預かることがありました。
在宅とはいえ、私にも仕事があります。正直負担に感じることもありましたが、親戚同士だからと我慢していたのです。
さらにA子さんは、「お義母さんには言わないでね。預けていることを知られると、またいろいろ言われちゃうから」と口止めしてきました。私は深く考えず了承しましたが、それが誤解の始まりだったのかもしれません。
義母からの突然の電話
そんなある日、義母から突然電話がかかってきました。そして開口一番、義母は怒った口調でこう言ったのです。
「あなた、A子さんに子守を押し付けているんですって?」
私は意味がわからず、思わず聞き返しました。すると義母は、「A子さんから聞いたわよ。あなた、子どもを預けてばかりで、自分は仕事をしているんでしょう?」と続けました。
さらに、「育児を人任せにするなんて母親としてどうなの?」とまで言われてしまい……。私はあまりのことに言葉を失いました。
後から聞いたのですが、義母は何度か平日の昼間にA子さんへ連絡をしたことがあったそうです。ところが、そのたびにA子さんは「今ちょっと忙しくて……」と歯切れの悪い返事をしていたのだとか。
義母が理由を尋ねると、「○○さん(私)が仕事で忙しくて娘ちゃんを預かっていて……」「娘ちゃんがグズッちゃって、手が離せないんです」などと説明し、「本人には言わないでくださいね」と口止めまでしていたそうです。
義母はそれを信じ込み、「私が義姉に子守を押し付けている」と思い込んでいたのでした。しかし私は、一度もA子さんに子どもを預けたことなどなかったのです。
話を照らし合わせていくと…
誤解を解くため、後日、私は義母と義兄に会う機会をつくりました。
「私、お義姉さんに子どもを預けたことは一度もありません。むしろ預かっていたのは私のほうなんです」
突然の話に、義母も義兄も驚いた表情を浮かべました。そして、私はこれまでB也くんを預かってきた経緯を説明しました。
すると今度は義兄が困惑した様子で、「え?そもそもA子は引っ越しを機にパートを辞めたけど?」と言ったのです。
話を聞くと、義兄はA子さんから毎日のように、「預ける先もないし、毎日B也と二人きりで大変」「あなたは仕事で外に出られていいよね。私は息抜きする時間もないのに」と聞かされていたそうです。そもそも、義兄は私に子どもを預けていること自体まったく知らなかったのです。
こうして話を照らし合わせていくうちに、A子さんが家族それぞれに違う説明をしていたことがわかりました。そして、誤解に気づいた義母は、私に頭を下げました。
「本当にごめんなさい。A子さんの話を信じ込んでしまっていたわ」
A子さんがここまで嘘を重ねていたことに驚きましたが、ようやく誤解が解けたことには胸をなで下ろしました。
さらに驚きの事実が…!
誤解が解けたあと、義兄はA子さんの日ごろの行動に疑問を抱くようになったそうです。そんな中、近所の人から「最近、奥さんはよくお出かけしているのね」と言われたのだとか。
義兄が不思議に思って話を聞くと、「B也くんは見かけないし、いつも一人だったわよ」とのことでした。
不審に思った義兄がカードの利用履歴などを確認したところ、自宅から離れた飲食店を頻繁に利用していたことが判明。さらに調べるうちに、特定の男性との関係も明らかになったそうです。
その後、A子さんは浮気を認め、現在は離婚に向けて話し合いが進められていると聞いています。
今回の出来事で、私は「思い込みだけで人を判断してはいけない」ということを改めて感じました。家族だからこそ、誰か一人の話だけを信じるのではなく、きちんと相手の話にも耳を傾けることが大切なのだと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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