いい報告をすると…妻からまさかの告白
ある日、僕は会社から、新規事業である「直営飲食店の立ち上げ」の初代店長に抜擢されました。このプロジェクトは、店舗の立ち上げを成功させれば昇進も期待できるという、会社が大きな期待を寄せる重大なプロジェクトでした。
勤務地が店舗となり、休日も変則的になるため、僕は帰宅後すぐに妻へ報告。ところが、妻の反応は予想と違いました。妻は、「本社から店舗勤務になるなんて、左遷されたってことでしょ? 出世コースから外れた負け組じゃん」と言っていて……。僕がどんなに説明しても、妻は聞く耳を持ちませんでした。
続けて妻は「実は私、あなたの同僚と付き合ってるの。将来性のない人と一緒にいても意味ないし」と衝撃発言をしました。過去に何度かその同僚を家に招いたことがあるのですが……その際に、こっそり連絡先を交換して、関係を持っていたよう。
妻はバッグから離婚届を出し、「サインして」とひと言。妻の裏切りに意気消沈しつつも、とりあえずサインは「話しあってからにしよう」と伝えました。すると、妻は「サインをしてくれないなら出ていくから!」と荷物をまとめ始めて……。僕は、妻に「後悔しないでね」と伝えて見送りました。
法的制裁と、僕を支えてくれた存在
突然の裏切りに大きなショックを受けましたが、このまま泣き寝入りするつもりはありませんでした。すぐに弁護士へ相談し、助言を受けながら妻と同僚の不倫について調査を進めました。その結果、2人が言い逃れのできない証拠を確保することに成功。慰謝料を請求した上で、正式に離婚が成立しました。
心に大きな傷が残りましたが、任された新店舗のオープンは待ってくれません。僕は仕事に没頭し、店づくりに全力を注ぎました。そんな僕を支えてくれたのが、新店舗のオープニングスタッフとして採用した副店長・Aさんでした。
Aさんは経験豊富で仕事熱心なうえ、やさしい人柄でした。僕が困っていると、的確にアドバイスをして支えてくれる頼もしい存在でした。数々の困難を乗り越えるうちに、僕たちは仕事仲間として深い信頼関係を築いていったのです。その努力が実を結び、新店舗はオープン直後から地元でも評判の人気店となりました。
因果応報を迎えた2人の末路
新店舗の成功は会社から高く評価され、昇進も決まりました。プロジェクトは、無事に成功したのです。
数カ月後、共通の知人から僕の昇進を聞きつけた元妻が突然会いに来ました。話を聞けば、不倫相手だった同僚とはすでに別れ、生活も苦しくなっているとのことでした。
「お願い…もう一度やり直したいの」と涙ながらに訴えていた元妻でしたが、話を聞けば聞くほど、彼女が見ているのは僕自身ではなく、肩書きや収入だけなのだと痛感。僕は「いまさら遅いよ」ということを伝えると、妻は泣き崩れました。
その後、2人の悲惨な末路を耳にしました。
同僚は、社内で不倫の事実が広まり、居場所がなくなり孤立。そんな状況に耐えられなくなったのか、自ら退職していったそうです。一方の元妻は、頼みの綱だった同僚から「お前のせいで人生めちゃくちゃだ」とあっさり捨てられたそう。慰謝料の支払いで貯金も底をつき、今は家賃の安いアパートに住んで、カツカツの生活を送っているとのことでした。
本当の幸せ
本社へ戻ることになった僕は、最も信頼しているAさんに新店長を任せました。彼女なら、これからもあの店をさらに良い店にしてくれると確信していたからです。
本社勤務に戻った僕でしたが、仕事終わりに店へ立ち寄ることが増えました。カウンター越しにたわいない話をしたり、お互いの近況を報告し合ったりする時間は、僕にとってかけがえのないひとときになっていました。
ある日の閉店後、Aさんは「店長と一緒に頑張れたから、ここまで来られました」と照れくさそうに笑いました。肩書きではなく、僕の仕事への向き合い方や人柄を見てくれていた彼女。この先どうなるかはわかりませんが、彼女となら穏やかな未来を築いていけるかも……とそんな希望を抱けるようになっていました。
一番信じていた人には裏切られましたが、その経験があったからこそ、本当に信頼できる仲間と出会い、大切な仕事にも恵まれました。
人を肩書きや条件だけで判断する人は、最後には大切なものを失ってしまう。そして、人柄や誠実さを見てくれる人との出会いこそが、本当の幸せにつながるのだと、僕は身をもって学びました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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