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「中卒で入れるわけないだろ」内定者懇親会で侮辱された私。採用担当者のひと言に救われたワケ

私は28歳で、中学卒業後から長く勤めてきた会社を退職し、初めて転職することになりました。これまでの実務経験を評価してもらい、新しい会社から内定をいただいたときは、心からうれしく思いました。その日は、内定者懇親会に参加するため、指定された会場へ向かっていたのですが……。

 

中学時代の同級生と再会

会場へ向かう途中、突然「あれ? 久しぶりだな!」と声をかけられました。見ると、そこにいたのは中学時代の同級生・A田でした。最初はすぐに思い出せなかったのですが、彼が続けた言葉で、一気に記憶がよみがえりました。

 

「中卒のお前が、こんなところで何してるんだよ」

 

A田は中学時代から、周囲を見下すような発言が多い人でした。家庭の事情で高校へ進学しないことを決めた私に対しても、「かわいそう」「将来大変そう」などと、何度も心ない言葉を向けてきたことがあります。久しぶりに再会しても、その態度は変わっていないようでした。

 

「俺は今、大手企業で働いてるんだよ。今日は内定者懇親会の手伝いでさ」

 

そう言って笑うA田の勤務先を聞き、私は思わず言葉を失いました。それは、私が内定をもらった会社で、まさに今から内定者懇親会へ向かうところだったからです。

 

一瞬、不安が胸をよぎりました。できればこれ以上A田とは関わりたくないと思い、「そうなんだ」と適当にその場を切り上げ、少し遠回りしたルートで会場へ向かいました。

 

懇親会で浴びせられた言葉

会場に到着すると、そこは穏やかな雰囲気で、ほかの内定者たちも緊張しながらあいさつを交わしていました。ところが、しばらくして再びA田に見つかってしまいます。

 

「なんでお前がここにいるんだよ。中卒でこの会社に入れるわけないだろ」

 

周囲に聞こえる声でそう言われ、場の空気が一瞬で凍りました。私は「内定者として参加しています」と伝えましたが、A田は「何かの間違いだろ。場違いなんだよ」と言い、信じようとしません。

 

さらにA田は、手にしていた紙コップを乱暴にテーブルへ置きました。その拍子に中の水がはね、私の服にかかってしまったのです。わざとだったのか、勢い余っただけなのかはわかりません。ただ、その前後の言葉を含めても、先輩社員が内定者に向ける態度ではありませんでした。

 

するとその場に同席していた採用担当のB子さんが、慌てて止めに入りました。そしてA田に向かって、静かにこう言ったのです。

 

「彼女は、これまでの実務経験を評価して内定を出した方です。学歴だけでは見えない努力もあるのよ」

 

A田はその言葉に驚き、何も言い返せない様子でした。

 

その後私はB子さんに控室へ案内されました。濡れてしまったジャケットを脱ぎ、会場へ戻ると、そのときにはもうA田の姿はありませんでした。周囲は私を気づかってくれ「大丈夫ですか? 大変でしたね」といった言葉をかけてくれましたが、私はどこか暗い気持ちのままでした。

 

 

会社から正式に謝罪を受け

後日、B子さんから連絡があり、今回の件について会社として正式に謝罪したいと伝えられました。

 

懇親会の場にいた社員や内定者への聞き取りをおこなったところ、A田の発言を聞いていた人がB子さんのほかにも複数いたそうです。会社側が特に問題視したのは、服に水がかかったことだけではなく、その前後の発言でした。学歴を理由に私を見下し、内定者である私に「場違いだ」と言ったことは、周囲にいた人たちにも聞こえていたようです。

 

後日、人事部の責任者とB子さんから、改めて謝罪を受けました。

 

「本来であれば、内定者の皆さんに安心して参加していただく場でした。それなのに、弊社の社員が不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」

 

その言葉を聞いたとき、私は少しだけ肩の力が抜けました。

 

また、A田本人からも謝罪の申し出があったそうです。ただ、私はその時点で直接会う気持ちにはなれず、会社を通じて謝罪の言葉だけ受け取ることにしました。

 

A田は当初、「昔の知り合いだったから、軽い冗談のつもりだった」と説明していたそうです。しかし、学歴を理由に相手を見下す発言や、内定者に「場違いだ」と言うような言動は、冗談では済まされません。会社側も、その点を重く受け止めているようでした。

 

「中卒だから」と決めつけられた結果

その後、会社から改めて入社への意思確認がありました。正直、入社するかどうかはかなり迷いました。けれど、今回の件に対して会社がすぐに聞き取りをおこない、曖昧に流さず対応してくれたことは、私にとって大きな判断材料になりました。

 

私は入社を決めました。会社側の配慮もあり、少なくとも私が入社した後にA田と直接関わる機会はありませんでした。私は新しい職場で少しずつ仕事を覚えながら、前職で身につけた現場経験を生かせる場面も増えていきました。

 

もちろん、学歴が意味のないものだとは思いません。努力して進学し、学んできた人を否定するつもりもありません。ただ、学歴だけで人の価値を決めつけることは、誰かのこれまでの努力や経験を見落とすことにつながります。

 

私はあの日、悔しい思いをしました。けれど、会社が起きたことを曖昧にせず、きちんと確認して対応してくれたことで、入社への不安も少しずつ薄れていきました。これからも私は、自分の経験や努力を大切にしながら、新しい場所で一歩ずつ前に進んでいきたいです。

 

--------------

主人公がこれまで積み重ねてきた経験は、きちんと会社に評価されていました。学歴だけでは見えない努力や実績があります。相手を見下す言葉は、結果的にその人自身の信頼を損なうものなのだと感じさせられるエピソードでした。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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