家族の平穏を脅かす「フレンドリーすぎる」ママ友の影
家族で動物園に行った日のこと。偶然、ママ友に会いました。夫と私があいさつをすると、ママ友は「旦那さん、ステキですね!」と、少し前のめりな様子で夫に話しかけてきました。
ママ友の家族は見当たらず、ひとりだったので不思議に思って聞いてみると、「子どもとパパはトイレ行ってるの〜」とのこと。そして、「せっかくだから、私が家族写真を撮ってあげるよ!」と申し出てくれました。
せっかくの申し出なのでお願いしようと私がスマホを渡そうとしたところ、なぜか「私のスマホで撮って、後で送ってあげる!」と強く主張されたのです。私は少し違和感を覚えつつも、特に深く考えずママ友に写真を撮ってもらいました。
しかし、この日を境に、ママ友の様子が明らかにおかしくなっていったのです。
異常な執着と、SNSで見つけた「信じられない光景」
その日以来、ママ友から頻繁に電話がかかってくるようになりました。話題はほとんどが夫のこと。ママ友の発言は「素敵な旦那さんで羨ましい」から始まり、「夫の仕事の都合を聞いてほしい」といった信じがたい内容にエスカレートしていき、私は言葉を失いました。
最初は軽くあしらっていたのですが、あまりにもしつこくなってきたため、「これ以上、夫のことで連絡してこないでください」と、これまでになく強く伝えた私でした。少し言い過ぎたかな……とも思いましたが、その後、ママ友からの連絡はぴたりと止まり、ようやく平穏な日常が戻ったとホッとしていたのです。
しかし、悪夢はそこからでした。ある日、娘が私のスマホで遊んでいると、SNSの『知り合いかも?』欄に表示されたママ友のアカウントを偶然タップしたのか、突然「ママ、この写真なに!?」と驚いたような声をあげたのです。
慌ててスマホを確認すると、画面に写っていたのはママ友のSNSアカウント。そして、娘と夫と、なぜかママ友の3人の写真が。「イケメンのダーリンと♡」と投稿されていて、コメント欄には「愛されすぎて困っちゃう♡」と書いてあったのです。
その写真をよく見ると、合成写真だとわかりました。夫と娘の姿はそのままに、私の顔だけママ友の顔にすり替えられていたのです。
「この写真、動物園で撮ってもらった写真かも…」
あの日ママ友が「私のスマホで撮る」と言い張って撮影した、動物園での家族写真でした。娘や夫のプライバシーを侵害し、勝手にSNSに投稿するなんて……怒りが込み上げてきた私は、翌日、毅然とした態度でママ友の家へ向かうことにしました。
突然の訪問と、ママ友の夫が語った「驚愕の真実」
ママ友の家を訪ねると、「旦那さんと一緒じゃないのね」と不機嫌そうに私を出迎えてくれました。勝手に家族の写真をSNSに載せたことを咎めるつもりでしたが、奥にママ友の夫の姿が見えたのです。
私は冷静に、ママ友の夫にも聞こえる声で「あなたのSNSに、私と家族の写真を合成して投稿している件で話があります」と告げました。
「え、なんのこと!?」
困惑するママ友に、私が合成写真を突きつけながら詰め寄っていると、騒ぎに驚いたママ友の旦那さんがやってきました。私が事情を説明し、写真を見せると、旦那さんは驚くどころか、深く溜息をついて私に頭を下げました。
「すみません……。実は最近、スマホばかり見て怪しい行動が続いていたので、彼女を疑っていたんです」
そして旦那さんは、険しい顔で衝撃の事実を明かしました。なんと、不審に思った旦那さんが興信所に依頼して調べていたところ、ママ友が私の夫を尾行し、執拗に隠し撮りを繰り返していた事実が判明したというのです。
家の中に通してもらい見せられた調査報告書には、私の家の前や夫の会社の前をうろつく写真が大量に載っていました。また私が見たママ友のアカウントは、家族や近所の知人とはつながっていない匿名の“裏アカウント”だったようです。そこではママ友が、私の夫を自分の夫であるかのように装い、偽りの幸せな家庭生活を発信していました。
ママ友は泣きながら、「夫婦仲が良くて、素敵な夫に愛されている女性だと思われたかったの。いいねや、うらやましいというコメントがつくのがうれしくて……」と言い訳を始めました。
承認欲求の暴走が招いた結末と、取り戻した平穏
すると旦那さんが「承認欲求のために人様を巻き込むな! 尾行や盗撮までしていたなんて……。そんな人間に親の資格はない。離婚する!」と激昂しました。
私はママ友に、問題の投稿と大量の隠し撮り写真をその場で完全に消去させました。その後、弁護士を介して肖像権侵害に対する慰謝料を請求し、適正な額を受け取ることができました。
その後、ママ友夫婦は離婚。娘さんの親権は旦那さんが持つことになり、今は2人で穏やかに暮らしているようです。
一方、ママ友は実家に戻り、離婚に伴う慰謝料や養育費の支払いのために仕事を始めたと聞きました。
私たちは、夫をつきまとっていた迷惑行為に関しても、これ以上被害が出ないよう弁護士を通じて「二度と近づかない」旨の念書を提出させました。
平穏な生活を取り戻した今は、家族3人で幸せに暮らしています。今回の件で、SNSは便利ですが、プライバシーを守るための距離感や注意が不可欠だと痛感しました。
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承認欲求を満たすために他人を巻き込み、本人の許可なく写真を加工・公開する行為は、肖像権やプライバシー権の侵害として、法的責任を問われる可能性があります。また、好意を寄せる相手への尾行や見張りなどを繰り返せば、状況によってはストーカー規制法に触れるおそれもあります。
SNSでどれほど注目を集めたくても、他人の写真や生活を自分を飾るための材料にしてよいはずはありません。投稿する前に、写っている本人や家族の同意を得ることを忘れないようにしたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。