息子夫婦と迎えた初めての帰省
息子が結婚してから、初めて実家へ帰省したときのことです。私は、お嫁さんに無理をさせたくないと思い、「座ってゆっくりしていてね」と声をかけました。そして一人で台所に立ち、料理の準備や食事の片付けをしていました。
息子とお嫁さんはリビングで楽しそうにテレビを見て過ごしており、私はその様子をほほえましく感じていました。せっかくの連休なのだから、気兼ねなく過ごしてもらえればそれでよいと思っていたのです。
夕食後に差し出された一通の手紙
ところが、夕食が終わってひと息ついたころ、お嫁さんが私のもとへやってきました。そして、何も言わずに一通の手紙を差し出したのです。何だろうと思いながら中身を確認すると、そこには思いがけない内容が記されていました。
今回の帰省にかかった移動時間や、滞在中に親戚の相手をした時間を「労働」と見なし、その分の「時給」を息子に請求するという計算書だったのです。
あまりに予想外の内容に、私はすぐには言葉が出ませんでした。家族の集まりが、突然、ビジネスのやりとりのように感じられ、戸惑いが大きくなっていきました。
笑顔で告げられた言葉に絶句して
さらにお嫁さんは、私に向かって「お義母さんの家事は無償で素晴らしいですが、私の時間は有限なので、合理的に解決することにしました」と笑顔で言いました。
その言葉を聞いた瞬間、私と夫は言葉を失ってしまいました。お嫁さんに悪気があったのかどうかはわかりません。ただ、私たちが家族の時間だと思っていたものを、お嫁さんはまったく別の形で受け止めていたのだと感じました。
息子が慌てて間に入りましたが、その場の空気はすっかり変わってしまいました。せっかくのお正月の集まりが、どこかぎこちないものになり、私は価値観の違いの大きさを思い知らされました。
まとめ
今回の出来事を通して、家族というつながりの中でも、それぞれが大切にしているものは違うのだと痛感しました。私にとっては気づかいのつもりだったことも、相手にとっては負担や損失のように感じられることがあるのかもしれません。これからは、家族だからといって踏み込み過ぎず、適度な距離感を保つことも、お互いに穏やかに過ごすためには必要なのだと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:高橋美津子/60代女性・主婦
イラスト:おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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