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出産の痛みを知らない私は母親失格…?帝王切開後のメンタルケア

助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、帝王切開後のメンタルケアについてお話しています。帝王切開で出産したママの気持ちや帝王切開も立派な出産であることなどを解説!

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師榎本美紀
国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー

2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。
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帝王切開だったことに自己嫌悪に陥るママのイメージ

 

最近では、帝王切開率が年々上昇しています。帝王切開で出産したママの中には、自分の力で産めなかったと子どもに申し訳ないと自己嫌悪に陥って苦しんでいる人もいます。今回はそんなママたちへのメッセージです。

 

帝王切開率は上昇している

厚生労働省から報告されている、全国の帝王切開率は全体の分娩の18.5%となっています(2014年)。現在は、もっと増加していることが予測されます。
 

帝王切開での出産は、逆子などの赤ちゃんの向き、多胎児(双子・三つ子)、胎盤の位置異常など様々な原因があります。事前にわかっている計画的帝王切開については、気持ちの準備期間があります。しかし、経膣分娩の予定で分娩が進行していたものの、赤ちゃんの生命の危機やママの体調の変化などによって、緊急に帝王切開になることがあります。その場合は、気持ちの準備や整理がつかないまま手術になることがあり、その後も精神的なダメージを受けてしまうこともあります。

 

帝王切開で出産したママの想い

帝王切開で出産したママは以下のような気持ちをもつことがあるという報告があります。

 

*陣痛を耐えてこそ母親になるという考え方が根強く、自然分娩できなかった喪失感や母親としての失敗感
*産んだというより、おなかから取り出されたという感覚
*ちゃんと産んであげられなかったという我が子への罪悪感
*術後の痛みで思うように動けず赤ちゃんのお世話ができないことによる、赤ちゃんへの罪悪感
*帝王切開で出産すると赤ちゃんへの愛着がわきにくいのではないかという不安

 

帝王切開も立派な出産です

赤ちゃんが元気に生まれるために、ママの生命を守るために帝王切開を選択されることがあります。出産方法は、赤ちゃんとママの安全が最優先されます。
 

帝王切開は、近年安全性が高い手術になってきていますが、健康な体にメスを入れることは、母体にとってもリスクはあります。どの出産方法も命がけで、たくさんの不安や恐怖などを乗り越えてママになります。赤ちゃんへの愛情に変わりはありません。
 


助産師として手術に立ち会っていますが、赤ちゃんと対面するママは安心して涙されたり、素敵な笑顔を見せてくれたりします。どの出産方法でも、ママの笑顔は同じです。無事に出産することができたことを、誇りに思いながら自信をもって育児をしていって欲しいと思います。

 


引用参考文献
日本看護科学会誌 2014 年 34 巻 1 号 p. 94-102
「帝王切開で出産した女性の妊娠中から産後1か月までの心理的プロセス―覚悟と納得―」
谷口 綾, 大久保 功子, 齋藤 真希, 廣山 奈津子, 小田柿 ふみ, 三隅 順

 

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