離婚したのに家に居座る元夫
何度も話し合いを重ねた結果、夫も不倫を認め、ほどなくして離婚が成立しました。しかし、問題になったのは元夫の住まいでした。
このマンションは、私が独身時代に購入したものです。もちろん、名義は私単独で、ローンも独身時代に完済しています。そのため、弁護士からは、私の特有財産にあたり、財産分与の対象にはなりにくいと説明されていました。
しかし離婚成立後、元夫が「新居が見つかるまでの1カ月だけ住ませてほしい」と懇願してきたのです。不倫相手とは今回のことでぎくしゃくし、相手の家にも行きづらくなってしまったようです。元夫の実家は遠方にあり、仕事の都合上すぐに引っ越すことも難しいというので、私は仕方なく「1カ月だけ」という条件で承諾しました。
ところが、約束の期限が近づいても、元夫は一向に出ていく気配がありません。毎日平然と「ただいま」と帰宅し、リビングでくつろぐ元夫。私が早く出ていくよう促すと、「夫婦で住んでいた家なんだから、俺にも居続ける権利があるはずだ」と主張し始めました。それどころか、「不倫相手とは別れたから、もう一度やり直そう」と、身勝手な再構築まで提案してくる始末です。
私としては、不倫をした元夫とやり直す気など一切ありません。このままでは元夫に居座られ続けるリスクがある……。
ようやく手にした念願のマンションでしたが、元夫との思い出ともきれいさっぱりお別れすることを決心。マンションを手放す覚悟を決め、今後の対策を立てるため、大学時代の先輩で不動産会社に勤務している男性に相談し、マンションの売却についてアドバイスをもらうことにしたのです。
自宅での話し合いと元夫の衝撃的な本音
ある週末、先輩を自宅に招き、マンションの査定と今後の手続きについて相談することに。ちょうどお昼どきだったこともあり、ひと通りの相談を終えた私は、「一緒にお昼を食べよう」と先輩に提案し、2人で食事の準備をしていました。すると、休日出勤だと言っていた元夫が予想より早く帰宅してきたのです。
見知らぬ、それもイケメンな男性がリビングにいるのを見た元夫は、「まさかお前、男を連れ込んでいたのか!」と激怒し始めました。先輩は冷静に名刺を差し出し、「不動産会社の者です。大学時代の友人でもある◯◯さん(私)からマンション売却のご相談を受けて、お伺いしました」と説明してくれました。
しかし、元夫は「ここは俺の家でもある! 勝手に売るな!」と引き下がりません。私が「やり直したいと言うけど、本当に私への気持ちがあるの?」と問い詰めると、元夫は信じられない言葉を口にしました。
「お前のことなんかもう好きじゃない。俺が手放したくないのはこのマンションだ!」
さらに激昂した元夫は、イケメンの先輩と私が楽しそうに話していたのを見て逆上したのでしょう。「俺はモテるんだ。お前がいない間にほかの女を何人もここに連れ込んだこともある。お前を追い出して、ここは俺の好きにさせてもらう!」と、得意げに自らの複数の不倫まで暴露してきたのです。
元夫の嘘が暴かれた自業自得の末路
元夫の口から出た最低な本音。しかし、私は冷静でした。実はこの日、元夫が帰宅する直前、元夫の不倫相手から「彼と連絡が取れない」と私のスマホに電話がかかってきていました。そのタイミングで元夫が帰宅したため、「元夫が帰宅したので、このままつないでおきます」と伝え、私はそのままスピーカーホンにしてテーブルの上に置いていたのです。
不倫相手とは一時ぎくしゃくしていたようですが、完全に別れたわけではなく、裏では連絡を取り続けていたようでした。元夫が「不倫相手とは別れた」と言ったのは、マンションに居座るための嘘だったのです。元夫の暴言と「ほかの女も連れ込んでいた」という発言は、私のスマホを通じて不倫相手の耳にしっかりと届いていました。
電話越しに不倫相手の激怒する声が響き渡り、元夫は一気に青ざめて膝から崩れ落ちました。そんな元夫に私は「何人も不倫してたって言った? 何人なの? 洗いざらい説明して!」と迫りました。私からの追及に元夫はだんまりを決め込みましたが、まだ電話がつながっていた不倫相手が叫びました。
「あの、◯◯さん(私の名前)! 私、証拠あります! 彼は私と不倫しているときもほかの女性と関係を持っていました! 私だけって言いながら遊んでいたのが許せなくて調べてたんです!」
なんと私は、思わぬ形で過去の不倫の証拠を手に入れられることに。そして最後に彼女は「私もきちんと慰謝料をお支払いします。本当にすみませんでした」と言って電話を切りました。私が「ほかの不倫の慰謝料もきっちり請求するから」と告げると、言い逃れができなくなった元夫は、そのまま荷物をまとめて家を出ていきました。
その後、私は彼女と連絡を取り、後日改めて弁護士に相談し、元夫へ慰謝料を請求。そして彼女は宣言通り、きちんと私への慰謝料を支払いました。その彼女にも見限られた元夫は、今は会社の近くに古いアパートを借りて、ひとり寂しく暮らしていると共通の知人から聞きました。私はマンションの売却を終え、新居へ移りました。ようやく心穏やかな日々を取り戻すことができました。
◇ ◇ ◇
信頼していたパートナーに裏切られたうえ、離婚が決まっても家に居座られるストレスは計り知れません。再構築を口にしながら、本心では自分の保身や見栄だけを優先していた夫の態度は、あまりにも身勝手ですね。もしパートナーの裏切りに気づいたら、相手の言葉に流されず、専門家などの第三者に頼りながら冷静に問題解決に向けて動きたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。