義弟の転勤をきっかけに、義弟一家が私たちの近所へ引っ越してきました。
義弟夫婦には小学6年生と小学3年生の息子、そして生まれたばかりの赤ちゃんがいます。ところが甥たちはかなりやんちゃなのに、義妹はほとんど注意をしないのです……。
育児を押しつける義妹と自由奔放な甥たち
ある日、街で偶然会い、一緒にスーパーへ行くことになった私と義妹。しかし、その店内で甥たちは走り回り始めました。
それでも義妹は注意するどころか、「男の子は元気が一番! 私は買い物してくるから、あとはよろしくね」と言い残し、そのまま私に子どもたちを任せて行ってしまったのです。
私は娘を連れながら甥たちを探し回ることになり、自分の買い物どころではありませんでした。
それ以来、できるだけ関わらないようにしていましたが、なぜか外出すると高い確率で遭遇してしまい、そのたびに子どもたちの面倒を見る流れに……。
楽しみにしていた家族旅行当日
そんなある日、夫が久しぶりにまとまった休みを取れることに。普段忙しい夫と過ごせる貴重な時間だったので、家族3人だけで旅行へ行こうと計画を立てました。
そして迎えた旅行当日――。
出発しようと玄関を開けた瞬間、旅行バッグを持ち、赤ちゃんを抱っこした義妹と甥たちが立っていたのです。
「今日はよろしくね! ちょうど今週末は旦那が出張でいないから、退屈だし一緒に行こうと思って~」
「子どもがいるとなかなか旅行なんて行けないから助かる!」
「お義兄さんもいるし安心だね。みんなで子どもたちを見れば大丈夫でしょ?」
あまりにも突然のことで、私は言葉を失ったまま、玄関に立ち尽くしてしまいました。家族だけで過ごす時間を楽しみにしていたのに……その気持ちは一瞬で踏みにじられてしまったのです。
義妹が家族旅行を知った理由
夫は何度も「家族だけの旅行だから」と伝え、帰ってもらおうとしました。しかし義妹はまったく引き下がりません。
そのとき、私はある違和感を覚えました。旅行の行き先や出発時間などは、自宅のリビングで夫婦だけで相談して決めていたのです。私も夫も、義妹どころか、義弟にすら話していません。
私は思い切って尋ねました。
「どうして今日出発することを知っていたんですか?」
すると義妹は一瞬目を泳がせ、「え? ああ、それは……勘よ! なんとなくそろそろ旅行に行くころかなって思って!」と引きつった笑顔で言ったのです。
しかし、その発言を遮るように、小学3年生の甥が不思議そうな顔をして口を開きました。
「え? お母さん、いつもお家で、おじさんとおばさんのお話を聞いてるじゃん。黒くて小さい機械のやつで」
その言葉に義妹は一瞬で顔面蒼白に。私が「それってどういうことですか……?」と激しく問い詰めると、義妹はついに観念したのか、信じられないことを口にしたのです。
「実は、前に家へ入ったときに盗聴器を置いたの」
あまりに衝撃的な告白に、頭が真っ白になりました。さらに、普段私と頻繁に遭遇していたのも、盗聴した予定をもとに外出時間を合わせていたからだというのです。
子どもたちの面倒を見てもらうため、意図的に私へ近づいていたと知り、恐怖しかありませんでした。
義妹のその後
私たちはすぐに義弟と義両親へ連絡。事情を聞いた義両親はすぐ駆けつけてくれ、義妹を厳しく叱責しました。祖父母である義両親に怒られた甥たちも、自分たちのわがままが周囲へ迷惑をかけていたことを理解したようで、しょんぼりと反省しているようでした。
怒られた義妹は拗ねた口調で「夫は仕事で帰りが遅く、休日も出勤ばかりで、1人で育児を続けるのが限界だった」と言っていました。
育児の大変さは理解できます。しかし、それを理由に他人の家へ無断で盗聴器を設置したり、予定を盗み聞きして行動を合わせたりすることが許されるわけではありません。
義妹は「お義兄さん家族の話を、他の人に言ったりしないのに……」とも言っていましたが、義両親立ち合いのもと、その場で盗聴器は撤去させました。
その後、義弟からも厳しく注意を受け、ようやく義妹は私たちへ謝罪。義両親も義弟も、「今後は必要以上に関わらせないようにする」と約束してくれました。義弟は離婚も視野に入れているそうです。
予定より少し遅れてしまいましたが、私たちは無事に家族3人だけで旅行へ出発。久しぶりに穏やかな時間を過ごせたのが、不幸中の幸いでした。
◇ ◇ ◇
育児に追い詰められる状況は誰にでも起こり得ます。しかし、その苦しさを理由に他人へ負担を押しつけたり、プライバシーを侵害したりする行為が許されることはありません。
なお、盗聴器を設置する行為自体が直ちに犯罪となるとは限りませんが、設置のために無断で住居へ侵入したり、器物を損壊したりした場合は、住居侵入罪や器物損壊罪などに問われる可能性があります。また、盗み聞きした情報を利用して相手に迷惑をかける行為も、信頼関係を大きく損なう行為です。
困ったときこそ周囲へ助けを求めることが大切であり、相手の善意やプライバシーを踏みにじるような行動は、結果として家族や親族との関係まで壊してしまうことを忘れてはいけません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。