「あなたとの結婚は認めない」と言われてしまったのです。落ち込む私に、彼は「母さんの許可なんていらない。ふたりで幸せになって見返してやろう」と励ましてくれました。
私は彼の前向きな言葉を信じ、幸せな家庭を築こうと心に決め、私たちは結婚しました。
妊娠と夫の変化
それから1年後、私は双子の女の子を妊娠していました。出産に向けて仕事を退職し、準備を進めていましたが、ある悩みを抱えていました。それは夫のこと。
夫の帰宅時間が急に遅くなり、休日も理由をつけてひとりで外出することが増えたのです。身重の体では問い詰める気力もなく、私は不安な日々を過ごしていました。
その後、無事に双子を出産したものの、夫の態度はさらに冷たくなりました。育児にまったく関与しないばかりか、「実家で親の仕事を手伝っている」と言い訳をして、家にほとんど帰ってこなくなったのです。
私は頼れる人もおらず、ひとりで双子の育児と家事に追われ、心身ともに限界を迎えていました。
結婚を猛反対した義母の真意
ある日の夜11時ごろ、泣きやまない娘たちを抱えて途方に暮れていたとき、突然インターホンが鳴りました。モニターに映っていたのは、まさかの義母でした。
驚いてドアを開けると、義母は「嫁いびりに来たわよ♡」と笑顔。困惑する私をよそに、強引に家の中に上がり込んできました。しかし、義母の行動は言葉とは真逆だったのです。
泣き叫ぶ双子を手際よくあやし、散らかった部屋を片付け始め……。
さらに、私にハーブティーとケーキが入った紙袋を差し出し、「あなたは隣の部屋で寝ていなさい。私がいいと言うまで出てくるんじゃないわよ」と言って、私を寝室へ押し込み、ドアを閉めました。
何が起こっているのか理解が追いつかず、混乱していたものの、私は疲れもあってか気がつくといつの間にか眠ってしまっていました。3時間ほどして目が覚め、恐る恐る寝室から出てみると、部屋はすっかりきれいになっており、娘たちもスヤスヤ眠っていました。
そして義母が、洗濯物を畳みながら「あら、もう起きたの? 少しは休めた?」と、やわらかい表情で声をかけてくれました。久しぶりに体を休めることができた私は、義母の不器用なやさしさに触れ、その場で泣き崩れてしまいました。
すると義母は、切なそうな表情をして私に寄り添って、結婚を反対していた理由を話してくれたのです。
「私があなたたちの結婚に反対したのは、あなたが嫌いだったからじゃないの。息子の身勝手で女癖の悪い性格を知っていたから、あなたが苦労すると思ったのよ」
数週間前、義母は夫への電話をきっかけに女性関係を疑い、探偵へ調査を依頼していました。そしてこの日の夜、夫が不倫相手の家に何度も泊まっていたという報告を受けたのです。義母は私へ電話をかけましたが、育児中の私は気づかず、心配になった義母が直接わが家を訪ねてきたのでした。
義母と協力して夫を成敗
義母は、「あの子(夫)の母親として責任を取るわ」と私の味方になると言ってくれました。夫の裏切りには、私も薄々気づいてはいました。しかし、育児に追われ余裕がなかった私は、考えないようにして、事実と向き合うことから逃げていました。
そんなタイミングでの義母のやさしさは、本当に心強く、ありがたかったです。私はその場で、夫との関係を終わらせる決意をしました。義母にはそのまま、わが家に泊まってもらい、いつ帰ってくるかわからない夫の帰りを待つことになりました。
数日後、夫が久しぶりに帰宅。義母の姿を見て動揺する夫に、私は「遅かったね、おかえり。どこに行ってたの?」と声をかけました。すると義母がわざと「◯◯さん、息子は仕事で疲れているのよ。あなたのサポートが足りてないんじゃないの? 家庭に不満があるんだもの。男が外で息抜きするのも仕方ないわね」と夫をかばうようなことを言いました。
義母が味方だと勘違いした夫は、「母さんの言うとおりだ! お前が家事も育児も完璧にしないから、俺は外の女に癒やしを求めただけだ! 家に帰りたくなくなるのも当然だろ!」と不倫相手と会っていたことを自ら口にしたのです。その瞬間、私はボイスレコーダーの録音を止め、「離婚してください」とひと言。
義母は激怒しながら、夫に探偵の調査報告書を突きつけ、「離婚しなさい。慰謝料や養育費についても、逃げずに誠実に話し合いなさい」と厳しく告げました。夫は青ざめ、義母に泣きつきましたが、「自業自得よ。私は一切の援助もしないわ」と冷たく突き放されました。
私は翌朝、双子を連れて義母と一緒に家を出ました。その後、弁護士を通じて話し合いを進め、慰謝料や養育費、子どもたちのことについても取り決めたうえで、離婚が成立しました。現在は、私を実の娘のように支えてくれる義母のサポートを受けながら、前を向いて双子の育児に励んでいます。
◇ ◇ ◇
結婚生活の中で、予期せぬ裏切りに直面することは誰にでも起こりうることかもしれません。しかし、周囲のサポートを得ながら現状を打開し、自分の人生を取り戻す強さを持つことが大切です。ひとりで問題を抱え込まずに信頼できる人に相談し、子どもたちと自分の未来を守るための最善の選択をしたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。