こんにちは。保育士の中田馨です。12月に入って冷え込む日が増えてきました。わが家も先日から、朝起きたときはエアコンをつけて部屋を温めています。普段、何気なく使っている暖房器具ですが、赤ちゃん目線に立ったときに「私は適温だけど、じっとしている赤ちゃんにとっては寒い?」などと気になることもあります。
今回は、赤ちゃんが過ごす部屋で暖房をつけるときの使い方や、暖房器具の注意点をお話しします。
赤ちゃんにとって心地良い温度設定
赤ちゃんは月齢が低いほど体温調節が未発達で、外気温によってすぐに体温が上がったり下がったりします。例えば、上着を羽織って外出から帰ってくると、熱がこもって体が温かくなり一時的に体温が上がります。上着や靴下を脱がせてしばらくすると、体温は平熱に戻ります。
室内の温度にももちろん配慮が必要です。とはいえ、基本的にはママが過ごしやすい温度で大丈夫。赤ちゃんにとっての心地良い部屋の温度は、冬の場合20~23度、湿度は50~60%が理想です。
こんなときは暑がっている? 寒がっている?
「理想の温度は冬の場合20~23度」と話しましたが、赤ちゃんによっては寒がりの子もいれば、暑がりの子もいます。時々赤ちゃんの体や様子を見て、汗ばんでいたら暑い、体が冷たかったら寒いと判断します。
そして、暑い場合は暖房温度を下げて、寒い場合は上げて調節します。また、赤ちゃんが着ている衣服が厚くないか、薄くないかなども赤ちゃんの様子を見ながら調節をしましょう。
赤ちゃんが寝ているときの温度調節
赤ちゃんが寝ているときの温度調節は、夏も冬も難しいと感じます。起きている大人が少し寒いと感じても、赤ちゃんは額に汗をかいているということもあります。寝ているときは体に布団を掛けるので、大人が思っている以上に赤ちゃんは暑く感じていることがあるのです。
ここで、わが子の失敗談を1つ。
寝ているときに布団からはみ出る息子が、風邪を引かないか心配だった新米ママの私は、毛布の生地のスリーパーを着せて寝かせていました。夜中、息子の授乳で起きると、息子は汗でビチョビチョ。風邪を心配して着せたスリーパーで、逆に風邪を引かせるところでした。
赤ちゃんは自分で脱ぎ着ができませんので、寝るときに着こみすぎるのはよくありません。着こんだときは暖房の温度を下げ、掛ける布団を薄めにするなどします。一晩中、暖房をつけていてもいいですが、乾燥が気になる場合は、寝入りばなと起きたときだけ暖房をONにするタイマー設定をしてもいいですね。
ストーブやこたつの危険防止対策
暖房器具を使うときに大切にしたいことは、「安全に使うこと」です。特に赤ちゃんが寝返り、ハイハイなどで動き始める時期には注意が必要です。エアコンの場合は、壁の高い位置にあるため、赤ちゃんが直接触ることはできませんが、エアコンの風が赤ちゃんに直接かからないようにします。
また、ガスストーブや石油ストーブなどの場合は触ると熱く火傷する危険もあるので、赤ちゃんが触らないようにベビーゲートなどで囲いを作ります。こたつの場合は、こたつの中に赤ちゃんが潜り込まないようにします。使っていないときは、電源を切る習慣をつけましょう。
暖房器具は、冬の生活の必需品です。大人の快適さだけでなく、赤ちゃんの目線になって使用しましょう。
イラスト/imasaku